今までオーディオ的な品質を追求して、PC用のオーディオインターフェースを色々と買いそろえていました。最近ではUSBやLANで接続できるピュアオーディオ機器も増えてきましたが、一昔前は主にレコーディング用のオーディオインターフェース程度しか高音質なPCオーディオ環境が用意されていなかったためです。
その中でもDigital Audio Labs CardDeluxe CDX-01やecho digital audio LAYLA 24/96などはオーディオ機器として高い水準の音を持ち、今でも再生用やアナログソースの録音用に使い続けています。
一方、世間的には比較的評価が高く知名度も高いM-AUDIOのオーディオインターフェースもいくつか所有歴があるのですが、これらは殆ど使われることがない微妙な存在となってしまっています。
特にDELTA1010などはかつてのハイエンドモデルであり、音質面での評価も高い製品ではあったのですが、スピーカーでのリスニングで空間表現に難を感じてしまい、結局殆ど使っていません。
またFireWire Audiophleの方はヘッドフォン出力時の音質が良好と聞いていたのですが、個人的にはemagic a6|2mの方が上と思ってこれも殆ど使うことがなく、知人に貸しっぱなしの状態です。
しかし先日、中古品として手頃な値段で売られている、このFireWire 1814を見つけてしまいました。FireWire Audiophileに近い世代の製品ですが、入出力数が増えて価格帯も上位だった製品ということで、その実力を知りたいと思い購入してみることにしたのです。
実用に耐えるヘッドフォン端子
発表は10年ほど前というかなり古い製品ですが、届いた現物は割合良好なコンディションを保っていました。欠品も特になく外装もまずまず綺麗です。
本当ならきちんとLINE出力から接続して、スピーカーで聴いてみたいところではあるのですが、FireWire接続の環境を用意する時間が無かったので今回は内蔵のヘッドフォン出力での音質を評価してみます。
試聴に使ったのは定番ともいえるこの製品です。
まず、HD650をある程度の水準で鳴らすことが出来るかというのが第一関門だったのですが、これはあっさりとクリアしてみせました。DAP等で使ったときのような「ただ鳴っているだけ」という水準ではなく、きちんとした空間を構築してくれます。
その上で音質傾向についてコメントしてみますと、M-AUDIOのオーディオインターフェースは比較的ソフトで解像感に乏しい音が出てくるイメージがあったのですが、この製品は解像感もまずまず出ていますし、力感は結構出ています。ややドンシャリ気味ではあるのですが、レコーディングモニターという用途を考慮すればこれぐらいで良いのかもしれません。
もっとも、前述のCardDeluxe等に比べると、解像度や緻密さでは及んでいないようですし、音場自体が狭く感じられます。比較的狭い空間の中に、濃い密度で音場が構築されるというイメージと言えば良いでしょうか。
楽器の質感などもまずまず良好ではあるのですが、特筆するほどでもないという水準です。総じて程々に良くまとまった音質であるとは思いますが。
それでも、今まで使った他のM-AUDIO製オーディオインターフェースと比べれば満足度は高いものがあります。少なくとも一般的なPC向けサウンドカードよりははっきりと高音質ではないでしょうか。実売価格も大幅に下がっている今となっては1台持っていても面白い存在かも知れません。
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購入金額
4,514円
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購入日
2016年01月26日
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購入場所
ソフマップ・ドットコム
harmankardonさん
2016/01/26
jive9821さん
2016/01/26
個人的には低価格のFireWire製品で好印象だったのはPreSonusでしょうか。M-AUDIOは音質以上にサポート環境の広さや旧製品の面倒見の良さが長所だと思っています。その意味で最も無難な選択であることは間違いないでしょうね。
PCI製品で好印象だったecho digital audio辺りのFireWire接続製品や、RMEの製品も使ってみたいのですが、この辺りはなかなか格安品が出てこないので気軽に試せないんですよね…。