「芋づる式洲崎綾 Part11」。Webラジオのキャラクターの面白さと、天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾（あやちゃん／ぺっちゃん／あやっぺ）関連レビュー。12月といえばあやちゃんのバースデイがあるということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲や書籍、Webラジオグッズなど、幅広く芋づる式におよそ一ヶ月にわたりご紹介するシリーズレビューの11回目。

そして所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。声優の仕事の一つに、最近は担当キャラクターを表現するキャラクターソングの歌唱というのが入っています。キャラクターの「表現」なので、上手く歌うことよりも、キャラクターの表現ができていることの方が、より認められる分野で「正解」はない分野です。人気オンラインゲームのキャラクターを担当声優たちが表現した作品をご紹介します。

PSO2こと「ファンタシースターオンライン2」。PSO2は、2012年にサービス開始されたオンラインゲームで、PCやXbox、PlayStation、Switch、スマホなどで広く展開されている。2016年と2019年にアニメ化され、ゲーム内BGMのコンサートなども開かれている、マルチメディア横展開も広いコンテンツ。

BGM（ファンタシースターオンライン2 オリジナルサウンドトラック）の他に、キャラクターソングも“PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクターソングCD〜Song Festival〜”として数多く制作されており、2023年末現在無印（いわゆるⅠ）からⅥまでリリースされている。そのうち、2019年リリースの“PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクターソングCD〜Song Festival〜V”にあやちゃんの歌唱する楽曲が含まれている。そこで？“PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクターソングCD〜Song Festival〜V”の楽曲全曲と、“同Ⅳ”と“同Ⅵ”の全曲、さらに新規戦闘時BGMやグランドエンディングの別歌唱ヴァージョンなどが収録された“「PHANTASY STAR ONLINE 2」キャラクターソングCD～Song Festival～BEST Vol.2”を入手してみた（ぉぃw

まず「Fly me to the moon」。これは、Bart Howard作のジャズスタンダードの「私を月に連れて行って」。佐藤利奈、沼倉愛美、小倉唯、皆口裕子という歌ウマめのメンツが歌うので耳あたりがよいのだが、アレンジとプレイが洒落ている。導入はストリングス（by 星野沙織）で、まるでディズニー映画のように入るが、歌に入るとジャジィでスウィンギィ、そしてかなり都会的かつ現代的なアレンジに変化。ピアノの左手の和音の付け方が、凝ったリズムの分散和音で、インパクトがある。間奏になるとリズムはランニングベース＋4ビートの王道ジャズになるのだが、ピアノソロが小粋かつテクニック的にも高度。ピアノはX（twitter）の「俺の6秒フレーズ」でジャズを布教する永吉俊雄。永吉とバンドも組む、ベーシスト横田健斗の短いブリッジの後、2nd verseに入ると8ビートに変化、ハードめな演奏に。ここに4人の小粋なヴォーカル（各々のソロと、佐藤＆皆口、沼倉＆小倉の二組のデュエット）が絡み、かなりの良曲に。これは元は“Song Festival Vol.Ⅳ”に収められていたらしい。

あやちゃん参加の曲としては2曲。まずソロの「遵情マリアージュ」。曲自体は、オルゴール音で導入される、少しもの悲しい雰囲気のちょっとクラシカルでゴシックな感じの曲で、ヴォーカルもやや切ない感じに創ってはいるが、キレイめ発声の歌声で、曲単体鑑賞に堪える。ただ．．．歌詞が．．．かなりヤンデレ？？♪遵情マリアージュ／わたしのすべてはあなたのもの／耽溺クライシス／絡める指と運命／壊れそうなくらい／あなたを狂おしいほど愛してる♪くらいまでなら情熱的な人、という感じだが♪殉情ユーフォリア／あなたのとなりはわたしのもの／切実ディストレス／その存在が尊い／ずうっとずうっと離れない／あなたとふたり添い遂げて♪と来ると、かなり病的。そしてCメロあとのブレイクで、セリフで「一緒だよ？」とはいると．．．ｿﾞｸｯ　PSO2であやちゃんは、Reborn ： EPISODE4で出てくる地球人、コオリこと鷲宮氷莉を演じているが、情報によるとこのキャラクター愛が重いらしい。その愛を向ける先が、ヒツギこと八坂火継。どうもこの曲はヒツギに向けたもののよう。その証拠に、曲の出だしにあやちゃん（コオリ）の「ヒツギちゃん？」と言う呼びかけが．．．その観点で曲を聴くと．．．重いわーｗま、「じゅんじょう」が「純情」ではなく、「遵情」や「殉情」である時点で、お察し？？

そのヒツギとのデュエット曲「放課後スペシャリティメモリー」は一転して超元気！曲調的には「けいおん！」で使われていそうなハッピーな楽曲に合わせて、あやちゃんとヒツギ役の種田梨沙が弾けるような声で歌う。あやちゃんの声は、「遵情マリアージュ」のような美しいけどヤンデレ、という感じはまるで無く、担当するWebラジオ洲崎西の前半、シーサイド・コミュニケーションズ制作番組合同でライヴをやっていたとき、一番の新人番組として参加した際

に歌った「タイムマシン」の時使ったような、かわいらしいアニメ声。この方向性の声は最近あまりなかったので、新鮮。この2曲はともに“Song Festival Vol.Ⅴ”から。

“Vol.Ⅵ”からは「灰ノ蝶」。歌うは堀江由衣。このゲームで堀江の演じるのは、スクナヒメというキャラクターらしいが、次のマトイ役の佐藤聡美とのデュエット曲「茗華艶宴」と合わせて、ともにオリエンタルな音色を使ったアレンジなので、その方向性のキャラなのかしら？？この「灰ノ蝶」では、琴のような減衰の速い音を使った、スローテンポのどことなく中国宮廷を想起させる楽曲に、透き通る堀江の声が乗り、とても美しい。

この“「PHANTASY STAR ONLINE 2」キャラクターソングCD～Song Festival～BEST Vol.2”、あやちゃんの楽曲2曲を入手するためだけに購入したのだが、よりコンパクトな8曲入りの“「PHANTASY STAR ONLINE 2」キャラクターソングCD~Song Festival~V”ではなく、BEST盤の方を購入したのは、偶然だった（検索に先にヒットした／ジャケットがBESTの方が好きだった／ゲーム関連特典だったので結局買わなかったが、BESTの方だけ“限定盤”が残っていて、レアものハンターの血が騒いだ）。しかし、あやちゃん参加の2曲以外も結構よい。とくにバンド仕立ての曲が多い“Vol.Ⅳ”の部分が良曲が多く、その中でも「Fly me to the moon」のアレンジとプレイは、ジャジィな感じと、現代的なポップス要素がしっかり融合していて、本当に良かった。

こういった出逢いがあるから、「盤買い」は止められんな～

ゲーム特典が少ない通常版を選んだが、それでもゲーム内アイテムコードが付属していた。

【収録曲】

＜DISC1＞
1. Tears of the moon（Mother ver.）：マザー（CV佐藤利奈）
2. 普遍数のlogic：オークゥ＝ミラー（CV沼倉愛美）
3. fantastic seeker：フル＝ジャニース＝ラスヴィッツ（CV小倉唯）
4. アマランスの空：ファレグ＝アイヴズ（CV皆口裕子）
5. エキセントリック・パーフェクト：

　　オークゥ＝ミラー（CV沼倉愛美）、フル＝ジャニース＝ラスヴィッツ（CV小倉唯）
6. Fly me to the moon：マザー（CV佐藤利奈）、オークゥ＝ミラー（CV沼倉愛美）、

　　フル＝ジャニース＝ラスヴィッツ（CV小倉唯）、ファレグ＝アイヴズ（CV皆口裕子）
7. ザ・ヒーロー・ストライク！！：ストラトス（CV佐倉綾音）
8. scarlet resolve：八坂火継（CV種田梨沙）
9. オペレーション・センセーション：シエラ（CV：木村珠莉）
10. ピエトロ 愛の行進曲：ピエトロ（CV江口拓也）
11. 遵情マリアージュ：鷲宮氷莉（CV洲崎綾）
12. 放課後スペシャリティメモリー：八坂火継（CV種田梨沙）、鷲宮氷莉（CV洲崎綾）

＜DISC2＞
1. Prologue to the future：ハリエット（CV潘めぐみ）
2. 極夜の亡霊-ファントム-：キョクヤ（CV堀川りょう）
3. アドミラリ・リュドミラリ：リュドミラ（CV高橋李依）
4. 灰ノ蝶：スクナヒメ（CV堀江由衣）
5. 茗華艶宴：スクナヒメ（CV堀江由衣）、マトイ（CV佐藤聡美）
6. 心ふたつ：ハリエット（CV潘 めぐみ）、リサ（CV花澤香菜）
7. マジェスティックエンターテイメント：マルガレータ（CV東山奈央）
8. Epilogue of Darkness：シバ（CV潘めぐみ）
9. Zero-G（Memorial ver.）：マトイ（CV佐藤聡美）、八坂火継（CV種田梨沙）、

　　ハリエット（CV潘めぐみ）、クーナ（CV喜多村英梨）
10. Thank you（Memorial ver.）：マトイ（CV佐藤聡美）、八坂火継（CV種田梨沙）、

　　ハリエット（CV潘めぐみ）、クーナ（CV喜多村英梨）

「遵情マリアージュ」