レビューメディア「ジグソー」

空の青を反射し、透明感が抜けていくバーチカルブラインド

 

リビングには、バーチカルブラインドを設置しています。
バーチカルブラインドとはその名の通りに縦型のブラインドカーテンです。

横型(水平型)のブラインドと同様に、ルーバーの角度を変えることによって太陽光を調節することができます。また、ルーバーの角度と道路の方角を対角にすることで視線を遮り採光することができます。


窓の位置関係によっては、隣家からの視線をコントロールするなど多様性があり、最近注目のカーテンだと思います。

 

 


デザイン的には、なんといっても、縦のラインによって部屋を広く見せる効果があるというメリットがあります。
横型ブラインドに比べ縦型ブラインドのどちらが広く見えるのかというと、縦型のブラインドの方が部屋が広く感じることができます。

また、僕の独特の感想かもしれませんが、スリットからのぞく光の模様は美しいです。
普通のカーテンだとこういう光の模様は出せないので。

 

 

 

その形状状、ルーバーの隙間から光が漏れるので、遮光性は布カーテンと比べるまでもありません。
一応、ルーバーの数を増やして重なる量を増やすことで光漏れを起こさない増量パターンもあるのですが、生地の数が増えるので当然価格が上がります。

 

 

 

でも、そんな光漏れですが。
僕はそれさえも美しいと思うのです。

この時間帯によって変化する陰影、すごく柔らかくて良い。
デッサン好きなら泣いて喜ぶような立体感。

 

 

 

生地自体は、少しお値段高めの遮光1級のため、光を通さず、外からの視線もカットします。
外からの光を通さないということは、夜中に部屋の中が明るくても、部屋の中が見えないということです。

 

 

 

バーチカルブラインドの生地は通常、ポリエステル100%ですが、僕は少しテクニカルな性能を持った生地にしました。
これは、ガラス繊維を編み上げて、両面に PVC をラミネートしたという珍しい素材のものです。

商品名は「NBグラス」。

ただのこだわりになるのですが、この素材にすることで、ガラスの質感が反映されて少し青い光になります。
この若干「青い光」というのが重要で、ガラスのテクスチャ好きには、もうこれだけのためにお金を出してもいいというものなのです。マニアって怖いですね。

青いので、少し冷たいような、清涼感のある空気のような部屋のイメージになりますね。

ちなみにお値段は、定価6万を半分にしてもらいました。
カーテンにこだわるだけで財布が・・・。

 

 

 

このコードで開閉します。

 

 

 

この棒をくるくる回すと、ルーバーの角度が変わります。

 

 

 

バーチカルブラインドの弱点としては、完全にたたむとこれだけ分厚くあるということですね。はっきりいって邪魔です。
なので、両開きにすることで、この厚さを分散させて半分にするというテクニックもあります。片方だけ開いたりとか、テクニカルなカーテンの開け方もできます。
ただそうすると中央の重なるところがダブったりで乱れてカッコ悪くなるような気もするけど、どうなんだろう。
ウチはそれで片側に全部寄せる「片開き」を採用しています。

 

 

 

片開きにしたのですが、前もって少し設計もいじりました。
カーテンレールを通常より長めにとり、窓にかからないようにしました。
なので、窓枠からカーテンレールが飛び出している仕様になっています。

 

 

 

それで、バルコニーに出る際に厚いカーテンの幅が邪魔にならないようになります。
全面ガラスを採用する人なども、このカーテンが開いた時の設計も考えておいたほうがいいです。

 

 

 

アンバランスではなのか、と思われるかもしれませんが、バーチカルブラインドが閉じられた状態では窓枠は隠されるので、全く目立ちません。
このテクニックは小さい窓を大きく見せる方法にも使えます。
小さい窓に大きいカーテンで隠すことで、その向こうの窓が大きいような錯覚を抱かせます。

 

 

 

人間の心理って面白いですね。

 

 

 

あと、バーチカルブラインドの最大のデメリットなのですが。
ルーバーのひとつひとつに「おもり」が入っているので、窓を開けて風を入れると、このルーバーが窓枠などをたたいてバタバタとうるさいです。はっきりいってものすごく気になると思います。

頻繁に開閉したり、開きっぱなしを予定している窓には、バーチカルは採用しないほうがいいと思います。


僕は設計前は全部の洋室にバーチカルを設置する予定だったのですが、現実にはリビングだけに採用しました。
ちょっと値段が高いこともあるのですが、生活するにあたってはプライベート性を考えると使いづらかったのも事実。
だから住宅では無く事務所などに使われるのが多いんでしょうね。

リビングだけですけど、でも見ていて美しいので僕は大満足です。
吹き抜けの上から下まで長いバーチカルブラインドにするのも考えたのですけど、その生地の値段を考えたらちょっと足がすくんでしまいました。
もうちょっと稼げるようになったら採用してみようと思います。

 

 

 

更新: 2024/10/19
デザイン性と機能美

真の意味でのデザイン性

僕はガラス素材が好きで実際に家具家電にガラス素材の物を集めているので、僕のコンセプトにはぴったりでした。僕はデザインにおいて反射光の色に注視しているのですが、普通の素材が黄色に対してガラスは青色なので、無機質で直線的なモダンデザインと相性が良いです。

 

青い光はクールな印象で、猛暑の時など涼しい気分にはなります。
インテリアにおいて、リビングのライティングデザインが暖色系とされるのが定番ですが、シャープでエッジの効いたライティングはかっこいいと思っています。

 

遮熱機能としてはかなり高い方で、太陽光を吸収してしまい吸収した温度を部屋に放熱するカーテン素材が多い中、NBグラスは反射するので基本熱を持ちません。ただ、ハニカムスクリーンなど同機能を安く実現する機能の製品もあるので、バーチカルブラインドとしての形状にこだわりを持たない限り優位性は無いのかなと思います。

その意味では形状としてのルックスと遮熱性という機能を併せ持ったこの製品は素晴らしいデザインだと思っています。

 

 

人によっては「バーチカルブラインド」というと、

「歯医者のカーテンだよね!」

と即答してきた強者がいたのですが、バーチカルブラインドを説明するのに、こんな便利なキーワードはないと思いました。
無関係な人の思わぬ言葉というのは、本当にいろいろ気づかされます。ヒアリング大事。

更新: 2024/10/19
メンテナンス性

グラスファイバー素材+ラミネート

布素材のカーテンに比較すると、水拭きが可能なのでかなりメンテナンス性が高いです。

 

 

更新: 2024/10/19
コストパフォーマンス

お値段もモダン

特殊素材なのでカーテンのラインアップからすると高級の部類です。

「カーテンなんてみんな同じ」という人に価値観を問うのは無謀だと思っています。それ以外の価値観に合致した人が買う商品ですね。

 

一度、留守番に苛立ったワンコに嚙み切られた時があるのですが、その時はさすがに泣きました。

  • 購入金額

    240,000円

  • 購入日

    2024年10月19日

  • 購入場所

    卸商社

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