用語解説
ここで使う用語について簡単に説明します。
・USB 2.0:今までのUSB規格。通信速度は480Mbpsだが、実際は100Mbps程度しか出ない。
・USB 3.0:新規格のUSBで、2.0や1.1に下位互換を持たせながら5Gbpsという高速バスを
実現したらしい。実際はどのくらい出るのまだ未知数…。
格安品のコントローラを搭載していると下位互換を持たないことも…。
・HDMI:デジタル専用。音声も同時に転送が可能でAV機器向けの規格。DVIと互換性あり。
・DVI:デジタル・アナログ両対応(片方のみの規格もある)。音声は転送は不可。
PC向けの規格。DVIの中にも3つ規格がある。
DVI-D:デジタル専用。(ディスプレイ側についていることが多い)
DVI-I:デジタル・アナログ共用。(PC側についていることが多い)
DVI-A:アナログ専用。(今更ついているPCあるの?)
・VGA:アナログ専用。音声の転送は不可。ビジネス向けPCでも最近は上記のDVIに
移行しているので衰退する一方の規格になっている。
この製品の主な特徴
・DVI-Iポートを搭載しているので、デジタル・アナログのどちらのモニターにも対応可能。
→古い機材の再利用、新しく購入したもののどちらも利用が可能。
→HDMI変換アダプタを利用すればTVにも出力が可能。
・用途別に表示モードがマルチディスプレイ、クローン、モニターオフから選択が可能。
→当たり前の機能のような気もしますが、モニターオフはできないことが多い。
・画面の回転が可能なので、モニター設置の自由度が上がる。
・最大6台まで同時利用可能。
→サインはDVIという他社製品の6台が最大値なので、何かの制約があると思われる。
・多彩な解像度に対応し、様々なモニターで利用が可能。
・USB 3.0接続で高画質動画もぬるぬる再生可能。
→安物だとカクカクになることもありますね。
・USB接続でPC側の筐体を開けることなくディスプレイが増設可能。
→USB接続なので、ノートPCでの利用も可能です。
今回利用する機器
1.メインマシン(自作2号機)
2.液晶ディスプレイ
都合により、本製品ではなく直接グラボから接続します。
今回拡張するディスプレイは「Realsync」と書かれている19インチのスクエアモニター(1280*1024/DVI-D,D-Sub15)のモニター(中国製?)です。
3.ノートPC
パッケージ開封
I-O Dataよりいつもの小包が届いたので、開封してみると製品といつもの指令書が入っていました。
外箱
表面:
I-Oらしい青を基本としたデザインです。USB 3.0に対応していること、簡単にディスプレイが増設できることが印象づけられます。
側面:
この製品で利用可能なディスプレイの使い方が載っています。
※Windows 7 Starterは対応しておりません
とありますが、OSの機能制限なので、クローンモードとモニターオフモードは使えるはず…。
(私はため指定なので、実際はどうなのかわかりません!!)
ちなみに、反対側には仕様、要求スペック、対応解像度が書かれています。
裏面:
この製品の特徴が簡単に解説されています。
「新チップ搭載でUSB2.0でもなめらか」だそうです。どこがどのように改善されたのか知りたいですが、多分メモリーが大きくなって処理速度が上がったのでしょう。
開封
パッケージを開けてみました。箱を振るとやけにカタカタ言うので、中を見てみると…。
これは酷い…。隙間を埋めるものが入っていない…。
まあ、振動に弱いものではないのでこれもコスト削減の1つなのでしょうか?
包装ミスであることを願います。
内容物一覧です。
右上から
本体、USB3.0ケーブル(0.5m)、DVI-I -> D-Sub 15pin変換アダプタ
ドライバCD、はじめにお読みください、使用ガイド
というあまりゴタゴタしていないシンプルな構成です。
本体です。
SDカードのサイズと比較しても、この製品がいかに小型であるかがわかります。
また、USB3.0のマイクロ端子がいかに長細いかもわかります。USB2.0のマイクロ端子+拡張部分なので、従来の2.0でつなぐ際に細いケーブルを利用できます。
USBケーブルの太さの違い
左側がシールドありのUSB2.0ケーブル、右側がUSB3.0ケーブルです。直径が1.5~2倍程度大きくなっているのが何となく分かると思います。
モニター側の接続
アナログで接続
本体に付属の変換アダプタをつなげ、その先にアナログケーブルを接続します。ネジ止めしないと外れてしまうことがあるので十分注意して下さい。
もう片方の端はディスプレイのしかる場所につなげましょう。
もはやUSBケーブルよりアナログケーブルのほうが細いです。しかし、USB3.0のほうがどう考えてもアナログケーブルより芯数が少ないです。しかしUSB給電があるので比べるのは無理です。
結構小型の製品なので変換コネクタがやけに大きく見えます。
もう片方の端はディスプレイのしかる場所につなげましょう。
デジタルでの接続(DVI)
本体に直接デジタルケーブルを接続します。ネジ止めしないと外れてしまうことがあるので十分注意して下さい。
もう片方の端はディスプレイのしかる場所につなげましょう。
驚くほどコンパクトです。USBのコネクタ+本体+DVIのコネクタの長さの合計が15cm程度です。
DVIケーブルとUSBケーブルでは同じくらいの太さです。最近ではスリムケーブルとか言う細いものも出てきました。
デジタルでの接続(HDMI)
変換アダプタを利用すればHDMIをつなぐこともできます(音は出ません)
HDMIケーブルはネジ止めができないので、多少心もとないです。
それにしても初期のHDMIケーブルってぶっといですね。小指くらいの太さがあります…。
今回利用した変換アダプタはこれです。
ソフトウェアのセットアップ
この製品を利用するには、付属のCDに入っているデバイスドライバーが必要です。
CDドライブに付属のCDを挿入し、実行します。
1:「autorun.exe の実行」を選択し、インストーラを起動します。
昔はこの画面がなかったのですが、USBウイルスが流行ったので出るようになったのでしょうか?インストーラを使わずドライバをインストールしたい私としてはありがたい仕様です。
2:I-O Dataのメニュー画面が表示されます。「USB-RGB3シリーズ ドライバ」を選択します。
3:ライセンスに同意するか聞かれるので「同意する」を選択します。
日本語は下の方に書いてあります。多分このチップのOEM元が両方記載することを義務化しているのでしょう。
4:後は自動的にインストールされるようです。完了の確認画面がほしいです。
5:インストール終了後に再起動しておきましょう。
(2012/08/31追記)
※Windows 7ではドライバーのインストールを実行しなくとも、Windows Updateから自動的にインストーラをダウンロードし、インストールしてくれます。つまり、本当に繋ぐだけでマルチディスプレイ環境が構築できるということです。すごいです!!
PC側の接続
上記のモニターとの接続をした後で、コンピュータのUSB3.0またはUSB2.0のポートに接続します。どうライバが自動認識されます。
認識が完了すると、ディスプレイは自動的にマルチディスプレイモードで動作し、タスクバーに以下の様なアイコンが表示されます。このアンコンから拡張ディスプレイの設定(解像度、モード、回転など)を行うことができます。
お題い:
「マルチディスプレイ用、または他の用途など、あなたの環境での使い方をレビューしてください。」
「使う前と使った後を比較して、仕事面や生活面がどのように変わったかレビューしてください。」
ということで、分けてレビューするのも難しいので、2項目まとめてレビューして見ようと思います。
私の使い方は「マルチディスプレイ」です。現在使っているグラフィックボードがHDMIとDVIの2つの出力があるのですが、なぜか同時利用が不可能なため、本製品のレビューに応募しました。
マルチディスプレイとして表示させるとこんな感じになります。

USB HUBの本数やマウスの個数、モニターアームの設置方法は気にしてはいけません。
マルチディスプレイになると、右側に参考資料、左側にワードなどでレポート作成という利用ができるので、とてもレポート作成が楽になりました。
また、遅延など私の利用方法では起きないので問題なく利用ができていますが、FPSとかアニメのBDとか見たりすると遅延が発生する可能性があります。というか、USB2.0接続の場合、激しい動きの映像(ハルヒ1期OPのBDソースとか)を再生すると時々コマ落ちします。
ネットワーク経由で使ってみる
ノートPCを利用する場合は、USBとかLANとか電源とかつなぐのが面倒くさいので、電源+無線LANという風にケーブルをできるだけ繋がないで利用できるようにしたいと思います。そこで登場するのがnet.USBです。
net.USBとは、LAN経由でUSB機器を利用できるようにするアイテムです。私はこの機器を購入しました。
※net.USBの使い方については省略させていただきます。基本的にはデバイスドライバをインストールし、取説通りつなぐだけで利用できるようになります。また、過去のプレミアムレビューがあるので、先人たちのレビューを参考にしていただきたいです。
こんなかんじに接続します。電源は最後につなぐといいと思います。

これで、ケーブルを接続しなくてもノートPCで拡張ディスプレイの利用ができるようになります。
ちょっと試してみた
有線LAN、無線LANで問題なく映像が表示されるか試してみました。
接続環境
PC - 有線or無線LAN - HUB(Gigabit) - ETG-DS/US - USB-RGB3
実験した内容
それぞれの接続方法にて、ハルヒ1期のOPを再生し、星のシーンが問題なく表示できているか確認する。
・有線LANの接続スピードはデバイスマネージャーにて変更する。
・無線LANは2.4GHz帯/5GHz帯のどちらに接続するかの選択のみ可能なため、それぞれに接続して試す。
結果
有線LAN (1000Base-T)
問題なく再生されているが、時々コマ落ちしている用に見える。
(追記)ニコニコ動画を見ていると、動画以外の場所のコマが落ちることがある。
有線LAN (100Base-TX)
カクカク再生になり、時々ブロックノイズが生じている。映像は許容範囲内。
有線LAN (10Base-T)
通常利用でも支障が出る上にブロックノイズが発生する。TeamViewerでリモートコントロールを実行しているような気がする。動画再生なんてもってのほか。カクカクでっしょでっしょ。
無線LAN (11n/a, 300Mbps接続)
100Base-TXよりノイズが乗るもののまだ映像は許容範囲。せっかくBD再生してるのに画質がDVDと同じようになってしまっている点はとても残念であるが、無線LANだから仕方ないのであろう。
無線LAN (11n/g, 300Mbps接続)
APとの距離が離れているからであろうか。11n/aより快適な再生ができている。映像は 「100Base-TX > 11n/g > 11n/a」 という感じである。
結論
画質は次のようになる。
直結 > 1000Base-T > 100Base-TX > 11n/g > 11n/a >10Base-T
やはり無線LANは不確定要素が大きいようである…。
どうやら、接続速度が遅い場合には「画像の解像度を落として」補っているようです。
LAN接続中に色々と通信すると解像度が落ちたり上がったりします。
**2012/09/16追記
また、動画のエンコードなどと並行利用した場合は、コマ落ちが激しくなり「ブラウジング」程度の動作でもストレスが出る。やはりUSBグラフィックはCPUに頼りっきりなのだろう。
また、長時間連続で利用した場合、net.USBがとてつもなく発熱するのだが、本体も負けじと発熱するようである。動画再生時など負担がかかる場合は発熱に注意したほうが良いかもしれない。
**ここまで追記
これで、ノートPCから無事ケーブルを全く繋がずにマルチディスプレイを実現できるようになった。ディスクトップで利用する場合は、快適に有線LAN接続、ノートPCで利用する場合は用途によっ使い分けが可能で、例えばレポートを書く場合は無線でケーブルレス、ゲームや動画を楽しむ場合はLANケーブルを接続する。などである。
まとめ
良い所
・USBポートに接続するだけで、簡単にディスプレイが増設できる。
・同I-O Dataのnet.USBを利用すると更に快適に、ケーブルの接続の手間さえもなくなる。
・本体のサイズがとても小さく、光物もついていないので存在を主張せず、映像関係の嬉々として優秀。
・DVI-I端子を備えているので、アナログ・デジタル両方に対応し、ほぼすべての液晶ディスプレイに接続可能。
・所詮FullHDと呼ばれる1920*1080どまりの出力ではなく、1980*1200以上の出力にも対応しているので、将来性がある。
・数クリックでクローンなどのモードにも変更ができるので、プレゼンで利用することもできる。
要改善点
・USBケーブルが硬すぎる。机に貼り付けたUSB HUBが剥がれてしまった。もう少しやわらかいケーブルを同封して欲しい。
・箱のなかに緩衝材が入っていないので、入れて欲しい。
・ドライバのインストーラに「インストールが完了しました。」という趣旨の画面がほしい。
・USB2.0では激しい映像がコマ落ちしてしまうこともある。
2012/08/31追記
ケーブルがあまりにも硬く、実用出来ではないためにAmazonBasicのUSB2.0ケーブルと交換しました。3.0対応ではないために、ケーブルが細く、柔らかいです。
2012/11/18追記
USB3.0で使ってみました。
なんだかんだでUSB 3.0機器の入手に手こずった(安いの探してたのです)ので時間がかかったわけですが、3.0で繋いでみました。
3.0で使ってみて変化したところを上げてみると、
・負荷がある状態で2.0ではブロックノイズが発生したが、3.0だとあまりノイズが乗らなくなった。
・マウスカーソルが飛んでいくことがなくなった。
などです。結構レベルアップしてびっくりです。
この製品を使うときにはちゃんとUSB 3.0で使ってあげましょう!
#523 プレミアムレビュー
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2012/08/31
写真を見てはっきりと出来ないことが解りました。
要望の一つに2系統出力対応
出来れば、HDMIでの出力を追加して欲しいものです。
購入フラグの確認ができました。
残念ながら、今回は保留です。
TABUTABUさん
2012/08/31
notokenさん
2012/08/31
2系統同時出力は2.0のバス幅では無理でしょうね。
3.0ならできそうな気もします。
HDMIにアダプタ無しで接続可能なのも魅力的ですね。
notokenさん
2012/08/31
プレゼンに使うPCにVGAやDVI等の映像出力がついていない場合は重宝すると思います。
クローンモードでは両方のモニターが解像度の低い方に強制的に統一されるので、使い勝手は使う人次第でしょうか?
TOMOVITZさん
2012/08/31
僕は以前インテルのワイヤレスディスプレイアダプターのレビューをやらせていただいた時に、遅延が気になるレベルだったのですが、ワイヤレス接続の時の遅延はどうでしたか?
notokenさん
2012/08/31
遅延はあまり感じないですが、画質的な面で動画再生やゲームには不向きだと思いました。
こんな回答でよろしいでしょうか?
きっちょむさん
2012/08/31
簡単に大画面で映し出されるのは便利だと思いました。
あと、
1980*1200以上の出力に対応というのがステキポイントですねぇ~。
notokenさん
2012/08/31
最近では1920*1200対応のモニターがなくて悲しいばかりです。
タコシーさん
2012/08/31
セールスの人がノートパソコンとプロジェクター、スクリーン持ち歩いているけど
発光するスクリーン出来れば良いと思うけど 話がずれた.....。
使い方に工夫が要りますね
notokenさん
2012/08/31
>ノートパソコンとプロジェクター、スクリーン持ち歩いて
かなりの重量では…?
あきんばさん
2012/08/31
ネットワーク経由で使うのはまったく頭に無かったので目から鱗でした。
緩衝材が入っていないのはビックリですね。
notokenさん
2012/08/31
>緩衝材が入っていないのはビックリですね。
そうなんですよね。いくら壊れにくいものだといっても、これはひどかったです。
ぬっきさん
2012/09/01
以前USB1.0の頃に同様の製品を使ってマルチディスプレイをしてみましたが
そのときはかなり応答速度が低く、マウスですらカクカクでした
さすがにUSB2ともなると快適になるのですね
参考になりました
お富さん
2012/09/01
>USBケーブルが硬すぎる。机に貼り付けたUSB HUBが剥がれてしまった。もう少しやわらかいケーブルを同封して欲しい。
解ります〜!私もこの製品ではないのですが、付属のケーブルが硬すぎて困ることが多々ございます。
おそらくスペック(と仕入れ値?)だけで選んで付属させているのかと思いますが、実際にもう少ししっかり使うヒトのことを考えて欲しいものですよね〜。
でもそれ以外はアイデアも含めてナイスな製品だという印象を持ちました。
この価格ならば、コストパフォーマンスには納得の一品ですね。
notokenさん
2012/09/01
さすがに1.0の通信速度でディスプレイアダプタでは無理があるかと。
1.1ではなく1.0というのがなんとも言えない時代を示していますね(笑)
notokenさん
2012/09/01
付属品が残念といえば、最近購入したFull HDディスプレイに付属していたケーブルがDVIではなくD-Sub15pinだったのもはぁ?と思いました。
結局密林でDVI-HDMIのケーブルを購入しました。
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2012/09/01
notokenさん
2012/09/01
そんなモニター欲しいです・・・。
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2012/09/01
重量40kg以上の巨体です。
notokenさん
2012/09/01
なるほど理解
という感じです。でも、ブラウン管も良い技術なんですけどね。
遅延ないし、画像綺麗だし。