先日BSで来日公演の模様が放送されていたセリーヌ・ディオン。時代的にレコード盤とはあまり縁の無いアーティストではあるのですが、近年のアナログブームの流れからか、過去作の重量盤LPが発売されるようになってきました。
そこで取り敢えず何か1枚聴いてみようということで、日本で最も知られているであろう2曲「To Love You More」「My Heart Will Go On」が収録されたアルバムである、本作「Let's Talk About Love」を入手してみることにしました。まあ、楽天ポイントがレコード2枚程度なら貰える金額に達していたことと、タワーレコードの通販で楽天ポイント決済が可能であったから、割合気軽に注文できたわけですが…。
実は来日公演の合わせる形で、本作は日本でもCDが再発されています。CDでもLPと同様に2枚組で、リマスターかつBlu-Spec CDとなっているようです。このLPは2枚組かつ180g重量盤となっています。
輸入盤のLPを新品で買ってがっかりすることが多いのは、とにかく盤面が汚れていることが極めて多いということです。このレコードも埃や紙くずだらけで、ある程度きちんと拭いてもまだ取り切れていない付着ゴミがあるようです。
かつてのCBS/Columbiaは現在SONY MUSIC/Columbiaとなっています。以前日本盤の初期のCDはEPIC SONYから出ていたと記憶していますが…。
以前取り上げた「40 Trips Around The Sun / TOTO」もそうだったのですが、MP3ダウンロード権が付いてきています。わざわざLPで買うようなリスナーにどの程度必要なのか疑問が残るところではありますが…。
LP向けのマスタリングでは無い
実はセリーヌ・ディオンについてはそれほど私自身に知識があるわけではありませんので、レコードの商品ページで収録曲を見て、そのまま買ってしまったのです。
後で調べてみると、実は「To Love You More」はこのLP盤独自の収録曲であり、本来はアルバム「Falling Into You」の収録曲だったようですね。「My Heart Will Go On」は言わずと知れた映画「タイタニック」のメインテーマ曲であり、セリーヌ・ディオン最大のヒット曲ですね。実はこの曲に関しては以前から12インチシングル盤で、レコードは所有していました。
デイヴィッド・フォスター&ウンベルト・ガティカのプロデュースだけあり、バックのミュージシャンも豪華ですし、楽曲の出来も高水準で、作品としては素晴らしい仕上がりです。詳細なクレジットを調べて、コリー・ハートなど懐かしい名前が見つかったのも嬉しいところです。
ただ、今回はレコード盤を敢えて買ったということで、レコード盤について述べておきますと、音質的な面から判断する限りでは、敢えてこれをレコードで買う意味は無いと断言してしまって良いでしょう。
音質自体は特筆する程良くもないものの、どうしようも無いほどひどくも無いというところなのですが、マスタリングが完全にCD向けのものとなっているのです。私の場合、レコードも取り敢えずPCを通して一度デジタル化してしまいますので波形を確認すれば必然的に分かるのですが、デジタルでリリースするためのコンプレッサーがきつくかかっていて、レコードらしいダイナミックレンジが全くないのです。少なくともアナログ向けのマスタリングであるならば、アタック部分のピークレベルが殆どの箇所できちんと揃っているということはありませんからね。
作品として楽しむのであればCDやダウンロード販売のもので充分ですので、よほどの物好きという方で無ければそちらを買われた方が安上がりかつお手軽です。音質的にはCDでもLPでも大差ないのは間違いないと思いますので。
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購入金額
3,392円
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購入日
2018年08月27日
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購入場所
タワーレコード オンライン
harmankardonさん
2018/08/31
特にCD全盛期のマスターは注意が必要と思っています.
最低でも48/24で録音されていないと,厳しいです.
jive9821さん
2018/08/31
この時代辺りから、CDのコンプレッションがそれ以前よりさらにきつくなっている傾向がありますね。
アナログマスターか、ハイレゾであればまだ何とかなることが多いのは確かですが、この世代の音源はレコード化しても意味が無いものが多いかも知れません…。