レビューメディア「ジグソー」

恐らく現時点で国内最安値のカスタムIEM

以前中国Hisenior製の極めて安価なカスタムIEM、Hisenior T2 Customを紹介したことがあります。

 

 

 

 

 

当時はインプレッション(耳型)採取代や送料を含んでも2.3万円程度で製作出来るという、少なくとも日本で買えるカスタムIEMとしては、最安値の製品だったと思います。

 

しかし当時と比べると円安が大幅に進行していて、またHiseniorのドル建て価格も値上げされた結果、送料やインプレッション採取代も含めると計3万円弱まで上がってしまっています。それでも依然として圧倒的に安価であることには変わりありませんが。

 

ただ、この価格帯になるともう1つ選択肢が現れます。それがアルファ☆デシベル(補聴器メーカー株式会社キタガワのカスタムIEMブランド)製のmiro FRAMEという機種です。

 

miro FRAMEはBAドライバーを2基搭載して29,800円なのですが、この価格でNOBUNAGA LABS製のケーブル(数種類から選択)とインプレッション採取代が含まれています。トータルコストではHisenior T2 Customと大差ないというわけです。

 

ただ、残念ながらmiro FRAMEは2023年12月末を以てオーダー受け付けが終了となってしまう事が決まっています。そこで入手できるうちにと思い、東洋化成のOPEN FACTORY(2023年11月11日)実施に合わせて、アルファ☆デシベルの営業所まで(当日はJR鶴見駅を起点として動いていて、車で移動すればそれほど遠くないのです)足を伸ばしてmiro FRAMEを注文することにしました。

 

現在アルファ☆デシベルはカスタムIEMのセール中(2024年1月末まで)で、これが終わると殆どの製品が値上げとなるそうです。ただ、それ以前にmiro FRAMEは注文できなくなってしまう訳で、オーダーを急ぐ必要がありました。セール期間であるだけに通常よりは製作期間も長くなり、私の場合で約4週間を要しました。まあ、本来注文時点では納期2ヶ月となっていましたので、年内に届いただけでも十分早かったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箱には注文者の名前がきちんと印刷されています。今回は私の本名を晒しても仕方ないので画像は加工していますが…。

 

 

 

 

 

 

 

IEM本体はこのキャリングケースに収納されていました。

 

 

 

 

 

 

ケーブルはNOBUNAGA LABS製神楽(4.4mm - MMCX、直販価格5,980円)を選択しました。この価格帯のイヤフォンとしては比較的グレードの高いケーブルといえるでしょう。

 

更新: 2023/12/19
総評

7~80年代洋楽メインだと意外といける

miro FRAMEはフェイスプレートが存在せず、文字通りフレーム型のシェルとなります。デザインにこだわりは無かったので、左側が青、右側が赤という最も分かりやすい配色でオーダーしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早速ですが音を聴いてみましょう。今回は前述の通りケーブルは神楽を組み合わせ、DAPはCayin N6ii/T01(つまりN6iiのサブ機の方)を使います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はっきり言ってしまえば、レンジは狭めです。ただ、Hisenior T2 Customよりは少し高域方向の量はあります。低域はT2 Customの方がもう少し出ているかも知れません。

 

高域方向の表現は出ている幅が限られるため限界がありますが、最低域を除く低域~中域にかけては素直な音で質もなかなか良好です。ヴォーカル中心の楽曲ではなかなか聴かせますし、特に私が好きな70年代辺りの洋楽では録音の質がそこまでではないものが多いため、レンジの狭さもそれほど致命的には感じられません。

 

写真では「Escape / Journey」を聴いていますが、冒頭の「Don't Stop Believin'」などはスティーヴ・ペリーのヴォーカルが伸びやかでなかなか心地よく聴けます。

 

ただ、最近のJ-Pop/アニソン系の音楽を聴く人には全くお勧めできる音では無いことも確かです。「stars we chase / ミア・テイラー(cv.内田秀)」などを聴くと本来無駄なほど量があるはずの低域がスカスカですし、高域方向も辛うじて鳴っているという程度で質を問える次元に達しません。最近のJ-Pop/アニソンの録音で使われる帯域が丁度不足気味の部分と重なってしまうのです。面白いことに洋楽では「Born For This Moment / Chicago」のような最近の録音でも、そこまで極端に不足している印象は受けません。

 

聴きたいソースでこのIEMに帯する印象はかなり変わってくるものと思いますが、少なくとも私が普段よく聴くジャンルに限って言えば帯域内の素直さと、BAらしい広がりを見せる音場表現が活きてきてそこそこ満足できるレベルとなります。

 

 

今月末まではまだオーダー可能ですから、中国Hiseniorへのオーダーが敷居高く感じられるような人にとって、安価にカスタムIEMを体験できる最後の機会といえるでしょう。もし興味があるという方がいらっしゃれば、キタガワさんに予約の上、ショールームをお訪ねください。

  • 購入金額

    29,800円

  • 購入日

    2023年12月10日

  • 購入場所

    株式会社キタガワ(本社)

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