ここ数年、毎年1枚ずつクリスマスアルバムを買っています。実は今年買ったのは「Merry Christmas / Mariah Carey」だったのですが、結果的に今年よく聴いていたのは2年前に買ったこちらでしたので、今回はこちらを紹介しようと思います。
Journeyの元リード・ヴォーカリストとして知られる、Steve Perryのキャリア初のクリスマスアルバムである「The Season」です。
このラベルに書かれている「ONE OF THE MOST ICONIC VOICES IN ROCK」という表記は決して大げさなものではありません。かつて世界的なチャリティブームの一環で制作された「We Are The World / USA for Africa」で参加要請するアーティストをリストアップした際に、真っ先に名前が挙がったのが、このSteve Perryだったといわれるほど、アメリカのロック界を代表する存在といえます。
前述の通り私がこれを買ったのは2年前なのですが、2年前は何故かこの時期妙に忙しく、このアルバムをWAVファイル化している余裕が無く、購入直後に一度聴いただけに終わってしまったのです。今年は11月にデータ化しておいたので、DAPやカーオーディオなどでも随分聴きました。まあ、それでも最もよく聴いたのは「Chicago Christmas:What's It Gonna Be, Santa? / Chicago」だったとは思いますが…。
Journeyの時代は伸びやかで張りのあるハイトーンが売りだったSteve Perryですが、結果的に最後のJourney参加作となっているアルバム「Trial By Fire」の辺りで少し片鱗が見えていたように、渋みを増した味わい深いヴォーカルへと変わっていて、本作もロックというよりはジャズ・ヴォーカルに近いアプローチで制作されています。
本作は180g重量盤でプレスされていることに加え、片面辺り13分少々しか収録されていないこともあり、溝の幅が広く取られていて音質はなかなか良好です。敢えてレコードで買った意味が感じられます。
一曲をじっくりと歌い上げ、曲に浸れる
ここで収録内容を紹介しておきましょう。全8曲で片面4曲ずつ、しかも1曲の長さが短いためミニアルバムというべき量に収まっています。
Side A
1.The Christmas Song
2.I'll Be Home for Christmas
3.Auld Lang Syne
4.Winter Wonderland
Side B
5.What Are You Doing New Year's Eve
6.Santa Claus Is Coming to Town
7.Silver Bells
8.Have Yourself a Merry Little Christmas
それぞれの曲はタイトルだけでは判りにくくても、実際に聴けば「これか」と納得できるものばかりと思いますので、YouTubeで公開されている全8曲を貼っておきましょう。
Chicagoの方は比較的明るめのアレンジが多く、この時期の店内BGMなどで毎年頻繁に耳にするのですが、Steve Perryはじっくりと聴かせるタイプの作品であり、あまりBGM向きではありません。熱心に洋楽を追っている人でなければ発売されていたことすら知らないかも知れないというほど、マイナーな作品です。しかし、よく知られている曲ばかりであるからこそ、彼のヴォーカルの素晴らしさが際立ちます。
往年の突き抜けるような高音ではありませんが、深みや味わいは以前よりも明らかに増していて、まさにSteve Perryでなければ歌えないという作品に仕上がっていると思います。
クリスマスを大勢で楽しく過ごしている人に向く作品ではありませんが、ひとりで静かに過ごすには最適なお供といえるでしょう。
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購入金額
3,241円
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購入日
2021年12月09日
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購入場所
Amazon
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