今朝(日本時間12月23日、現地では12月22日)訃報が届いた、英国人シンガー・ソングライター、クリス・レアの自身初となるベスト・アルバムが本作です。
日本ではクリスマス・ソングの「Driving Home For Christmas」が特に有名で、今年も街中で彼の歌声が聞こえてきていた中での訃報であるだけに、驚きました。もっとも1990年代後半以降は何度か大病を患ったりと健康状態は良くないという話は伝え聞いていましたが…。
彼は27歳でソロ歌手としてデビューしますが、プロデューサーとしてエルトン・ジョンを育てたことで知られるガス・ダッジョンが付いたことから、当初は「第2のエルトン・ジョン」というキャッチフレーズで紹介されていました。
もっとも細身でハイトーンの声だったエルトン・ジョンに対して、クリス・レアは若い頃から渋いハスキーヴォイスでしたし、どちらかというとブルース系ギタリストとしての側面を強く持っていましたので、ガス・ダッジョンと音楽的嗜好が噛み合わず、彼の元から独立した後でヒット作を生むようになります。
本国ではなかなか評価されず、米国でもデビュー作はヒットしたもののそれ以降は地味な存在となりつつあったクリス・レアですが、80年代半ば頃から徐々にシングル・アルバム共に売れ始め、丁度その時期に日本でもこのTV-CFで広く知られるようになりました。
そして、この「On The Beach」などがヒットしたことを受け、初期のあまりセールスに結びつかなかった名曲を、全て録音し直す形でリリースしたのが、今回紹介する「New Light Threw Old Window」というベスト盤です。
楽曲の質の高さが光る名盤
私がこのレコードを入手したのは恐らく2000年よりも前だったと思います。確か300円くらいで買った記憶がありますが、当時の中古LPとしてはこれがごく普通の値段でした。
収録曲は以下の通りです。
Side 1:
1. Let's Dance
2. Working On It
3. Ace Of Hearts
4. Josephine
5. Candles
6. On The Beach
Side 2:
1. Fool (If You Think It's Over)
2. I Can Hear Your Heartbeat
3. Shamrock Diaries
4. Stainsby Girls
5. Windy Town
6. Driving Home For Christmas
7. Steel River
「On The Beach」は上のマツダ・エチュードのTV-CFでも使われていますが、こちらに収録されているものはTV-CFよりもテンポが速いアレンジとなります。
収録曲で公式MVが公開されているものをいくつか紹介しておきましょう。
若い頃から老成したようなハスキーヴォイスが特徴ではあったのですが、楽曲そのものはキャッチーで親しみやすいメロディーラインのものが多いのです。レイ・パーカー・Jrに通じるようなこってりとしたギターの音色とこの声の組み合わせが彼独特の音といえます。
訃報を受けた追悼メッセージの中で、とあるジャーナリストは「最高の人物であり非常に過小評価されているソングライターである」と述べたといいますが、彼には他にも名曲は多くあるのですがその割に世間にあまり評価されていない印象があります。私は子供の頃から彼の音楽にずっと親しんできていましたので、何故彼が高く評価されていないのか、未だにその理由がわかりません。
一度は音楽活動から引退を表明していたものの、その後も地道な活動を続けていただけに、まだまだ彼の音楽が届けられると思っていただけに、今回の訃報が惜しまれます。
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購入金額
300円
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購入日
不明
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購入場所
不明






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