MMフォノカートリッジ 品川無線(GRACE)「F-9L」

品川無線が1974～1975に発売したMMカートリッジです　品川無線はF-8というヒット作カートリッジがありましたが、今回のはその次世代シリーズですが、F-8の後継品では無かったようです　F-8は評判が良く売れたようで、ヤフオクでもF-8は良く出品されますが、F-9シリーズは出品が少ないです　F-9の販売終了は1981年です。

今回のものは、画像からF-9Lですが、Lはルミナスなどの意味と思います　F-9シリーズは6種類ありますが、こんなに種類があると製造販売も大変ですね　この後1985年までにMMでは F-12,F-14 ,  LEVEL2 , MCでF-10など多種類製造していきます　品川無線は開発力は旺盛だったようです（当時は組合的なストライキもあったような？）　

http://20cheaddatebase.web.fc2.com/needie/NDGRACE/GRACE.html

まあよくは判りませんがグレースとしては　F-8 , F-9辺りが一番良い時代だったのかも。

数年後にはCDが発売され、営業的にも大変な時代が来ます F-8の後継機種はLevelⅡ, F-9の後継機種はF-14だそうです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/E5%93%81%E5%B7%9D%E7%84%A1%E7%B7%9A

周波数特性図等は私の環境下での測定です　測定値を保証するものではありません。

今回入手カートリッジ　針が左に曲がっています  曲がりを戻そうとしても元に戻ります

考えてみたらカンチレバーが緩い「く」の字型で、根元が緩いと直しても寝てしまうのです。

レコード針の保護プロテクターかと思ったら単なる飾りで針を抜き差しするときのクランプでした　上下。 

交換針を外した画像ですが、針は筒形の中に収められています　最初はかなり硬くて過去に何度も針を抜き差しした感じはしませんでした。　　　

針がV型なので黄色矢印のところでカシメないと左右に倒れます　カシては有りますが緩かった（一見針曲がりに見える）黄色矢印部が緩かったので接着剤で倒れないようにしました。　　

　　　　　　針のテンションワイヤーのカシメ部を接着剤で固定しました　 

筒形金属は透磁製のパーマロィだと思います　筒の中に磁石が有り針の振動でカートリッジ本体のコイルで発電します　

針先は無垢ダイヤです　スマホでは撮影しにくいですが画像拡大すると観やすいかもです。カッターで針の汚れを削り落としたら先端部が見えて音質も良くなりました。

レコード針が左に向くのはテンションワイヤーが緩くて左向きになるためで、ならばとテンションワイヤーカシメ部を接着してみました(下部のボッチ）カンチレバーはアルミパイプではなく、アルミか他のものか針金状でかなり硬いものです　指先では曲がりません。　  

磨いたりクリーニングしたりで綺麗になってきました　元々は透明な樹脂製ですが長い年月で琥珀色になっています　　　

 　　　　　　　　　　　　　　　　　F-9L諸元表

この周波数特性グラフは今回のカートリッジ固有の特性です、正規なグラフではありません

　　　　　　L-CH

　　　　　　R-CH　

                  1KHz　歪率は良いです

補足／音質

周波数特性で高域がダウンしてます　MM型は高域が伸びていないものが珍しくはないのですが今回のはかなり落ちています　これは発売後45年以上たってダンパーが硬化したためかとも思います　針先を指で触っても柔軟性が消えています。レコード針を交換して見ないと何とも言えませんが、F-9関係は本体はもちろん針先もヤフオク等ではあまり見ません。　

ベースラインの演奏では力強さを感じます　硬く低音の締まりがあるというか、高音はダンパーが硬くなっており判断は付きかねますが高音は今回の針では弱いですね　F-8の2種類の針ダンパーと比較しても今回の針ダンパーはかなり硬いですね　でも高音は綺麗な音を聴かせてくれています。　

その後.... 

ダンパーの硬さは細く削った楊枝で、CRC 「ラバープロテクタント」をダンパーに含侵させ

少し改善したようです　他にも色々手直しは有りますが、結果聴きやすい再生音に復活しました　エネルギー感の有る力強い低音と聴きやすいボーカル、歪みの少ない滑らかなボーカルを聴くことが可能です　MM型カートリッジらしい力のある低音と抜けの良い音楽を楽しめますね　中々聴きやすくて良いカートリッジだと思います　（五十嵐浩晃　愛は風まかせ）

その後....　PARTⅡ　2024-5-10

このカートリッジで今まで聴いていたレコードを再生すると、埃が沢山採れます？

レコードも洗浄して手入れはしてあるのに埃（ゴミが）物凄いのです　ええッ？今まで

やってたのは何だったのと考えてしまいました　なぜこのカートリッジはゴミが発掘するのか？考えてしまいました。　ネットで調べたらこのカートリッジの針は超楕円針だそうです

今まで使ってきたカートリッジは楕円針が多いのですが、ゴミは取れなかったですね

超楕円針というのも現在は使われていないそうですが、楕円針、ラインコンタクト針、マイクロリニア針などに移行して超楕円針は消えてしまったようです　こんなにゴミが取れては

面倒です 

LP15枚ほど針を通しましが殆どでゴミ掻き出し成功でした　見本盤は少なかったですから

中古盤はゴミも買っているということですね。