今まで色々なオーディオインターフェースを使ってきましたが、FireWire接続の製品ではあまり常用に至った製品はありません。
この他、既に手放してしまいましたが、Terratec PHASE X24 FW(YAMAHA GO46と同じもの)なども使っていました。
828MkIIなどは音質に期待して買った製品だったのですが、私にとってのリファレンスである、Digital Audio Labs CardDeluxe CDX-01を超えるほどのものではなく、今ではあまり使用頻度も高くはありません。強いていえば、PreSonus INSPIRE 1394は価格の割にはなかなか優秀な製品だと思いましたが。
このFireWire Audiophileは発売当時の実売価格で3万円台後半という、FireWireオーディオインターフェースとしてはローエンドクラスに位置する製品であり、INSPIRE 1394とは競合関係にある製品といえますので、これに匹敵する満足感が得られるかが評価の決め手となるでしょう。
搭載しているD/Aコンバーター、A/Dコンバーターは、所謂独立型ではなくコーデックチップとなる、AKM AK4628が搭載されています。もっとも、この辺りのグレード差は聴感上の音質とは直接結びつかないことの方が多いので、あまり気にしすぎても仕方ないと思いますが。
アナログ出力の音質評価ですが、これまでの私の評価方法と同様に、LINE OUTから得られる出力をemagic a6|2mのINPUTに接続して、a6|2mのヘッドフォン出力を聴くという形にしています。直接の比較対象は同様に出力させている前述のCardDeluxeです。
FireWire Audiophileでまず気になるのが分解能の低さです。私の手持ちでCardDeluxeに匹敵するものは殆ど無いので仕方ない部分はあるのですが、INSPIRE 1394と比べても不利です。特に低域方向ではベースラインとバスドラムがきちんと分解されないような不明瞭感があります。
M-AUDIOのオーディオインターフェース全般にいえるのですが、キレや鮮烈さという要素は控えめで、ふんわりとしたリスニング志向の音が出て来ます。もちろん、かつての最上位モデルであるDELTA 1010などは同系統の音でももっと分解能は高くなりますが。
高域方向はきっちりと出ているような印象を一瞬は受けるのですが、例えばハイハットの叩き方の細かな違いなどを充分に表現出来ているとはいえません。
ただ不思議なことに、以前友人から借りて使ったUSB接続のAudiophile USBと比べると音場の形成などはこちらの方が整っているように感じられ、その意味では価格相応レベルの音にはなっているかなと感じられます。元々の実売価格がハイクラスのサウンドカードに近い製品ですから、音質的にもその辺りの製品との比較であれば十分な実力ではないかと思います。
この製品の美点といえるのは、FireWire接続のオーディオインターフェースとしては、システム負荷が低そうだと感じられる点です。製品によってはそのオーディオインターフェースを使っているだけでシステムのレスポンスが落ちて感じられるようなものすらあるのですが、この製品では特に負荷をかけているという印象を受けません。
ちょっと凝ったサウンドカードの代わりに買うという程度の感覚であれば決して悪くはない製品といえるでしょう。よりオーディオ的にこだわって選ぶのであれば、もう少し上の製品の方が良いと思いますが。
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購入金額
1,490円
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購入日
2014年04月29日
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購入場所
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