2006年に購入したものだが、玄人志向扱いという事で比較的廉価に入手できた。
RAID0/1/0+1/5を制御できるが、PCI接続がボトルネックなので今の目で見ると速度に関してはあまり期待できない。しかし、データドライブとしてのミラーリングなら速度も問題にならず、6000円代でSATA2ポートを4つ増設できるというのは06年当時非常にありがたい存在。
何せ当時使用していたマザーボードはAGPグラボを使いたい為にあえて旧型のGA-8IPE1000 Pro2。SATA…それもSATA1規格ポートが2つのみと貧弱だったのだ。
当時は光学ドライブがATAPIとはいえ、起動用とデータ用HDDをつないだらそれで満タン。バックアップは低速なUSB2.0HDDや、容量の限られるMOに頼るしかない。
そこでこのカードを使用し、データHDDのミラーリング&初RAID体験を目指した訳だ。
ところでこの日買ったPCパーツ量は、1度で買った量&価格人生屈指に入る。そりゃ1からPCを組む時はもっと金がかかった事はあるが、増設の為に限ればたぶん最高クラス。
そもそも買出しに行ったのは原因不明のPC起動不能修理の為だった筈なんだが…
マザー故障かな?入手製も悪いしマザー買っておこう。
(GA-8IPE1000PRO2)
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メモリの故障の可能性も否定できないよな。
故障じゃなくても無駄にならないし増設も兼ねてメモリ買っておこう。
(DDR1 1GB 2枚)
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どうせ内部組み換えするならあこがれのRAIDにしよう。
(SATA2RI4-LPPCI&HGST 250GBHDD 2台)
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HDD2台追加とか電源容量やばいよな。電源買っとこう。
(be quiet! DARK POWER BE-Q530W)
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そういえば親のPCは古いIDEHDDだった。買っとこう。
(HGST 80GBHDD)
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あ、このキーボード配列気に入った。買っとこう。
(SANWAのキーボード)
当時この言葉を知らなかったから使わなかったが正真正銘の「イヤッホオオオウ」だろう。
さて、マザー交換でPCの通常稼動を確認した後、このカードの運用を試みた。むしろ1台のPCに複数のHDDを搭載するのが初めてだったレベルなので印なんかつけちゃったりしてルンルンだ気がする。
半ば手探りだったものの、別HDDでOSが動いているPCに新規でデータの無いミラーリング2台を追加するだけというリスクが低い作業だったのでさすがの私も無事構成完了。
当時起動用1台にこのRAID2台、更にDVDにMOドライブなんかも搭載していたからPentium4とあいまって、私のPCが最も重装備高消費だった頃だろう。
PCI接続&ミラーリングとはいえ、OSブート用のHDDがSATA1接続&80GBHDDだったのもあり、むしろこちらのデータ用ドライブの方が速度が出るという逆転現象が起きていた。
この構成で3年間トラブルも無く稼動する。
3年程経った09年4月、妙にデータドライブの速度が低下している事に気づく。遂にHDDが死んだかと思い別PCに1台づつ接続し、SMART等を見てみるが特に問題は無いしデータもしっかりミラーリングされている。
この時はミラーリングの再構築で元に戻ったのだが、念のため500GBのHDDを追加購入し、そこに手動でバックアップ。
その1ヶ月後、やはり同じ症状が。今度見てみると片側のHDDにエラーが出まくっていた。半ば予想はしていたので500GBHDDの同型を追加購入し、そちらでミラーリングRAIDを構成する事に。
ここまではよかった。ミラーリングに助けられたし、順調にデータを新HDDに移行できたのだ。
しかしここで大きなミスをしでかしている事に気づくのはその3ヶ月後だった…
3ヶ月後、突如PCが電源遮断。まあ一部のパーツは5年近く動いている旧型なのでトラブルが多いのは仕方ない。
その影響でこのSATA2RI4-LPPCIの設定もリセットされているようだった。
HDD2台を取り外してデータを見てみると、HDD(A)は確かに今のデータなのだがHDD(B)は3ヶ月前のデータのままだったのだ。どうやら「データのミラーリング」は行ったが「ミラーリングRAID」はこの3ヶ月間動いていなかったらしい。
危ない危ないとミラーリングを再構築する。
…
…
HDD(B)を基準にしちまったあああああああああ!!
そう、自らの操作ミスで3ヶ月分のデータを吹っ飛ばしてしまったのだ。ミラーリングもおっちょこちょいのバカヤローには歯が立たない。タイミングの悪いことに当時こっそり同人誌なんぞ作っていたから精神的ショックは計り知れなかった(ちなみにその同人誌はデータの大半損失でお蔵入り)。
これに懲りたというかどうでもよくなった私は、トラブルの耐えない旧型パーツ一式を諦めて、AGPを使いながらCore2Duoを使えるという変態マザーに手を出すことになる。
しかしこのマザーもSATA2になったとはいえ僅か2ポート。このRAIDカードは使い続けるつもりだったのだが…
ASRock 4CoreDual-SATA2のPCI周りが弱いのか、RAIDにアクセスが集中するとOSがハング。ミラーリングRAIDを解除してもやはりアクセス集中するとガクガクになる。色々設定はいじったもののSATA2RI4-LPPCIの安定運用は断念。
起動用HDD+データ用HDDのHDD2台構成として、あふれた1台はUSB2.0HDDケースに突っ込んでバックアップソフトでOS上からバックアップを行うという原始的な方法に戻ってしまった。
結局その後、メインPCのHDD運用はUSB2.0がネットワーク経由のPogoplugになっただけで、マザーのSATAポートが8個になった今もSSD1台&HDD1台というシンプル構成のままだ。
そしてこのカードはPentiumIIIマシンのSATAインターフェイスカードとして使うというあまりに贅沢な使用を試みたのだが、購入から4年間使っていなかったロープロファイルブラケットが見つからないというバカをする。しばらく強引な固定で使用していたのだが、「SATA光学ドライブが使用できない」というデメリットも影響してきてしまい…
よりシンプルなインターフェイスカードにその座を譲った。ちなみにその後ロープロファイルブラケットを発掘するも後の祭り。
とにかくこのカードには色々と勉強させられたので、思い入れのあるパーツとしては変態マザー&Parheliaに次ぐクラスだ。こうしてカードで得た教訓を生かして…
「ロープロ・フルハイト兼用カードの場合、使ってない方のブラケットはでっかくカードの型番を書いたメモを貼り付けてまとめて保管する」
という結論に達した。
…HDDの管理じゃなくてブラケットの管理かよ!!
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購入金額
6,000円
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購入日
2006年04月10日
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購入場所
クレバリー
nnsuteさん
2012/05/27
とても面白く読ませてもらいました。
下小川さん
2012/05/27
最早旧規格のカードなので、レビューというより思い出話に全力出してしまったのですが、こうして楽しんでいただけると嬉しいです。
AGPのParheliaを使うために06年の時点でも1世代古いPCだったので、内容的には更に懐かしレベルですね。確かこの時の買い物総額6万前後いってた気がします。