USB端子の形状の主流が、USB登場直後から続いてきたUSB type A(高速化・大電流化に伴いピン数の増加などはあった)から、USB type Cへと移りつつあります。
PC本体には今のところUSB type A、USB type Cの両方が用意されていることが多いのですが、モバイル機器などは主役がUSB type Cです。
しかし、両方の端子を用意しているということは、それぞれの端子数は減るということです。例えば今までtype A端子を4つ用意していた形状のPCで、type C、type A各2つという構成に変化しているわけで、type A機器を多く繋ぎたい場合に不便なこともあるわけです。
USBの規格上、USB type Aの端子に変換アダプターを介してUSB type Cの機器を接続することは認められていませんが、type C端子に変換アダプターを介してtype A機器を接続することは認められていますので、信頼の置けるtype C to type A変換アダプターには一定の需要があります。そこで用意されていると思われるのが、大手PCメーカーであるDELL純正の変換アダプターです。
Amazon辺りで探せば同種の変換アダプターの廉価品はいくらでも見つかると思うのですが、DELL純正であれば企業ユーザーの要望で提供されて互換性もそれなりに要求されるでしょう。信頼感を取って購入してみました。USB type Cしか用意されていないMacBookで、オーディオ用のtype A形状のハイグレードUSBケーブルを使うのにも良いかという考えもあり…。
公称スペック以上の性能
DELLの公式情報を見ると、この製品のサポート規格はUSB 3.0またはUSB3.1 Gen1と記載されています。つまりこの仕様通りであれば最大転送速度(理論値)は5Gbpsとなります。これはあくまで理論上限ですので、現実的には600MB/s(4.8Gbps)に届かない程度でしょうか。
type A接続の機器を繋ぐ分には問題ありませんが、一応type AでもUSB 3.2 Gen2×1では10Gbpsまでサポートすることが出来ます。という訳でちょっとした実験をしてみました。
NVMe SSDに対応した外付けケースで、純正ケーブルがUSB type A、USB type Cの2本添付されているものを以前から使っているのですが、これをUSB 3.2 Gen2をサポートしたIntel NUC M15のThunderbolt端子に接続して速度を検証してみるというものです。SSDは確実にUSBの速度を上回るものということで、このUSB変換アダプターと同時に購入した、SAMSUNG 970 EVO Plusの2TBモデル、MZ-V7S2T0B/ITをケースに詰めます。
本格的な測定ではありませんので、Crystal Disk Mark 8.0.2だけを使います。
▲Thunderbolt 4端子にtype Cケーブルで直接接続
少なくともUSB 3.2 Gen2×1以上をサポートしていなければ出せない速度が出ていますね。SSDケースそのものの上限に達している可能性もあります。以前ここでUSB 3.2 Gen1端子にtype Aケーブルで接続した際には、600MB/s弱で頭打ちでした。
ではここでこの変換アダプターを介して、Thunderbolt 4端子にtype Aケーブルを使って接続してみましょう。
▲Thunderbolt - 変換アダプター - type Aケーブルで接続
ランダムで落ち込んでいる部分はあるものの、シーケンシャルの値はほぼ同等で、こちらもやはりUSB 3.2 Gen2で接続されていることがわかる速度です。つまり、このUSB変換アダプターは公称スペックではUSB 3.1 Gen1までのサポートですが、実際にはUSB 3.2 Gen2に対応しているということになります。
一般的にUSB type C端子にUSB type A形状で何かを接続するときにはそこまで速度性能が要求されることはありませんが、仮に速度が必要な場合でもこの変換アダプターであれば対応できるということがわかったのは大きな収穫です。
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購入金額
398円
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購入日
2023年10月16日
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購入場所
OCNオンラインショップ(旧NTT-X)
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