先日まで実施していたメインPC復旧&リニューアル作業で一番世話になったソフト。
今回のリニューアル作業、障害を受けたSSDとHDDが、たまたまともにRAID 1構成で、それぞれ一枚ずつは生きていたので、そこからUSB接続のHDD
に全ファイルコピーしてデータを救い出したのだが、それはいわゆる「データ系」であり、Windows本体とプログラムは別のRAID 0のディスクアレイにあった。
昨年までのメインPC構成は、2018年に構築したモノで、当時はTBクラスのSSDは5万円超のシロモノでなかなかおいそれとは買えなかったので、小容量SSDと中容量HDD(今目線、当時としては中容量SSDと大容量HDD)を複数使ってRAIDを組むことで、コストパフォーマンスとスピード、容量増を狙った構成だった。
すなわち、
①512MB NVMe M.2 SSDを2枚使ったRAID 0で約1TBのOS・プログラムアレイ
②512MB SATA SSDを2枚使ったRAID 1で約0.5TBのテンポラリアレイ(含むデスクトップ)
③4TB SATA HDDを2枚使ったRAID 1で約4TBのデータアレイ
の論理容量5.5TBのアレイ群を積んでいたのだが、「いわゆるCドライヴ」の①+②が1.5TBしかないので、末期はデータ容量が本当にキツくて、ほぼ毎日~一日おきに②⇒③の待避を行い、一~二週間に一度は③からUSB外付けストレージにデータを逃がしていた。
それが転居時に引越業者Sのとうてい精密機器を扱っているとは思えない雑な扱いで②と③のアレイが1ディスクずつ障害を受けた。幸いなことに、ともにRAID 1の一方だったのでデータのロストは避けられたが、起動プロセスのディスクチェック段階で、障害うけたディスクを探すステップでずっと探し続けるようになり、それが原因で一時起動不能になったので、かなりヒヤヒヤした(結局「OSのあるRAID 0+2つあるRAID 1のひと組ずつ」と言う構成にすることでなんとか起動したが)。
特に①のOS+プログラム系は、構築時「OSは元ディスクがあるし、プログラム系も元ディスクかオンライン購入のモノは購入時のアクティベイトキーの控えがあるので、時間さえかければ再構成可能」と割り切ってRAID 0で容量と速度を求めたが、 いざ7年も使っているとイロイロ貯まってきて、ゼロから再構築すると思うとゾっとするほどたくさんのものが「詰まって」いて...、いやそれよりもOS元ライセンスはWindows 7 Professionalで、Windows 10 PRO化以後のフルバックアップもなかったので、本当にゼロからの再構築となった場合、途方もない時間がかかったと思われる。
そもそも毎日の使用感が大幅に損なわれるほどの容量不足だったのに、そしてTBクラスのストレージの価格が下がって容量増の敷居が大幅に下がった状態になったのに、グタグタと古いのを引っ張って使っていたのが、この1.5TBの「いわゆるCドライヴ」がRAID 0+RAID 1の複合アレイで形成されていたので、例えば2TBのSSD(HDD)を買ってきて、普通の手順で簡単にクローンディスクを作って容量アップするというのが難しかったから。
それが今回の障害で、フンギリ?がついて、片肺になった②と③から取りあえず全データを別ディスクに逃がして、データ側はまっさらな状態から再度組み直すことにしたため、OSが入っている①のアレイに、②から空になったデスクトップやテンポラリフォルダを情報的に戻せば、単にRAID 0のアレイ1つの「Cドライヴ」から別ディスクにクローンすれば良いだけと事態が単純化され、クローンディスクを作りやすくなった。
ただ、「単純化された」と言ってもクローンソフトでRAID対応のものは多くない。また今回単純クローンではなくて、増量化も果たしたかったので、クローン後のパーティション操作も必要になる。
そんな数少ないRAID対応ディスククローン&パーティション操作ソフトが、MiniTool Partition Wizard。
以前動画ダウンロードツールとしてレビューした、MiniTool uTube Downloader
と同じ開発元=MiniTool Software Ltd.のディスククローン&パーティション操作ソフト。uTube Downloader自体は、スピードは速いものの、YouTubeにログイン出来ないのでメン限動画のダウンロードなどに難があり、またその後開発終了して、基本有償のMiniTool Video Converterと言う別ソフトに統合されることになり、それが無料版ではダウンロード本数の制限がある上、有料版もサブスク形態しかなく、ソフトは原則買い切りが好きな自分としては、そのころにはダウンロードスピードとメン限対応を兼ね備えた別のモノを見つけて使い始めていたのもあり、最近は使っていなかったのだが、MiniToolに対しては使用当時の良い印象があった。さらにMiniTool Partition Wizardに関しては確実にRAID対応のクローンツールという情報があったので、入手することにした。
そのMiniTool Partition Wizardだが、いくつかヴァリエーションがある。Windows Serverにも対応した企業向けを除くと4種で、それがMiniTool Partition Wizard Free、同 Pro、同 Pro Platinum、同 Pro Ultimateで、それぞれ機能とインストール許可台数、契約条件が異なる。
まずMiniTool Partition Wizard Free(以下Free)だが、名前の通り「無料のお試し版」で、まずOSパーティションのコピーやOSディスクのコピー、OSをSSDやHDDに移行といった「Windowsそのものを動かす」という事が出来ない。さらにデータ復元機能がない、ダイナミックディスクの操作(サイズ変更やコピー、削除など)が出来ない、システムが破損している状態でも本ソフトの機能が使えるWin-PE起動ディスクが作れないなどと制限が多い。ただし、OSの入っていないベーシックディスクに関しては、パーティションのサイズ変更・結合・削除など、データ復元以外のほとんどの操作が回数制限などなしで出来るようになっている。
有料になるMiniTool Partition Wizard Pro(以下Pro)以上では、OSが入っているドライヴの操作やダイナミックディスクの操作など、多くのこと...というかほぼフルスペックになるのだが、素のProには若干の制限が入っている。そのProと、その上の同 Pro Platinum(以下Platinum)の機能の違いはデータ復元機能の有無。あとは機能的に同等で、ともに年払いライセンスで1年間のアップグレード権がついているのも同じ。ただPlatinumの方は3台のPCに入れて使うことが出来る(Proは1ライセンス1台)。それでいてPlatinumはProの2倍ほどの価格なので、データ復元機能追加された上級版が3台分になるのに2倍の価格なのでオトク、という形。
最上位のMiniTool Partition Wizard Pro Ultimate(以下Ultimate)は、機能的にはPlatinumと完全に同一。違うのは契約形態とインストール台数で、Ultimateだけが買い切りで永久無料アップグレード対応、1ライセンスで5台のPCにインストール出来る。価格的には、素のProの3倍、Platinumの1.5倍ほどなので、3年使えば(もしくは4台以上使えば単年でも)ProはもちろんPlatinumと比べてさえもUltimateがオトク。
ただ、うちのような逸般の誤家庭はともかく、スマホやタブレットにデジタルデバイスの主軸が移った現在では、自分の配下にあるPCが3台を超える人は多数派ではないと思うので(ここ-ZIGSOW-は逸般人の方々が多いので除く)、税込み24,000円強というのはディスクユーティリティソフトの絶対価格としてちょっと敷居が高い。3台分くらいまでで十分なので、永続ライセンスがもう少し安くても...とは思う。
ただ、今回に関してはクローン化とそれによるバックアップ(物理的に別ディスク保存)、さらにパーティションの操作に大活躍だったので、時間節約と安心感含めて、購入価約25,000円弱の価値が充分あった(国内正規価格はUltimateが税込24,200円なので購入価は300円ほど高いように思えるが、実は国内で買うと12,000円ほどする別のバックアップソフト=MiniTool ShadowMaker Pro Ultimateがついての価格なので実質的にはもっと安いし、そもそもRAIDのコピーなどができるディスクユーティリティが永続利用できると思えば心強い)。
使い方は非常に簡単。画面もグラフィカルで、容量アップしてクローンディスク作った時の仕上がりイメージなどが棒グラフで示されてとても使いやすい。今までこの手のソフトは、それこそいにしえのフロッピーディスク版Norton Utilitiesの時代から、「AOMEI Backupper Professional」
まで複数使ってきたが、メニュー構成と言い、画面構成と言い、言葉の使い方と言い一番わかりやすかった。
操作は、ほぼノーマニュアルで使っても迷わない←かなりツッ込んだことが出来るツールなので、コレ大事(マニュアル読まずに使って、「こわれた~」「つかえない」「難解」という人も世の中には多いので)。
あと、「現在の状態」と「操作後の状態」を並べて、差や効果がわかりやすく図解されている上に、最後に「適用」を押さないと実際のクローン化やパーティションサイズ変更の「動作」が始まらないのはとても良い。特に初期のパーティション切りやドライヴレターの変更などは、「頭の中で設計したこと」が「ちゃんと実現できているか」というのがわかりづらいソフトが多い。Winowsの標準機能ではステップバイステップで進めていくので、順番を間違うとドライヴレターの再付与などをしなければならない場合もあるが、本ソフトは「これとこれをやりたい」と設定して「適用後はこの状態になります」とグラフィカルに提示されてから、「んぢゃ、レッツゴー」という感じに出来るので、安心感が大きい。

今回ライセンスを買ったのは海外サイトだが、MiniToolの日本語サイトで入力可

左側の操作メニューがわかりやすい。操作確認後、「適用」を押さないと始まらないのも安心。

繋いであるディスクやアレイの情報が細かく表示される。下の棒グラフがとてもわかりやすい。

表示がわかりやすい(今回の作業で一旦2TBのSSDに移したので標的ドライヴは2TB)

標的ディスクのサイズが違う時は、拡大して合わせるのか、そのまま移すのかが選べる

拡大すると他の部分も拡大するので、そのまま移して未使用パーティションをあとで統合も可
ディスククローンやOSの移行は、失敗すると被害甚大な操作なので、そういうときに使うソフトは安心感があるのが一番。
特にRAID組んでいる方、オススメです。
【仕様】
対応OS:Windows XP / Vista / 7 / 8 / 8.1 / 10 / 11
CPU:x86系(互換含む)で500MHz以上のCPU
メモリ:512MB以上
ストレージ:200MB以上
ライセンス:5PC、永久ライセンス
対応ファイルシステム:FAT12・16・32 / exFAT / NTFS / Ext2・3・4
サポートされているストレージデバイス:
HDD / SSD / SSHD / 外付けHDD / USBフラッシュドライブ / SDカード /
ダイナミックディスク / ハードウェアRAID
対応デバイスインターフェース:
IDE / SATA / SCSI / SAS / FC / SSD / mSATA / M.2 / M.2(NVMe) / PCIe
今まで使った類似のソフトの中では群を抜いて使いやすい
このテのディスク情報操作ユーティリティ系のソフトは、「わかっている」人が使うのが前提なのか、言葉がわかりづらかったり、メニュー構成が独りよがりだったりすることが多いけれど、これはそんなことなくて、今までで一番迷わなかった。
あと、OSクラッシュ時も使えるUSBメモリブートできるツールのメニューとの共用化を図るあまりなのか、DOS時代のソフト??と見間違うほどショボイシンプルなGUIのアプリもあるが、本品はグラフィカルでかなりわかりやすく、マウスでパーティションの区切りを掴んでサイズを動かすことが出来るなど、現代的で使いやすい。
クローンやパーティションサイズ変更などの一連の動作も、やりたい事を登録して、出来上がりの状態を図で確認してから、最後に「適用」押下でスタートするのも安心。
PC5台分永続権と思うと充分安いが、もう少し「刻み」があっても良い
元がソコソコ高い(サブスク形態の単なるPro版が1台分で年間税込9,020円)ので仕方ない面もあるが、ノートPCの比率が大きくなって、中を開けてまでSSDの換装を試みる人が減っている事、なによりデジタルデバイスの中でのPCの割合が減っている現状では、一人で多数のライセンスが必要になることは世間的には少なく、「フルスペック永続版が1台分15,000円」などの方が一般的には買いやすいのでは...?
本品OS入りRAIDアレイのクローンが出来るのが他にない強みだけど、最近はNASでもないとRAID組まないのかな....そうなるとニッチニーズ製品で割高でも仕方ない??
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購入金額
24,524円
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購入日
2025年02月23日
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購入場所
FastSpring

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