所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音を届ける手段である物理CD(やアナログレコード、カセット、USBメモリ...)には、いろいろな付録が付くことがあります。写真集や小説、マスコットやキーホルダーを世界観を増強する手段として、あるいは単なる販促手法としてつける場合もありますが、毛色が違ったモノが添付されることもあります。そんな作品をご紹介します。
まらしぃ。ニコ動で出てきた技巧派ピアニスト。東方楽曲やアニメソングを、装飾多め派手めアレンジで聴かせる。基本顔出しはせず、ピンクのさる(さるしぃ)がマスコット。画面のどこかにさるしぃを置いてプレイするまらしぃの演奏は緩急自在で、いわゆる正統派系だけではない技法も凝らして奏でられるので、聴く分にはホォォォォォォォ、で済むが、弾くとなるとムムムムムムムムムムとなるはず。
そんな彼の曲の譜面集(スコア)に添付された「実音源」。ということは、これ本の蟲シリーズ?
つかこのCDに収められたプレイを採譜(採譜は星出和宏氏)したのが、スコアの方なので、親はCD(に収められたプレイ)?
どちらが「主」かわからないが、5曲分の譜面とその実プレイが収められたCDがセットで頒布されたのが、本作“幻想遊戯 Score Collection 4”。4の数字が示すように同種の企画の4作目らしい(3まではすでに廃盤(廃版?))。
楽譜とその音源CDのセット。装丁はおなじみの、さきの新月師。
譜面が読めれば、CDと合わせて聴き・読むことで、まらしぃの華麗なプレイの「中身」がわかるつくりになっている。
「少女さとり ~ 3rd eye」。最初の曲は、東方projectの2008年作、同年夏のC74で頒布された“東方地霊殿 ~ Subterranean Animism”の4面ボス曲らしい。もの悲しく始まり、力強い和音でテーマが語られる曲で、節回しや構成は単純とは言えないのに、琴線に触れてすぐに覚えられるキャッチーさ。東方楽曲でも屈指の人気曲らしい。譜面を観ながら聴いても追うのが大変なくらい音符の多い楽曲だが、まらしぃのリリカルな装飾がよく判る。つか、3小節の間に右手パートの音部記号がヘ音記号⇒ト音記号⇒ヘ音記号に変わるって、どれだけ鍵盤の上を左右に暴れてんだw
転調の嵐なのが「芥川龍之介の河童 ~ Candid Friend」。2007年発売の東方第10弾“東方風神録 ~ Mountain of Faith”の3面ボス、河童の河城にとりのテーマ曲らしい。ちょっと昭和末期あたりの流行歌=懐メロっぽい三拍子の曲で、曲に入る前の3小節に渡る16分音符での下から上に駆け上がる装飾音以外はあまり「暴れず」弾いている、覚えやすいメロディの曲。難しいフレーズを軽々と弾く?まらしぃのステディさで覆い隠されているが、実は、嬰ト短調⇒嬰ハ短調⇒ニ短調⇒ト短調⇒ニ短調⇒嬰ト短調⇒ト短調とめまぐるしく調性が変わる曲。つか聴きながら「転調あるなー」とは思っていたが、譜に起こされて改めて「転調ポイント、こんなにあったんか」と。
東方8作目の“東方永夜抄 ~ Imperishable Night”の6面のボス=えーりんこと八意永琳のテーマ、「千年幻想郷 ~ History of the Moon」。イントロ最後のピロピロピロ(←テーマを一度奏でた後、曲が本格的に始まる前にフリーリズムで10回以上鍵盤を低音⇔高音と行き来する装飾音)に続いて、どこか和の調べを持つテーマが再び登場、ダイナミックなプレイでとても聴かせる。
いずれの曲も配信や投稿動画でプレイしているときと比べて、特別に「装飾多め」と言うわけではないのだが、それでもものすごい量の音数。自分では到底拾えず、ポカーーーンとなるだけだったものが、譜面と合わせて聴くと、どこを弾いているかだけは追うことが出来る。
...15連符のあとグリスダウンとか、弾いたヒトも採ったヒトも頭おかしい(褒め言葉)
いや、決して「出来る」と言っているわけではありませんが。
【収録曲】
1. 少女さとり ~ 3rd eye
2. 天空のグリニッジ
3. 芥川龍之介の河童 ~ Candid Friend
4. 千年幻想郷 ~ History of the Moon
5. 輝く針の小人族 ~ Little Princess
遙か以前の別テイクだが、まらしぃの「【東方】「千年幻想郷」を弾いてみた【ピアノ】」
まらしぃの超絶プレイの中身が見られる
それが自分で再現出来るかどうかは
\(・_\)おいといて(/_・)/
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購入金額
2,500円
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購入日
2024年04月11日
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購入場所
BOOTH
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