レビューメディア「ジグソー」

読み終わったあと、酷く悔しい気持ちになった

夢野久作と言えば「ドグラ・マグラ」です

なのですが、いきなりドグラ・マグラを読むのが怖かった(ぉ)ので、先にこちらを読みました。
タイトルが非常にショッキングですよね。
実際書かれている内容はかなり驚愕するものでした。

「ああ、こんなミステリも世の中にはあるのか」

と、読むたびに何度も感じました。
いわゆる話し言葉で物語が進むのですがその持って行く文章力が凄い。
まるで、本人から直接話を聞いてるような錯覚を覚えました。
そして、次々と話題が変わっているにもかかわらず、ついていけるストーリー展開。

絶句です。

昔ちょこっと私小説を書いていた身としては衝撃を受けっぱなしです。
自分に書けるだろうかと一瞬考えて、難しいつか無理と思いました。


解説を読んでさらに驚愕。
これが書かれたのは昭和4年前後。
自分の祖父が生まれた年です。
なのに、話の内容はまったく色あせていませんでした。

現代にも通じる内容。
そして、誰にも真似できない口語体での物語描写。
話している本人すら途中で何を言っているのか分からなくなる目眩にも似た衝撃。

自分が生まれるよりもずっと前にこんな作品が、そしてこんな作品を書ける人間が居ることがすごく悔しいと感じました。

ちなみに、収録作の殆どは青空文庫で読めますので、興味がある方はそちらか読んだほうがいいかもしれません。
  • 購入金額

    700円

  • 購入日

    2007年頃

  • 購入場所

    どこかの本屋さん

コメント (2)

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