何かおかしい……そう思った時には遅かった。
気づいたら、また森見登美彦を選んでしまっていたのだ。
どういうことだ。
責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか。
私とて、はじめから彼の作品を読んでいたわけではないのだ。
読書という魔物にとりつかれたときには、
王道である森鴎外、ヘミングウェイなどを読んでいた。
それはもう、稀代の読書家達もあまりの輝かしい読書歴に
大きなあくび一つして、長い眠りにつくであろうことは請け合いである。
あの時、森見登美彦のこの本を手にとっていなければ……。
私も、もっと高尚な読書歴を歩んでいたことであろう。
しかし、いづれそうなっちまうんだ。
森見愛読者たちは"運命の黒い糸"で結ばれているのだから。
なんだか前置きが長くなってしまった。
相変わらずの森見登美彦節の炸裂である。
やはり、舞台は京都。
主人公は典型的草食系(?)京大生である。
しかし、2005年の時点で草食系男子が描かれていたとは!
軽妙な言葉遊びが光る文章である。この中毒性たるや異常である。
主人公とその変テコな友達とのやり取りはやはり必見である。
そして、太陽の塔で登場した人物と思わしき人々も存在する。
違うところは、こっちの主人公のほうが救いようがあることぐらいか?
小説なのに目次があるのでそれだけここに記しておこう。
読んだことがある方は、表題だけ読んでニヤリとしてくれて結構!
第一話 四畳半恋ノ邪魔者
第二話 四畳半自虐的代理代理戦争
第三話 四畳半の甘い生活
第四話 八十日間四畳半一周
前回紹介した太陽の塔も、この作品の一部なんじゃなかろうかとも"妄想"できる。
四畳半神話大系はアニメ化もされているので、そちらもおすすめだ。
原作の雰囲気そのものだが、"異なる四畳半"が広がっています。
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誰もが夢見る大学生デビュー、黒髪の乙女とのランデブー。
『薔薇色のキャンパスライフ』を妄想して大学に入った主人公。
しかし、『薔薇色のキャンパスライフ』は一瞬で溶けてしまう。南無三!
そして、傍にいるのは常に、悪友かつ親友である小津である。
主人公は妄想する、ああ、何故こうなったのか?
入学時の選択のせいじゃなかろうか!
いや、全てお前のせいだ!妖怪ナスかぼちゃ!
またそんな意味不明なわがままなことを言う……。
そうして、新しい妄想の世界が始まる。
自転車にこやか整備軍、秘密組織「福猫飯店」、カステラ
頼みの綱、魚肉ソーセージ、地獄のエンドレスナイト
さぁ、永遠に続く阿呆の世界へようこそ。
こちらに、森見氏作品読み順勧めなどもあります。
この作品を読んで気に入られたら、
夜は短し歩けよ乙女を読むことをお勧めします。
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購入金額
700円
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購入日
2011年08月頃
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購入場所
Amazon
Manyaさん
2012/01/08
文庫で集めているので、他の作品も早く小型化してほしいなぁ。
TakOnuさん
2012/01/08
はじめまして。森見氏の本、おもしろいですよね。
私は、本に関して言えば見つけるとついつい買ってしまうタイプなので
家の蔵書たちは大きさがバラバラで整理は困ります。(笑)