AI AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D(IF)
この長い名前のレンズは今から23年前、2002年にNikonが発売したF2.8通しの標準ズームです。
Nikonのレンズなので「Nikkor」を名乗っており、末尾に「D」が付くのでいわゆる「Dタイプレンズ」に分類されます。
フィルム機が残る時代のDタイプレンズでありながら超音波モータを内蔵したAF-Sを名乗っていることも特徴かもしれません。ただ、このAF-Sがこのレンズの癌ですが…
Nikon Fマウントのレンズということで当然FIJIFILMのFinePix S3Pro用に購入しました。
カメラ系の記事にはほぼ必ず登場しているS3Pro、かなりのお気に入りです。
Dタイプのレンズはどことなく懐かしさを感じるデザインをしていてとても好きです。
レンズ先端側にピントリング、ボディ側にズームリング、さらにボディ側に絞りリングを備えています。絞りは電子制御すること前提のようで絞りリングはとても回しにくい配置になっています。
AF/MFの切り替えスイッチの上に距離目盛があるところもポイントです。
本レンズの主な仕様です。
マウント:Nikon Fマウント
対応センサーサイズ:FXフォーマット(35mm フルサイズ、またはフィルム)
焦点距離:28mm~70mm
レンズ構成:11群15枚
解放絞り:2.8
絞り羽枚数:9枚(円形絞り)
最短撮像距離:0.7m(70mmマクロ時は0.5m)
フィルター径:77mm
重量:935g
長さ:121.5mm
焦点距離が同じミノルタの28-70mm F2.8Gと似たようなレンズ構成となっていますが、「大きい」「重い」「寄れない」「AF遅い」の四重苦レンズと呼ばれていたミノルタのGレンズよりもさらに大きくて重いです。
手持ちの標準ズームレンズと並べてみました。左からSIGMA 17-50mm F2.8 EX、ミノルタ 28-70mm F2.8G、本レンズ、AT-X 270AFです。24-70mm F2.8 Artは一時的に手元にないので比較対象には入れてません。(α7iiiも手元にないから今回の記事は作例以外α-7Digitalで撮ってます)
一目でわかるようにとんでもなく大きいです。
こう思った方もいるかもしれません「Fマウントの標準ズームレンズはもう持ってるだろ」と。
確かにAPS-C専用ですが、F2.8通しの標準ズームレンズは以前に買ったSigmaのものがあります。当時は「S3Proの使用頻度が高いから、あと安かった」と上記レンズを購入しましたが、SIGMAは本気機材のα7iiiでも使っているので「せっかくNikonマウントのボディを使ってるならNikkorを使いたいよね!」というとてもくだらない理由で役割が被るレンズを購入しました。うん、ミノルタレンズ買ったのも似た理由あるからね。
フィルター径は堂々の77mmです。
SIGMA 17-50mmと同じ径なのでフィルター使いまわせるやったね。
77mmのフィルターは高価なので使いまわせると助かります。そう考えると近頃のタムロンのフィルター径67mmに統一はとてもユーザーフレンドリーだと思いました。
古いレンズなので当然中古で購入しましたが、付属品が揃っていたことはうれしいですね。
標準ズームレンズとしては深いフードが付属しています。ここまで深い必要があるのかは分かりませんが、古いレンズなので逆光対策とかの意味もあるかもしれないですね。
レンズフードのほかにもとても高級そうなレンズケースも付属していました。さすが元値が高いだけはある。
20年以上前の製品なのにとてもキレイな状態だったので前オーナーは大切に保存していたのかもしれませんね。
FinePix S3Proに装着するとこんな感じになります。かなり大柄なレンズですが、ボディも大きいのでアンバランスな感じはせず物凄く迫力がありますね。
重量はレンズが935g、ボディが実測983gで1918gと2kg近くあります。(α-7digital+28-70Gは923+850で1773g)
ただ、ボディが大きいおかげなのか意外と持ちやすく個人的にはα-7digitalよりも軽く感じました。そして当時は高級だったレンズなだけあって本体の質感もかなり良く所有する満足感があります。
それでは毎度のことですが素人ながら作例を上げておきます。
FinePix S3Pro, AI AF-S Nikkor 28-70 f/2.8D
FinePix S3Pro, AI AF-S Nikkor 28-70 f/2.8D
FinePix S3Pro, AI AF-S Nikkor 28-70 f/2.8D
S3Proのレビューで載せた作例もそうでしたが、やはりNikkorレンズ+ハニカムCCDの描写はとても当方の好みに合っています。特に派手目の色の発色はCCDらしさ全開でいいですね。
当方の腕のなさ+S3Proでは本レンズは宝の持ち腐れかもしれませんが、これからも色々な景色、物を映していけたらと思います。
ここまであえて触れないで来たのですが、本レンズをはじめとする初期のAF-Sレンズ(超音波モーター内蔵レンズ)はAFモーターから異音がする通称「AF鳴き」と呼ばれる持病があります。時々異音がする程度のものもあればひどいものではAFが動作しなくなることもあるようです。
また、AF鳴きのほかにもピントリングが途中で引っかかるようになり、AFが動かなくなるといった事例もあるようです。
当方の個体はAF鳴きもなく操作系もスムーズですが、もうメーカー修理もできないレンズなので今後故障が起きないことを祈る他ありません。
当方は見た目でDタイプにしましたが、全長がもっと長いことと極端に古いボディでは使えない(S1Pro、S2Proなど)ことを許容できればGタイプを選んだ方がよいと思います。Gなら24mmスタートかつナノクリスタルコートがあるので使い勝手も写りも現代的だと思います。(新しいのがいい人にはEタイプもありますね)
それでも当方はDタイプである本レンズを気に入ってしまったので末永く使えると祈ります。比較すればきっとDタイプならではの良さもあるはず。
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購入金額
45,980円
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購入日
2025年04月02日
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購入場所
カメラのアキラ
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