この春のPC復旧&リニューアル作業で、最も「かわった」部分。
このPCリニューアルは、確かに年初の転居時のストレージ障害がきっかけで前倒しにはなったものの、もう2年以上前から考えていて、昨年半ばくらい時点での予定では、今年10月14日のWindows 10サポート終了に向けて、
・本来の予定時期だった2025年春での転勤が一段落したGW~盆に、新規Windows 11マシンを組む
・そのPCでWindows 11の検証を進め、問題なければデータ移行してメインPCを代替わりさせる
・その後現在のメインPCをWindows 10⇒11化して、当面使えるサブPCとする
という計画だった。
それが、新メインPCを組む前に使用中のメインPCが起動不能になったため、その修復を優先させた結果、サブ機降格予定だった現メインPCにソコソコお金をかけてしまったのと、主環境のWindows 11化をぶっつけ本番で実現化させてしまったので、新メインPCの早期構築の必要性が弱まり、新規構築をややあとズレさせることにして、現メインPC環境のままで10月14日を迎えても良いように、最後の大物を投入することにした。
それがビデオカード。
復旧中の現メインPCには、NVIDIA GeForce GTX 1080採用カードを積んである。
Pascal世代(GTX10シリーズ)では上から2番目のクラスとは言うものの、リリースは2016年、このボードを中古で入手したのですら2018年で、もうすぐ(自分としての)使用開始7年になる。
ま、ゲームはスマホでも出来る程度のもののみで、大画面での緻密な描写が勝敗を分けるFPSなどはやらないので、レイトレーシング対応のTuring世代(RTX20世代)の声が聞こえてから値が下がったタイミングで、あえて「前レイトレーシング世代」のGTX 1080を購入したくらいだし、グラフィックに負荷をかけるものとしては、時々VRはやるものの、それには完全対応のVR Readyな世代とグレードでVR要求性能充分だし、エンコードにはNVENCを便利に使えていたし、CUDAによるGPGPUも従来の自分の用途では足りないわけではないしと、とりあえず「すぐ換えなきゃ!」状態ではなかったのだが、流石にAI特化のTensorコアを積んでいない世代でもあり、最近流行りの生成AIなどを使うには力不足。PCパーツでは、ここ数年一番進化が激しかった分野の一つであるビデオカード、リリース当時のハイクラスパーツとは言うものの、今ですら9年前のものを、さらに今後5年(予定)使うというのはチョイしんどいか...どうせ途中で換えるなら、換えてからの使用時間が長い方が...ということで、ビデオカードの増強(換装)を決めた。
いや、そもそもこの2018年構築のメインPC置き換え計画は2年半ほど前、つまり現メインPC構築5年後ぐらいから考えていたことで、実は引越前までビデオカードをひとつ押さえていた。ちょうどマイニング特需などあって、チップ不足でビデオカードが枯渇していた時期、メーカー各社もマイニング性能を抑えたLHRタイプをリリースしてまでマイニング用途に流れるビデオカードを制限しなければならないほどビデオチップが枯渇していた時期で、形ばかり?に設定されているMSRP近い価格で販売される製品などまずなくて、発売後みるみるうちにその1.5倍の値を付けるものも出てくるなど、際限なくドンドン高騰するビデオカード相場を見て、このままでは組みたいときにPCが組めなくなる!と、PC刷新に向けてそれ以前からとりあえず押さえていたのが、GeForce RTX 3060 12GB搭載のビデオカード。
ただこのRTX 3060、性能的に評価すると「レイトレーシング機能強化版GTX 1080+α」程度。1080⇒3060では、世代が2つ進んだ一方、クラスが2つ下がったので、いわゆるベンチマーク性能は、Port Royalのようなレイトレーシング特化ベンチ以外は、ほぼ1080≒3060で似たり寄ったり。さすがにRTXシリーズの目玉機能であるレイトレーシング性能は、「何割増し」の領域ではなく「数倍」のスコアで進化しているが、大画面美麗グラフィックのゲームをほぼやらない自分にとっては、その性能の差を活かせるシーンは少ない。
+αのもうひとつのポイントとしては、無印3060は、VRAM容量が1080より増強(8GB⇒12GB)されていたことが挙げられる。近年VRAM喰いのアプリが増えているし、生成AI、特に画像系のものを使うにはVRAMも食うので、ここは「多いほどよい」し、メモリの世代もGDDR5X⇒GDDR6と進化しているため、VRAM周りの強化は大きそうに見える。しかし、GTX10シリーズ内では1080はトップライン、3060はRTX30シリーズのベーシックラインという、各シリーズ内のクラス差別化により、前者のメモリバス幅256bitに対して後者は192bitに制限されており、最終的なメモリ帯域幅は1080の320GB/sに対して3060のそれは360GB/sと、メモリの世代進化と容量増加がある割には恩恵が少ない。
さらに言うと、GTX 1080は消費電力をあまり気にしない?ハイエンドで、RTX 3060はシリーズ内ではコスパ・ワッパ追及の普及価格帯、しかもプロセスはTSMC 16nm FinFET+から Samsung 8N (8LPH)に微細化されたのに、TSMCとの交渉決裂で急遽乗り換えた?Samsungの8nmプロセスの電力効率が芳しくなく、TDPは180Wから170Wとわずかしか下がらなかった。
とういうわけで、GeForce RTX 3060 12GBは、2年前ならともかく、現時点では今後5年使う機体に載せるにはいささか力不足。当時としては破格値の台数限定抽選セール販売にあたったのと、そのとき購入店のオマケがついたのもあって「とりあえずキープ」していたが、転勤が決まった2024年末には、出たばかりのRTX50シリーズの供給不足と、早期切替を狙ったメーカー戦略なのか旧世代のRTX40シリーズの供給量が急激に絞られたことによるタマ不足、そして長年のライバル不在状態で、ビデオカード相場がまだ高止まりしていたのもあり、転居時に荷物を減らす一環として未開封のまま購入価格から最低限の値落ちで売却し、落ち着いてからPC刷新にでも合わせて、より強化したビデオカードにすることにした。
結果的には「落ち着く」までもなく、移送時のトラブルで転居早々PCリニューアル作業を強制されたのだが、ビデオカードに関しては、それまで使っていたGTX 1080が「壊れた」わけではなく、新メインPCを構築するなら...と、将来を見据えての交換計画だったので、タイミングを計っていた。
その「タイミング」が、最新GPUであるRTX50シリーズのスタンダードライン5060クラスの情報と、近年ビデオチップではNVIDIAのRTXシリーズの独走を許してしまっていたAMDが、満を持して高いコスパでミドルクラス以下に狙いを絞って投入するとのウワサだったRX9070/60クラスの情報。
...で、待っては見たものの、5060系は、はっきり言って期待外れだった。いままで、RTXシリーズは世代が変わるごとにプロセスの微細化が進み、それが貢献してか世代交代時には大きく性能を上げてきた(RTX20シリーズ:TSMC 12nm FFN⇒RTX30シリーズ:Samsung 8N⇒RTX40シリーズ:TSMC 4N(5nm))。それがRTX50シリーズは40と同じTSMC 4Nでプロセスの微細化は進まなかった。
そのため、RTX40シリーズ⇒RTX50シリーズの進化と言えば、エンコーダーとデコーダーの世代が進んだ点や、RTコアやTensorコアの世代進化、AIを使ったアップスケーリング機能であるDLSSの強化など、特定の動作では「効く」改良(逆に言えば特定用途にしか効かない改良)が中心。ほかにはマルチフレーム生成のように今後発展が期待できる機能更新はあるものの、旧来の新機能非対応アプリも含めて全体に及ぼす改良内容としては、VRAMがGDDR6X(GDDR6)⇒GDDR7に高速化することと、I/FがPCIe 4.0 x16⇒PCIe 5.0 x16(x8)になることくらいしかない。このうち後者に関しては、今回使用の環境はX399のTR4プラットフォームで、そもそもデータの流れ的に上流のM/BとのバスがPCIe 3.0 x16であり、効果がたいして実感できないと思われ...
そうなると現在報告されている、さして大きくないRTX40シリーズ⇒RTX50シリーズの換装効果をさらに縮めてしまうはず。結局VRAMのみに絞ってみた場合、上位版RTX 5060 TiがGDDR7の16GBか8GB、無印RTX 5060がGDDR7の8GBで、VRAMの世代は進化したものの、普及帯の60クラスの制約でメモリバス幅は128-bitに抑えられたのもあって、メモリ帯域幅は448 GB/s。
これはもちろん、今まで使ってきたGTX 1080の320GB/sや、昨年中に新メインPCを構築するなら使おうと押さえていたRTX 3060の360GB/sに比べれば、充分広いのだが、これ以外の点であえて高止まりしている発売直後のビデオカードを買うほどの訴求力がなかった。
というのも、今回のRTX50シリーズ、特に普及価格帯のあたりのGPUに関しては、どうもハズレ世代っぽいのだ。今までNVIDIAのGPUを積むビデオカードは、世代=シリーズ更新(例えばRTX 30x0⇒RTX 40x0)するたびに、前の世代のひとつ上のクラス(x080とかx070の下二桁目で表現)を超えてくることが多く、最低でもクラスを細分化した場合のひとつ上のランク(x060⇒x060 Ti⇒x070⇒x070 Tiという細かい刻み)は超えてくるのが普通だった。つまり3070は2080を超えるし、4070は3080を多くのシーンでは超えてきた...少なくとも4060 Tiは細かい刻みで前世代一つ上の3070を、2070は1070 Tiを超えるのは今までの確定路線だった(「SUPER付版」は、世代後半に追加される「世代延命と販売ブーストを狙った機能強化版」なので、話を単純化するためここでは省く)。
すなわち、RTX50シリーズの普及価格帯製品に期待したことは、最低限「素のRTX 5060はRTX 4060
Tiを同価格帯以下でありながら性能で超え、同様にRTX 5060 Tiは前世代上位の無印RTX 4070に届く性能」というものだった。
それがプロセスルールの微細化が進まず、ハード的にはメモリ形式の進化とPCIe世代の更新、ソフト的にはDLSS4の実装あたりのみの改良で、少ない性能差を電圧かけることでごまかしてブーストして世代交代したため、性能的には前世代の一つ上のランクに届かず、ワットパフォーマンス的には厳しく、折からの円安と昨年までのライバル不在の強気な値付けも相まって、更新するにはビミョーな世代になってしまった。
それでも高位の5090、5080クラスあたりはライバル不在なのもあって、一定以上の性能を欲するならば選ぶ価値があるが、中位以下のクラスは、AMDがRTX 5070に近い性能で、RX9070/RX9070XTを3月にリーズナブルな価格と豊富な在庫でぶつけてきたため、今年第1四半期末においては、特に価格帯が一部かぶるRTX 5060 Tiは「高いだけで性能ビミョー」という感じになってしまった。

こうしてならべて見ると、5060 Tiは10万超えると価値がない..適正価格はせいぜい9万前後
ただRX9070/RX9070XTは、いくらコスパが良いとは言っても絶対価格が10万円を大きく超えると、早ければ今年中にサブマシン降格となる現メインPCに積むにはやや高い。かといって4070に届かない性能の5060 Tiを、初値(MRSP付近)より大幅に上昇した価格(2025年4月の状況)で買うのはアホらしい...ということで、「前世代4070クラスの中古を買おう」と決断した。
その4070クラスにはランクが4つある。
無印の4070と上位版4070 Ti、そして世代後半になって投入されたそれぞれの「SUPER付」版、つまり4070 SUPERと4070 Ti SUPER。
この4つ、性能的には下から4070⇒4070 SUPER⇒4070 Ti⇒4070 Ti SUPERとなっているが、「SUPER付」版はRTX40シリーズの需要が一段落した後、テコ入れ策として追加されたものなので、元となった「SUPERなし」版からあまり価格を上げないで性能強化したため「お買い得版」になっている。
と言っても「あまり価格を上げないで」は発売時点の新品価格での話であり、中古に関しては発売後時間の経った「SUPERなし」版が比較的順調に値を下げているのに対し、「SUPER付」版は性能が高く、発売そのものも後発のため新しいものが多いということで、高止まりしていてなかなか手が出なかった。特に、GPU設計の観点から言うと、4070~4070 SUPER~4070 Tiは同グループ(コードネームAD104系)だが、4070 Ti SUPERはどちらかと言えば「機能制限版4080」といえるもので、上位の4080と同系統(同AD103系)に属するもののため頭一つ性能が高く、それが理由で現在でも中古価格は高止まりしている。
一方、同グループの4070~4070 SUPER~4070 Tiを見比べると、4070だけが少々スペック的に見劣りする。CUDAコア数は4070 Tiが7680、4070 SUPERが7168と7000を越えているのに対して、素の4070は6000にも届かない5888、レイトレーシング特化のRTコアも4070 Tiが60基、4070 SUPERが56基と差が4基しかないのに比べて、素の4070は50基にも満たない46基、ディープラーニングの高速化やAIに特化のTensorコアについても、Tiが240基、SUPER224基で、無印4070は184基。L2キャッシュもTiとSUPERが48MBで、無印4070だけが36MB。
ただし、これは後から俯瞰していえることで、性能的に真ん中の4070 SUPERは、時系列的には他の二つと3四半期~1年発売時期が空いているので、「RTX40シリーズの70クラスは無印4070とTiの差をつけすぎた」と感じたメーカーが、無印テコ入れのSUPER版はTiにかなり近いところまでブーストしたというのが本当かもしれない。
ま、開発コードネームも、4070 Tiが「AD104-400」、4070 SUPERが「AD104-350」に対して、無印4070が「AD104-300」ではなくて「AD104-250」であるのは、やはりこの差は元々のランク設計(計画)通り、ということなのかもしれないが。
さらにRTX30シリーズからRTX40シリーズへの進化は、プロセスがSamsung 8N⇒TSMC 4N(5nm)と微細化が進み、ダイサイズを減らしながらもトランジスタ数はむしろ増やせたことと、クロックを大幅に伸ばせたことによるが、実は4070に関してはcudaコアとRTコア、Tensorコアの数は変わらず、RTコアとTensorコアの世代の進化だけで性能向上させた。一方4070 Tiの方は世代の進化とともに3070 Tiからcudaコア、RTコアおよびTensorコアの数も順調に?伸ばし、その結果レイトレ性能もAI性能も大きく伸ばした。
そんなわけで、無印4070は発売時以降、約1年後の4070 SUPER追加されたらなおの事、TiやSUPERとの性能落差と、その割に折からのマイニングや生成AI特需と円安によって下がらない実売価格で、実は評価が低いGPUだった。
それが、RTX50シリーズが出そろってみると、RTX 5060 Tiの16GB版と比較してさえ、RTX 4070はDLSSなどの新機能が活かせない場面ではほとんどのシーンで凌駕している事、直接の後継のRTX 5070はさすがに無印4070は上回るものの、上位の5070 Tiが最初から5080の機能制限版となって大幅に性能向上したのに対して(両者の開発コードネームは同じ「GB203系」に属していて、CUDAコア数は5080の10752に対して、5070 Tiは8960)、下位の「GB205系」と位置付けられた無印5070は相変わらずCUDAコア数は6144と低く抑えられたことによって、世代が変わって強化されたRTコアやTensorコアが活かせないシーンでは、対4070で数%の性能上昇にとどまる(そして4070 Tiには全く届かない...どころかシーンによっては4070 SUPERにすら負ける)ことが判明した。それでいて、4070 SUPERが優秀だったためにかなり下がった無印4070の中古価格は、発売間もない5070と比較するとかなり安く(当時3~5万円ほど差があった←その後、ライバルRX9070シリーズの発売とその好調さにあてられて、かなり5070の価格が下がったことで縮まったが)、2年前の発売直後はTiとの性能の差により、後には大幅性能強化されながら発売開始価格は無印と大きく変わらなかった「お買い得」なRTX 4070 SUPERの追加もあって評価されなかった無印4070が、5070の代わり映えしない絶対性能とワッパの悪さ、および5060 Tiの期待外れの性能と強気な価格設定に、「前世代となってから評価された」という珍しいパターンのGPUとなった。
そんなわけで、自分は無印4070が乗った中古のカード(あわよくば4070 SUPER w)という感じでリサーチをかけていたところ、非常にレアなビデオカードがヒットした。
中国深圳のYeston(深圳市盈嘉讯实业有限公司)というメーカーがある。グラフィックボードを中心に、簡易水冷やファン、PCケースを手掛けるメーカーで、グラボは性能的にはとびぬけたところはないものの、パーツ分解チャンネルがレポートしたところでは、信頼性の高い堅実な造りの設計をするメーカーのよう。ただ原則中国国内の流通で、海外にはほとんど販売されない。AliやTaobaoでは結構みかけるが、ほとんどが「おま国」で日本では入手できない。日本では、中国系の株式会社銘辰が一部製品を取り扱っていたこともあるようだが、フルラインアップを取り扱う「正規代理店」というよりは、利幅が確保できる商品を仕入れられたときに、日本でも買えるサイトで販売する公認商社...という感じのようで、少なくとも4070クラスは取り扱いがない。
ただこのメーカー、性能的にカリカリにOCしているとか、静音特化している、あるいは高位のGPU搭載カードも占有2スロット以下で扱いやすい...などと言ったスペック的にアピールする点も、保証が桁違いとか制御アプリがメチャ使いやすいなどのソフト的な訴求点もほぼないのにもかかわらず、通常では入手できない日本(および欧米)でも一定の知名度がある。
それが「本体性能以外のニッチ層に向けたアピール」。
潮の香りが「香るグラボ」などの本体性能以外の付加価値?なのだが、特に有名なのがグラボのバックパネルに描かれる「萌え絵」。
2000年代初頭は、グラボのバックパネルに、コラボしたゲームのキャラやオリジナルの美女を描いた製品がいくつも見られたが、最近は「萌え系イラストで釣る」ということに過敏感な方々の声が実際のユーザー比率よりも異常に大きいこともあって?、特に欧米でも売られる大メーカーの製品にはこのテの手法は用いられられなくなった。
それが、原則中国国内消費のマイナーメーカーYestonのグラボには、いまだに多く取り入れられている(一応同社にも、GAEAシリーズやGame Aceといったイラストなしのグラボもあるのだが、(造りは堅実なようだが)性能的には極めて一般的で訴求力のない凡庸なメーカーのため、それらの特徴がないグラフィックボードが中国国外で話題になることはほとんどない)。
そのYestonの萌えグラボ、ぬいぐるみのクマのようなシルエットが描かれたショートサイズのグラボ=「Cute Petシリーズ」以外には、すべてオリジナルの美少女が描かれていて、それらは「Sakuraシリーズ」と言われているが、その中でもいくつかヴァリエーションがある。
Sakura Atlantisと呼ばれるシリーズは、Atlantis=アトランティスの名にちなんでか、水中をイメージするような背景に、上はビキニで腰にはひらひらとしたパレオ風衣装を身につけたお姫様?が描かれている。
Sakura Sugarに属する商品はさらにアクティヴで、夏の浜辺をバックに、前屈み状態でこちらを見ているビキニ水着と麦わら帽子を身につけたお姉様がキーヴィジュアルで、その姿がバックパネルに刻まれた上に、さらに彼女のご尊顔が電光表示される。
...とまぁ、その筋?にはアピールする造りなのだが、これら2つは実はあとに追加された「ヴァリエーション」で、元となったのが、素のSakuraシリーズ。そして、中国のローカルメーカーだったYestonを、特定界隈で有名にしたのもこのSakuraシリーズ。
このSakuraシリーズ、通称「嫁グラボ」と呼ばれている。
外見的にはホワイト基調に、青灰色と藤色でアクセントを付けた色調で、桜の花びらの形のフィンを持つファン中央に桜のラベル、およびバックパネル側に通風用の?桜型の穴が空いているという形なのだが、桜のホール以外の部分に大きくイラストが描かれていて、それが白いベールを付けたおねーさま。そのベールや衣装が想起させるのか、誰が呼んだか「waifu」GPU、もしくは「樱瞳花嫁」グラボ。

グラボの外箱に、リボンを結んだ半透明のベールのようなプラカバーがかかっているw

箱を開けるとYestonのグラボシリーズのキャラクターステッカーが鎮座

これが中身(中古購入だが、これ以外のもの-説明書等-)は添付されていなかったとのこと。

サイドは多くのRTX 4070ボードと同じく真ん中に8pinの電源コネクタがある。

コネクタはDisplayPortが3つとHDMIひとつ。厚さは2スロットは超えている。
ま、一応ライティングはあるが、ド派手!というほどアピールする感じではないし、桜の型抜きがされていて、ファンの形状は桜の花びら型だが、色使いは青灰色と藤色で色使い的にはヴィヴィッドではなく、「映え重視」というほどアピール力は高くない。機能的にもクロックは定格だし、厚さは2.5スロットと中途半端で「薄い」というほどではないし...と、堅実な作りという定評以外はさほどにアピールポイントはない。イラスト以外はw

今の配置だと簡易水冷のチューブで嫁が見えづらいのがイマイチ。

稼働させると、グラボのサイドは光るが、メチャ派手!という感じではない。
そんな正規輸入されていない嫁グラボのRTX 4070が載った中古を見かけたので、中古4070グラボとしては少々割高だったけれど、レア度と花嫁にヤられて思わず即決で購入。メインPCに嫁を迎えることに成功した。
今回、「必要に迫られて」GPUの更新をしたわけではないけれど、世代は大きく更新したものの、GTX10シリーズのトップライン1080と、RTX40シリーズのミドルクラス4070、(上の3060の時の表現に合わせると世代が3つ進んだ一方、クラスが1つだけ下がった形)、歴代中位の70クラスには上位にはない制限が若干入るのもあり、どれくらい性能差があるのか評価してみた。

中古購入だったのでGPU-Zで確認したが、Ada Lovelace(AD104)の4070定格動作で問題なさそう

現在のグラボGTX 1080と比べると、色白スリムで高身長??

横から見た感じはGTX 1080の方がパイプグネグネで強そう?

そして最大の特徴バックパネル。ファンを外にして立てない従来配置で、見える外側が華やか。
評価ベンチマークは、まずグラフィック重視ベンチということで外せない3DMark系。全部ではなく、あまり古いのやCPU Profileなどは除いて、FHDのグラフィック性能中心評価のベンチをDirectX 11ベンチのFire Strikeから、 Vulkan 1.1 APIを使ったリアルタイムレイトレーシングベンチのSolar Bayまで5種類。
ゲーム系は以前から多くの蓄積があるFF系だけで、FF XIVからキャラクター編と暁月の終焉ベンチマーク、FF XVはWINDOWS EDITION BENCHMARK。
今回GPUの変更だが、一応CPU側のスコアも取っておくかと、CPU偏重マルチコア性能特化ベンチマークとしては、CINEBENCHのR23と2024。
最後に総合ベンチマークとして、CrystalMark RETROは最新の2.0と、定番のPCMARK10。
なお、2025年4月時点で、NVIDIA グラフィックスドライバーの不具合が出ており、その対処を最新のRTX50シリーズの対応に注力しすぎた結果、RTX40シリーズ以前のGPUでは不具合がより悪化したという572.XX以降のものではなく、旧世代製品が一番安定しているという旧ドライバ、566.36でスコアをとっている。
まず、グラフィック重視の3DMark系だが、 古い世代のDirectX 11ベンチマークテストであるFire Strikeではほぼ違いがない。ただ詳しく見ると、Graphics test 2の結果のみ、誤差と言うには大きいスコア上昇が見られる。面白いのは、 DirectX 12 Future Level 11対応のTime Spyは全く差が見られないのに、 DirectX 12 Future Level 12_0対応のSteel Nomadは倍スコアで伸びている点。

同じDirectX 12のベンチでも、Future Levelが11までと12で大きな差が。
さらにレイトレ中心のベンチになると差は顕著で、DirectX 12 Feature Level 12_1のレイトレーシングベンチPort Royalは6倍、Vulkan 1.1 API利用のハードウェアレイトレーシング機能も使ったSolar Bayも3倍以上と圧倒的な差。
同じくグラフィックが重要なゲーム系ベンチとしては(さして強力な描画性能を要求するゲームではないが)、FINAL FANTASY XIVを2つとFINAL FANTASY XVのベンチを回してみた。XIVもXVも1割弱の上昇だが、なぜかFINAL FANTASY XIV ベンチマーク キャラクター編だけがあまり差がつかなかった。

なぜかFF XIVのキャラクター編だけ両GPUで差が出ない。
CPU性能、とくにマルチスレッドのそれを評価する定番ソフトCINEBENCHはR23と2024。R23はある意味予想通りで、まるで差がなかったが、GPUが評価項に入った2024は、その部分がスコアが良いのは当然だが、なぜかマルチスレッドのCPU性能が良かったのはナゾ。

4070の方がGPU性能が良いのは当然として、なぜかCPUのマルチスレッド性能が良い。
最後に総合的な性能を評価するベンチとしてはCrystalMark RETROとPCMARK10。CrystalMark RETROは最新の2.0。結果としては、ビデオカードだけ増強してもPC全体の使い勝手としてはあまり大きな向上はない..とある意味予想通りの結果だが、詳しく見ると、CrystalMark RETROではほとんどの2D指標と3DのWireFrameが明確に悪い。とくに3DWireFrameは、cybercat環境下では1080に比べて、4070の方が一番悪かった指標。一方3DのPolygonは誤差と言うには少し大きな程新環境が優れている。2D系が振るわないのと、3DWireFrameの明確な悪化に関しては4070もリリース後かなり経っているので、ドライバの熟成不足は考えづらく、これはなぜだか不明。

CrystalMark RETROは2.0を使用。なぜか2Dが全般に振るわない...あと3D WireFrame...
PCMARK10は、ブラウジングや起動と言った基礎性能や、表計算シートやワープロと言ったオフィスアプリ系作業では完全に誤差範囲内。一方マルチメディア系の指標は、複数の指標で向上が見られるが、とくに写真編集は1.5倍以上の成績で、ここが引っ張って、Digital Content Creation全体の結果が大きく改善している。同じマルチメディア分野でも、レンダリングはあまり改善が見られない一方、動画編集は一定の改善が見られるなど、世代進化効果に若干得手不得手があるようだ。

だいたい1080⇒4070の交換効果は大きく見られないが、写真加工だけメチャクチャ伸びている。
全体的に見ると、写真加工や動画編集、レイトレーシング対応タイトルでは大きな改善が期待できるが、自分の使い方では劇的に使用感が上がる感じではなさそう(換装後1カ月以上使ってこのレビューをあげているが、その間の体感的にも)。
ただ、次なる5年には相当使うことになりそうなAI関係性能は劇的上昇しているはずなので、そこに期待という感じ。
今回、予定外のタイミングでのメインPC刷新&増強をすることになり、その結果急遽予定外に入手・換装することになったグラフィックボード。
今まで使っていたのが、2025年現在から数えると4世代前のもので、その世代の中では通常のハイエンド(xx90クラスはウルトラハイエンド)だったものから、世代は3つ進んだもののクラス的には一つ下がった格好のRTX 4070搭載カード。
4070はリリース当初は同Tiとの性能の大きな差に、4070 SUPER追加後の世代後半では、Tiに近いほど性能が底上げされた無印SUPERの優秀さに影が薄かったが、次世代のRTX50シリーズ、とくに4070が「追い越される目標」となるはずの5060 Tiが、高いわりには性能向上が今一歩で、微細化プロセスが進まなかったのに性能向上をさせる必要があったため、電圧突っ込んでぶん回す方向に振っており、電力効率もイマイチだったことを受けて、ここにきて評価が上がっている。
それを受けて、流行りのAI機能を強化したグラボとして、そう遠くない未来にサブ機落ちさせる予定の並列化番長のRyzen Threadripperを積んだPCに積むことにしたGeForce RTX 4070搭載ビデオカード、タイミングが上手く合致して、レアな嫁グラボを迎い入れることになった。
今回の交換で
◎今後5年ほどは使う予定の並列演算番長PCに、一世代前とは言えハイクラスグラボが積めた
◎それまでのGTX 1080と違ってAI特化のTensorコアを結構な数積んでおり、その分野で期待
◎TDPは200Wと十分に低く、サブPC化して自動作業をやらせ続けても電気代の心配が少ない
◎そしてレアな嫁グラボである
◎そしてレアな嫁グラボである(大事なことなので2k...)
一方、
■4070クラスの中では他の3種に大きく水をあけられて性能控えめ
■堅実設計かもしれないが、完全な定格動作で面白みに欠ける
■厚さが2スロットを大きく超えており、コンパクトさの訴求力はない
■正規輸入のないマイナーメーカーなため、国内サポートはまず受けられない
■一定の愛好家がいるためか、同クラス中古グラボの中では割高だった
というイマイチポイント/アピールに欠けるポイントもある。
ま、自分としては、10年以上つかうことになるかもしれなかったビデオカードを、まだ発売後2年の新しい世代のGPU搭載ボードに更新できて、今後数年重要な機能となるAI性能も含めて大幅アップできたことで、十分満足。
嫁もできたし
←最重要
【仕様】
Core Code & Process:AD104/5nm
CUDA Cores:5888
Core Frequency:1920MHz/boost 2475MHz
Memory Frequency:2500MHz
Memory Speed:20Gbps
Memory Capacity:12G/192bit/GDDR6
Bus Interface:PCI-Express 4.0 x16
Output Interface:HDMI 2.1a×1 + DisplayPort 1.4a×3
External Power Supply:8Pin×1
Yeston Sakura Nvidia GeForce RTX 4070 Graphics Card GDDR6 12G 192bit Gaming GPU
本ビデオチップ搭載カード自体は、中古流通となった2025年春時点では悪くないが...
レアものハンターの血が騒ぎ、日本正規未輸入の花嫁を迎えたため、同チップ搭載の他カードより割高で、結果的にはさほどによくない。
...よ...嫁が欲しかったンぢゃ~
イッツ、プライスレス!
中国系販売サイトでは比較的見かけるので「激」レアではないが...
...おま国サイトも多く、日本でどこでも気軽に買えるブランド・ボードではない。
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購入金額
86,000円
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購入日
2025年04月04日
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購入場所











Kei0048さん
06/03
当方も同シリーズ(4070Ti)を使ってますが、若干背面イラストが違いますね。
日本でも正規流通して欲しいものです。
下小川さん
06/03
cybercatさん
06/03
>YestonのSAKURAシリーズいいですよね。
しっかりした造りと、レアもの感がいいですね。
>日本でも正規流通して欲しいものです。
保証などの面ではその方が安心ですが、レアもの感が薄まってしまうのが痛しかゆし?
4070Tiはうらやましいです!
cybercatさん
06/03
おそろですねw
>並行輸入より安心ですね
直輸入より敷居が低いのと、国内であれば不良時の対応も取りやすいので今回はラッキーでした。
同じSakuraシリーズの嫁でも差があるんですね。
嫁比べも面白いかもしれません。