GRACE社 F-8C交換針 (jive9821様提供品)
6年前にヤフオクでF-8Lというカートリッジを即落で購入したのですが、ジャンクでもなく普通の形態の取引でした 針の詳細は書かれていなかったですし、針拡大画像も無かったです 即落で入手して数日で届いたF-8Lを聴いて、なんかこれが昔から評判だったF-8Lかと少しがっかりしました(一度も聴いたことがないカートリッジでした)金額は総額12000円くらいでした。
再生してみて、音質に繊細、厚みもなく、弾力性もない薄っぺらな感じでしたね 脚色でもなんでもなく実際に感じた印象です 針の摩耗や古い為とその時は思っていました。しかしヘッドシェルが安物ですし、リード線も緩々で音が出ないこともありました(ヘッドシェルを付け替えて出品したか)それ以来興味もなく触ることも無くなっていました。
今回 jive9821様からF-8C針の提供を受けF-8本体の針を差し替えて聴いたところ全く音質が違いました F-8Cこちらが本物と判ります...
本体についているのが今回供与されたF-8C針で、左側は偽造?F-8L針 針の丸い部分をカットしたのがF-8Cです。
以下の文章、グラフでは針のみ交換しています 本体はF-8Lを使用してます。
Lはルミナストレースの頭文字で、Cはカスタムの頭文字 Cは特級品で高額、繊細?だったようです。http://mtomisan.my.coocan.jp/newpage1.html
改めて元々のF-8L交換針をネットでチェックしたら、オリジナルは無垢針でしたが、私が
ヤフオクで入手したのは接合針でした 6年前とはいえ今更ガッカリですね カンチレバーや
ダンパーも入れ替わっているのかもしれませんが、誰がやったのかはもう判りませんのヤフオク魑魅魍魎世界です ヤフオクの出品者は判ります 今でも出品してますね。
F-8C データ
■価格 16,500円
■発電方式 MM型
■出力電圧 5mV(5cm/sec)
■針圧 0.5~2g(最適 1.5g)
■再生周波数帯域 5-35,000Hz
■チャンネルセパレーション 30dB/1kHz
■チャンネルバランス 0.5dB/1kHz
■コンプライアンス 25×10-6cm/dyne
■負荷抵抗 30~100kΩ
■負荷容量
■インピーダンス 2.4kΩ/1kHz
■針先 0.2×0.8mil
■自重 5.9g
■交換針 G8-LC(7,200円)
■発売 1969年5月
■販売終了 1988年頃
■備考 価格は1970年頃のもの
1973年頃は18,000円 RS-8C(8,000円)
1975年頃は19,500円 RS-8C(9,750円)
初期F-8シリーズのクリアアップタイプ。
クランプ色はクリアー(両端がカットされている)。
追加データ
購入したのは接合丸針で、今回のは、0.2×0.8mil無垢ダイヤ超楕円ルミナル針というわけです。
こちらは偽造F-8L針 判りにくいですが接合針です カンチレバーも短い?
一緒についていたヘッドシェルです 鋳物ですがあまり良いものではないです
↓偽造? F-8L 解り難いですがカンチレバーと針先の間に金属台があります
実際のF-8Lは無垢針です
ダイヤチップ+接着剤+金属台+カンチレバーで音質が変わるんです 多分?
↑ハイファイ堂さんに有ったF-8L針の画像 ダイヤ無垢針ですね https://www.hifido.co.jp/sold/22-36847-47756-00.html
赤い線が実波形です 緑線はノイズです
歪率は常時変動しますので参考値です 2次高調波が少ないのか?
音質
音源はLPレコード1975発売 布施明「傾いた道しるべ」キングレコード SKA-135、
舟木一夫魅力のすべて、チェリッシュ等の1970年代のレコードです。
年代物のカートリッジなので、レコード音源も古いものをチョイスしました F-8Cで「シクラメンのかほり」を再生してみましたが、布施明の唱いだしが柔らかい歌い方で素晴らしいです 高音はカートリッジが年代物なのでもう少し伸びが欲しいですが当時のカートリッジでは相応だと思います、必要にして十分出ています。低音の伸びと弾力感はこれまた素晴らしいです
偽造? F-8L針は歪みが目立ちますね また音が硬く音楽性がないと思います 音楽性とは難しい表現ですが、音楽を聴いて惹きこまれて聴いてしまう感覚でしょうか。
今回F-8C針を提供くださったjive9821様に感謝いたします F-8の実力を今頃知った私ですが、恥ずかしいやら情けないやらです ありがとうございました。
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購入金額
0円
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購入日
不明
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購入場所
提供品
jive9821さん
02/18
無垢針と接合針でかなり音が異なりますね。ですから、
カートリッジの本来の実力を出させるのであれば無垢針で
使いたい所なんです。
某大手専門店は接合針の方が音楽性が豊かなどと書いて
いますが、あれは音の濁りを響き成分と勘違いしている
としか思えません。
F-8シリーズは今でも絶賛する人が多い製品ですが、
率直に言ってあくまで時代なりに良く出来ているという
ところだと思っています。DL-103に近い位置付けで開発
された製品ですから、真面目で派手さのない堅実な音では
あると思いますが…。
タコシーさん
02/18
1960年代後期に製造されたカートリッジでは良くできているほうでしょうね
当時、品川無線(グレース社)には池田氏や森芳久氏が在籍していたわけで、
良いものが出来て当然だったと思います ややマイルドな再生音ですが、
当時の音楽向けというものでしょうね
MMカートリッジでも歪みがあり、ノイズが多いカートリッジがあります(良いのもありますが)それらに比べてもF-8, SONY XL-45 などは良くできています
他にもありますが熱心に聴いていないのでこれくらいですね
当時数万円では私には購入できない金額でしたが...
セラミックカートリッジプレーヤーで聴いていましたからね それでも十分でしたが
欲しいものが色々あって大変でした テープデッキ、FMチューナー、カセットデッキ、テレビ、カメラ、等々...
品川無線は初歩のラジオという雑誌で存在は知っていましたが、当時は縁がなかったです カートリッジを購入できるようになってもグレースには縁がなかったですね
昔はオーディオ雑誌しか情報入手が出来なかった時代ですから。
今自分がやっていることも、過去にできなかったことを蒸す返しているのかもしれないですね。