100均の商品といえば、まずはこれが一番に頭に浮かびます。
シンプルな構造で100円コストに収まるもので、原価を叩かれる工場も無ければ騙される購買者も無い。誰も泣く事の無い、素晴らしい商業活動。
通常の容器でゆでたまごを作ろうとすると、結構な量の漬け汁(調味料)が必要になります。捨てるのももったいなくらい。この製品は容器の形がゆでたまごに合うような形状になっており、少ない調味料で味玉を作ることができるという専用容器になっています。
100円ショップには収納ケースから文房具、調理器具まで多種多様なアイテムが並んでいます。その中で「味玉名人」が突出しているのは、単なる便利グッズを超えて“生活の質を変える小さな発明”だからだと思っています。
味玉は作りたいけれど「調味料が多い」「味がムラになる」といった悩みを抱える人は多いもの。味玉名人はその課題をシンプルな構造で解決し、誰でも失敗なく作れるようにしてくれます。100円で料理の楽しみを広げる力は他のアイテムにはなかなかありません。料理のハードルを下げる革新性があります。
「卵専用の味付け容器」という一点突破の発想は、収納ケースや文房具のような汎用性とは異なる尖った魅力。100円均一商品というのはこうあるべき、的なプロセスでアイデアの純度の高さに唸ります。この商品を見つけた瞬間に「なるほど!」と納得させられる強さがあります。
パッケージ裏面。味玉の作り方についても詳しく書いてありますが、まぁ一目瞭然で分かります。形状から使い方を想像できるのって、良いデザインの証拠です。
素材となっているポリプロピレンはラット実験などでは危険性は確認されず、一般的に「安全性が高いプラスチック」と認識されています。軽くて割れにくく、熱にも比較的強いため、赤ちゃん用食器や給食の器などにも採用され、食品容器や学校給食用食器にも広く使用されてきました。
日本や多くの国で食品用容器として認可されており、食品衛生法でも使用が認められている素材です。日常的な使用に問題はないとされています。
ただし、電子レンジや熱湯など高温環境では、添加剤が溶け出す可能性が指摘されています。
特に表面に傷があるとリスクが高まります。繰り返しの加熱や食洗機使用で劣化すると、微量の物質が溶出する可能性があるため、長期使用には注意が必要です。
作り方もこの表示で全部分かるくらい。
製造しているスルガ株式会社は、建材や家庭用品を中心に幅広い製品を手掛ける企業で、100円ショップ向けの商品も展開している日本のメーカーです。
スルガは、セリアやダイソー、キャンドゥ、ワッツなどの100円ショップでよく見かける家庭用品を供給しています。特に「味玉名人」のようなアイデア商品は、スルガが得意とする“生活のちょっとした困りごとを解決する製品”の一例です。
また、過去には家庭用品メーカーのレック株式会社を吸収合併しており、100円ショップ向け販路を強化してきた歴史があります。そのため、現在のスルガは建材や物流資材だけでなく、家庭用品分野でも存在感を持っています。
創業1950年という老舗メーカーであり、100円ショップで見かけるユニークなアイデア商品を生み出す背景には、長年培ったものづくりの技術と、環境・生活への配慮があります。この商品も、その哲学を体現した製品のひとつと言えるでしょう。
本体。蓋が黄色い物とか、いろんなバリエーションがあるように思います。
容器は透明なので、色が付いている様子とか少し分かります。
パーツは全部でこんなかんじ。
黄色いパーツは落し蓋で、これがまさにアイデアの心臓といえる部分かと思います。
この落し蓋が卵全体に調味液を行き渡らせる工夫 になっています。
容器の中に卵を入れると、専用の押さえ板(落し蓋)が卵の上にぴったり乗ります。落し蓋は軽量なポリプロピレン製で、卵に均等な荷重を与えます。この荷重が卵を沈め、浮力で液面から飛び出すのを防ぎます。これによって卵が浮き上がらず、調味液が卵全体に接触する状態を保ちます。蓋の形状は卵の曲面に沿うよう設計されており、接触面積を広げて安定性を高めています。調味液は容器内で静止しているように見えますが、卵を入れることで液面が変形し、圧力分布が変わります。
液体は自然に下へ沈みますが、落し蓋が卵を押さえることで、液体が卵の上面にも回り込み、全体が均一に接触する状態を維持します。完全に表面張力だけで支えているわけではなく、液体の圧力と蓋の形状が組み合わさって「卵が常に漬かっている状態」を作り出しているのです。少量の液でも卵全体が覆われるのは、液体の圧力+蓋の形状による流体の再分配の結果です。
通常なら卵を完全に浸すには多めの調味料が必要ですが、この仕組みだと少量でも卵全体が液に触れるため、コストも環境負荷も減らせます。
つまり「味玉名人」のアイデアは、落し蓋の形状を利用して卵を沈め、少ない調味料でも全体に味を行き渡らせるという点にあります。表面張力だけではなく、液体の圧力と蓋の設計が合わさった物理的な工夫が、この商品の真価ですね。
まず、ゆでたまごを作る。つるつるの表面で、お肌もこんなかんじになりたいですね。憧れです。
僕の家は IH ですが、大体7分くらいやると半熟になります。
今回はすぐに食べる予定が無いので、長持ちするように固ゆでにするので10分かけました。
卵の殻を剥くときは、ボウルの中に張った水の中に沈めて作業すると綺麗に剥けます。
卵の殻と卵白の間には「薄い膜(卵殻膜)」があり、乾いた状態ではこの膜が殻に密着して剥がれにくいのですが、水中では表面張力が働き、水がその隙間に入り込み、膜と殻の界面を潤滑します。結果として摩擦が減り、殻がスルッと外れます。冷水にさらすと、卵白のタンパク質が収縮し、殻と膜の間に微細な隙間が生じるというのも理由のようです。
味玉を作る調味料はめんつゆを使うというのが時短レシピらしいのですが、僕は「めんつゆ」を冷蔵庫に常備しておらず自作しています。そんな手間じゃないです。
お気に入りの醤油に、みりん、白出汁、それくらいです。はちみつを入れると美味しくなるのですが、僕はハチミツも砂糖も入れないです。ちなみに水も入れないです。元々めんつゆってそういう原料で作って混ぜてるだけのものなので、わざわざ別に購入して使い切ろうと頑張ることも無いですが……。
「やみつきキャベツ」「無限キャベツ」といった調味料セットも売られていたりするのですが、あれも普通に手に入る調味料で簡単に作れます。
ゆでたまご投入。
卵のサイズで調味料の量が変わります。全体が漬かるようにするためです。
それぞれを足していって内側にある線までくるよういするだけ。
落し蓋を落とす。
蓋をして完成。一応、密封状態にはあるのですが、あまり信用しない方がいいです。
傾けたら時々ちょっとこぼれたりすることもあるみたい。
冷蔵庫に1時間寝かす。
僕は一晩漬けました。漬けすぎるとしょっぱくなるらしいのですが、しょっぱくなった味玉というのをあんまり見たことがないような?
出来上がり。ちゃんと色が付いています。
ゆでたまごの黄身を真ん中にする方法ですが、お湯の中でくるくると回転させてあげるだけです。
僕は水を入れた段階から生卵を鍋の中に入れて置いて、沸騰するまでお箸で時々くるくると回すように動かしています。固まる前に動かすのがポイント。
今更ですが、ゆで卵は「完全栄養食」と呼ばれるほど栄養バランスが優れており、それを味玉にすることで美味しさと保存性が高まり、日常の食事に取り入れやすくなるというのが味玉の存在理由となります。
ちゃんと白身のところにまで色が付いて、均一に染みているのが分かります。
うん、良いですね。
写真を撮るために、半熟にしておけばよかった。
高タンパク質食品として知られるゆで卵1個(約50g)には 約6.3〜6.8gのタンパク質 が含まれています。必須アミノ酸がバランス良く揃った「良質なたんぱく質」で、筋肉や臓器の修復、免疫機能の維持に役立ちます。卵黄の方には 約5gの脂質 が含まれ、細胞膜を作るリン脂質「レシチン」も豊富。脳や神経の働きをサポートします。ビタミンB群(B2・B12)、ビタミンD、ビタミンA、セレン、鉄、亜鉛なども含み、エネルギー代謝や免疫機能を支えます。
さらに、コリンという認知機能の維持に関わる栄養素も含まれており、アルツハイマー型認知症リスク低減の研究も進んでいたりします。
総じて、低糖質・適度なカロリー。1個あたり 約75〜77kcal、糖質はほぼゼロ。ダイエット中でも安心して摂取できるのがゆでたまご。
そのままでも栄養価が高いゆで卵に、しょうゆやみりんの旨味が加わることで、食欲をそそり、継続的に食べやすくするのが味玉。
調味液に漬けることで酸化や乾燥を防ぎ、冷蔵庫で数日保存可能。作り置きに便利。濃厚な味わいを少ない調味料で実現できるため、塩分や糖分の摂取を抑えつつ満足感を得られます。
つまり「味玉」は、栄養学的にも生活実用的にも、ゆで卵の価値を最大化する調理法なのです。
ラーメンスープに入れてみました。
うん、やっぱり味玉にはラーメンスープがよく似合う。
100円の機能美
卵にぴったり収まるコンパクトな容器と落し蓋構造。シンプルながら「卵専用」という一点突破の美しさが際立ちます。少量の調味料でも卵全体に味が行き渡る仕組み。無駄を省き、効率を最大化する構造そのものが美しさを宿しています。
手入れが簡単で長く使える
シンプルな構造でパーツが少なく、分解も容易。汚れが溜まりにくい。
ポリプロピレン製で軽量かつ水切れが良く、乾燥も早い。
耐久性があり、繰り返し洗浄しても劣化しにくい。
低コストで高い満足度
100円で失敗知らずの味玉作りが可能。
少量の調味料で効率的に漬けられるため節約&エコ。
繰り返し使える耐久性で長期的にもお得。
日常にワクワクをくれる、ワンコイン
100円ショップのアイテムの中で「味玉名人」は文房具や生活用品とは異質の、ただの便利グッズではなく「生活をちょっと豊かにしてくれる小さな革命」という要素を感じます。
汎用的な製品というのは、多くの人に普通に使ってもらうために尖った部分を削って普通にしていくものなのですが、100円というコストでは「ちょっと買ってみようかな」というマインドになるので、アイデア商品が出てきやすい土壌はあるかと思います。
その前提としても、このアイデア製品は「料理の楽しみを広げる喜び」があります。
味玉を作るのは意外とハードルが高いもの。調味料の量や漬け時間で失敗することも多い。でもこの商品なら、少ない調味料でしっかり味が染みる。初めて使ったとき、「え、こんなに簡単でいいの?」と驚きました。失敗が減る安心感は、まさに「買って良かったな」という気持ちを爆上げしてくれます。
卵専用の味付け容器なんて、誰が思いついたでしょう。ありそうでなかった発想に心を掴まれます。アイデアの純粋さに感動。100円でこのアイデアを形にしてくれたことに拍手を送りたい。環境にも財布にも優しい。少ない調味料で済むから、無駄が減り、エコにもつながる。
しかも100円。コストパフォーマンスとSDGs的な価値が同居しているのは、現代的で誇らしいポイントです。
さらにデザインの部分。外観のビジュアルではなく設計という意味での本来のデザインですが、落し蓋に代表されるパーツの細部に物理が潜んでいるなど完成度が高いです。
- 流体力学:落し蓋が卵を沈め、少量の調味液でも全体に均一に接触させる。
- 表面張力:液体が卵表面にまとわりつき、ムラなく味が染み込む環境を維持する。
- 固体力学:軽量な蓋が卵に均等な荷重を与え、浮力で浮き上がるのを防ぐ。
- 拡散現象:卵白内部へ味が浸透するのは濃度勾配による拡散で、全面接触が効率を高める。
上記のような人類の叡智が設計に落とし込まれており、これが100円という価格なのです。
製品として、すごいと思いませんか?
味玉が作られるプロセスも、ゆで卵のタンパク質が冷却で収縮し、味が入り込みやすい状態を作るという熱力学?でもあるのですが、シンプルに動力も使わずに安価な製品を作るとした時に、目のづけどころが良いなと素直に感じました。プロダクトデザイナー的にも大絶賛です。まさに100円ショップの店頭に並ぶに相応しい、100円ショップに置いて欲しい製品だと思います。
そして、冷蔵庫を開けて、しっかり味の染みた卵が並んでいると、それだけでちょっと嬉しい。
お弁当や晩酌のお供に「今日はどんな味玉にしよう?」と考える楽しみが増える。
こういう小さなワクワクが、暮らしを豊かにしてくれるんです。
「味玉名人」の買って良かった度は、単なる便利さを超えて 生活を彩る力 にあります。
100円という価格で、料理の失敗を減らし、環境にも配慮し、日常に小さな喜びをもたらす。
これ以上の「買って良かった度」を持つ商品は、そうそう見つからないでしょう。
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購入金額
100円
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購入日
2025年11月16日
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購入場所
セリア














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