所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティストの興味の対象は複数あることが多いため、創作の方向性が必ずしもファンにとっての嗜好の方向性と合致しているとは限りません。パンデミックも拍車をかけましたが、一時期従来の路線以外の分野に進出していたボカロPが、久しぶりに旧来路線に戻ってきた作品をご紹介します。
GYARI、ことココアシガレットP(ココシガP)。2008年より継続的に同人系で活動するアーティスト。当初VOCALOIDを使用したジャズ系音楽を創っていたが、その演奏を、自身のお気に入り?鏡音リンの歌パートだけでなく、同じVOCALOIDであるレンやミク、KAITOがバンドメンバーとして演奏しているという設定でイラスト・マンガ化したところ、
それが独自の「GYARIワールド」とも呼べる世界を構築し始める。このときのキャラクターは、初音ミクで火がついた、クリプトン・フューチャー・メディア社のピアプロキャラクターズに属するVOCALOIDたち。
その後その「GYARIワールド」のリンバンドで、「難しい変拍子に内心焦りながらも、黙々とベースを弾く初音ミク-ミクちゃんマジ天使-」や、「曲のラストの盛り上がりで“覚醒”し、狂気の乱打プレイがある(そしてそのあと果てる)KAITO-アニキィ!-」などのキャラクターが確立してきて、そのメンバーたちで、ジャズ風味の長尺曲を演奏するという設定に嵌まり、それぞれ1曲23分、20分、23分の長尺3部作
と、その3曲のテーマを内包する集大成的超長尺曲(1時間7分)
をリリースして、このシリーズは一旦終了。ちなみに、このときのリンバンドには、ルカを加えた5人のピアプロキャラクターズだけではなく、参加作品によって微妙に違うが、他社(AHS)のVOCALOID、結月ゆかりや猫村いろはが加わっている設定になっている(例によってジャズ系楽曲にプレイヤーとしてVOCALOIDが参加している「設定」なので、MVにキャラとして登場する全員が「歌って」いるわけではない)。
その後GYARIの興味は、人工歌声ソフトであるVOCALOIDではなく、本来朗読音声ソフトであるVOICEROIDを「歌わせる」ことに中心が移っていく。AHS社のVOICEROID、結月ゆかりや琴葉茜・葵姉妹、弦巻マキ、桜乃そら(17歳)等の「読み上げソフトのキャラに歌わせる」というシリーズが、2019年の冬コミの東北きりたん+結月ゆかりの“Endless Gamers ~永遠にゲームで対戦したいキリタン~”
まで続く。
2020年からは、自身で創った作品を自身で演奏し(コンピューター打ち込み含む)、発表することよりも、自身がデザインしたVTuber(VOMSメンバー)をプロデュースする方(というほどガッツリはかかわっておらず、VTuberのデザインをしたほかは、プロジェクトとしての規約を決めて、その範囲内では比較的自由に活動させているようだけど⇒いや、ときどきVOMSメンバーに絡んで、各メンバーの配信に「神」として降臨してるかw。
しかし、このタイミングで世はパンデミック期間に入り、発表の場だったコミケも中止&延期。なんとか開催にこぎ着けたC99とC100でもVOMS Project関係のアイテムのリリースで、「GYARIとして」の楽曲発表はなかった。
それが復活したのが、2023年の夏コミケC102で頒布開始された本作=“チャンネル登録よろしくお願いします本”。「~本」とはなっているが、曲に合わせて創ったMVの各画面切り抜きやMV素材イラストがちりばめられた冊子に、楽曲へのダウンロードリンクがある、「いつもの」タイプ。
ただ、この曲に登場するずんだもんと東北きりたんには、従来のVOICEROIDではなく、AHSの新入力文字読み上げソフトシリーズVOICEPEAKと、クラファンで制作された歌声ライブラリNEUTRINOが使われている。
ま、内容は「いつもの」GYARI節で、ずんだもんが♪チャンネル登録よろしくお願いします♪と連呼する中、それに対抗して?きりたんが♪チャンネル登録よろしくお願いします(きりたんに)♪と合いの手を入れ、終盤にはお約束の「コーラスタイム」と、さらにラストにはオチもあるストーリー性のある楽曲。
あとこの曲、ベースがネ申。
GYARI師の曲は、(特に「VOICEROIDを歌わせるシリーズ」以降)どのパートよりもベースが、実はグルーヴの中心なっているという曲が多いのだが、耳を惹く歌詞や、だいたいは同時に激しているドラムスのハデなプレイに引っ張られて、ベースをしっかり注意して聴かないと他に流される曲も多い(一例↓・・このなかの「アカリがやってきたぞっ」が実はものすごい)。
しかしこの曲は、バランス的にベースラインが良くきこえるし、静かになるパートではベースだけ残って曲を盛り上げていて、シロウト耳でも「スゴイ」のがわかるはず。
繰り返される「チャンネル登録よろしくお願いします」がクセになる
機材(ソフト)が変わっても、ラスト近くの「コーラスタイム」も健在
使うキャラ、機材は変わってもまごうこと無きGYARI節で、「実家のような安心感」。
懐かしいアーティストが帰ってきてくれたな~と感じた作品でした。
※本品“チャンネル登録よろしくお願いします本”の一部の本のダウンロードリンクには不具合があり、ダウンロード出来ない場合はHPのメールフォームより問い合わせのこと。
ダウンロード内容
audioフォルダ
チャンネル登録よろしくお願いします - off vocal - limiterOFF.wav
チャンネル登録よろしくお願いします - off vocal.mp3
チャンネル登録よろしくお願いします - off vocal.wav
チャンネル登録よろしくお願いします.mp3
チャンネル登録よろしくお願いします.wav
illustフォルダ
artwork_1600x1600(冊子の表紙正方形変型データ-1600×1600-)
front-cover-book_A5size.png(冊子の表紙データ-3309×2333)
youtube-thumbnail_1920x1080.png(YouTubeのサムネイル画像~-1920×1080-)
チャンネル登録よろしくお願いします本.pdf(紙の冊子全ページのpdfデータ)
movieフォルダ
・ずんだもん「チャンネル登録よろしくお願いします」.mp4(YouTubeにも上げられている動画)
「チャンネル登録よろしくお願いします」
懐かしいGYARI節が帰ってきた
実・家・の・よ・う・な・安・心・感
ベースライン、聴けば聴くほど洗n...クセになる
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購入金額
750円
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購入日
2023年08月21日
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購入場所
とらのあな
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