今まで、それこそ「カセットウォークマン」の時代から、ポータブルオーディオには親しんできたが、音楽を「持ち出す」だけではなく、「場所を選ばす高品位に聴く」と言う意味に変わったのは最近。その意味でのポータブルオーディオ機器=DAPの、自分にとっての初号機の改造
や、ここZIGSOWでのバランス接続対応DAP
のプレミアムレビューを経て、それまでのシングルエンド接続より優れている点が多く、すっかりバランス接続派になったのだが、上記機器の他にも、その後入手したDAP
がすべて2.5mm4極のバランス端子装備だったのもあり(ま、それを選んだというのもある)、cybercatのバランス接続は2.5mm4極バランス(ケーブル/プラグ)を基本としていた。
かつては3.5mm4極やIRIS端子、果ては3.5mm3極×2などと乱立したバランス接続規格だが、バランス接続黎明期(2014年)から対応し、その良さを世に広め、さらにその端子を持つ再生機器を継続的にリリースし続けたAstell&Kernの採用する2.5mm4極が、他メーカーでも採用が進み、一時期バランス接続の覇権を握りかけた。
しかし、その後2016年に、それまでメーカーの独自規格しかなかったバランス接続を、JEITAが4.4mm5極として規格化した(RC-8141Cの改正)。独立したGNDを持つ4.4mm5極は、DAPとポタアンの接続には有利だし、プラグも4.4mmとソコソコ太いので、2.5mmプラグで多発した折れ曲がりを防ぐ強度も稼げる。3.5mm系と違って、ほとんど採用がない形状の規格のため(業務用のバンタムプラグくらいしか採用例がない)、「挿し間違い」も発生しない。ただ、逆に2.5mmで得られた小ささ(細さ)故の軽快性や設計のスペース的な自由度はなくなるわけで、DAPの小型化などに限界を生む。
この4.4mm5極バランス、JEITAという日本の機構(一般社団法人電子情報技術産業協会)が作った規格のためか、DAP界でシェアが大きい韓国勢(Astell&Kern)や中国勢(SHANLING、FiiO、Cayin、iBasso等)が採用する気配が当初はなく、1年程はSONYしか採用せず独自規格のようになってしまっていたので、このまま企画は良かったのに標準規格とならなかったβ方式ビデオのようになりそうな様相だった。しかし、2.5mmプラグの物理的強度の問題が解決できる規格であり、大きさに関してはスマホの高機能化やワイヤレスイヤホンの進化にともない、わざわざ音楽専用にDAPを用意し、有線接続する層は極度の小型化を求めなくなったということ、そして多分これが一番大きかったのだと思うが、いわば一企業(Astell&Kern)の独自規格が発祥である2.5mm4極バランスから、「日本発」とはいえJEITAの規格にすることで先行者利益をひっくり返そうとした(のではないかと思われる)中国勢が、2019年前後に雪崩を打つように次々と4.4mm5極端子を採用、もしくは2.5mm4極から切り替えたため、一気に勢力拡大し、普及した。
そしてついに本家?のAstell&Kernも(併設と言う形だが)2020年から4.4mm5極端子を搭載し始めたので、バランス接続界?の主流は完全に4.4mm5極に移った。
cybercatは初期からバランス接続を多く使っていたので、2.5mmプラグ仕様のイヤホンやケーブルが多かったのだが、メインDAPを4.4mm端子を持つShanling M3X Limited Edition
に替えたのもあって、その後は4.4mmバランスケーブルを増やしてきた。そしてついに切り替えてもよいかな、というくらい4.4mm5極環境が整ってきたので、cybercat家バランス標準?を4.4mm5極にすることにした。
....そうはいっても、音量調整ノブ不調のAK120BM+と、ロータリースイッチ不調のN5以外はまだ現役で、自分の手持ちの本体側は2.5mmバランス勢の方が実はまだ多い。
そこで今までは、既存の2.5mmバランスケーブルをM3XLEに使うために、2.5mm4極ジャック⇒4.4mm5極プラグという変換プラグを使っていたのだが、今度は逆にDP-X1AやPLENUE D2をバランス接続で聴くために、4.4mm5極ジャック⇒2.5mm4極プラグへの変換デバイスを手配することにした。
この変換の場合、4.4mm5極プラグを、それより小さい(細い)2.5mm4極プラグに変換するので、世の中には中間に短いケーブルを挟んだタイプが多いのだが、それだとその部分のケーブル特性が加わるような気がして、以前2.5mm⇒4.4mm変換で、そのコンパクトさで気に入っていたDD ddHiFi DJ44A
と同じくDD ddHiFiから、中間ケーブルレスでコンパクトな4.4mm⇒2.5mm変換が出ていたので、入手してみた。
DD ddHiFiのDJ44B。以前購入したDJ44Aの木箱から紙箱になっている。
それが、DD ddHiFiのDJ44B。どうやら2019年から2020年に掛けて若干マイナーチェンジしているようだが、ま、どちらが来ても大差はないだろうと、返品可能なAmazonではなくて1,000円以上安いAliExpressで購入。しかし2019年型でも2020年型でもなさそうなのが到着?
このDJ44B、表面がヘアライン仕上げではなくサンドブラストタイプ、木箱ではなく紙箱入りなので、少なくとも2019年型ではないが、2020年型と比較しても2.5mmプラグ部分が単純な円筒型ではなく、裾が広がって4.4mmジャック部に接合しているので、型番は同じながら、またマイナーチェンジした模様。色も今回の品は薄いブルー系シルバーだが、4.4mmジャック部から円筒形のプラグ部分が生えていた頃は、写真からするとどうももっとシルバーっぽい(材質もステンレス?)。この2019年型と2020年型の比較をしているのはAliの別のショップなのだが、購入した店舗では「brand-new DJ44B/DJ44C」の記載があるので、2021年以降にもう一度改良を受けた、というのが正解かも知れない。
一時期プラグの絵が描かれていた時期もあるようだが、現行?商品名プレートは地味。
この(↑)部分がなだらかに接合しているので、2019年型でも2020年型でもない。
つか、このDD ddHiFiのDJシリーズ、そもそも型番がかなり難解。
DJ35Aが2.5mm4極バランス⇒3.5mm3極アンバランス、DJ44Aが2.5mm4極バランス⇒4.4mm5極バランスなので、一見数値がプラグ側の形状を表しているような印象を受けるが、DJ44Bが4.4mm5極バランス⇒2.5mm4極バランス、DJ44Cが4.4mm5極バランス⇒3.5mm3極アンバランスなので、この二つだけ見ると数値がジャック側で最後の英語がプラグ種別のようにも見える。しかしここにDJ30Aが加わると、それは3.5mm3極アンバランス⇒4.4mm5極バランスなので命名法則全てぶち壊しw
さらに外形も、中が透けて見えるプラ系のジャック部分を持つDJ44Aと同タイプはDJ35Aだけで、今回入手したもののような金属製の四角いジャック部を持つ筐体はDJ44Bの他にDJ44CとDJ30Aと、同じDJ系で少なくとも2系統のボディシェイプがあるので、型番だけではどんなものかが想像しがたいため、購入時には注意。
この2つがパーツナンバー5文字のうち1文字しか違わない同シリーズのものとは思えない...
音質的には、現在2.5mm4極バランスと、4.4mm5極バランスの両方を備えるDAPやポタアンを持っていないので、厳密な比較は出来ていないが、SeeAudio Bravery AE Exclusive Edition
同梱のプラグ形状変更が出来る機構を持つHAKUGEI社のケーブルで、2.5mm4極プラグでの2.5mmバランス出力のDAPへの直接接続と、ケーブル側を4.4mm5極プラグに付け替えてから、本品を間に入れて同じDAPに繋いでも、取り立てて大きな変化(劣化)は感じられないので、誤差範囲なのだろうと。
スペック的にはジャックは金メッキの純銅を採用、筐体はアルミ合金製、内部結線は6N OCCと銀メッキ6N OCCの撚線を使用という感じ。
ま、「標準」を変更したと言っても、DAPに少なくとも後一台4.4mmバランス出力があるものがないと、2.5mm系DAPが「控え」に回らないので、当面このアダプター対応が続くンだろーなー...
その間、お世話になります。
コンパクトで持ち運びに便利
ただ、同社型番類似のDJ44Aほどの「最小容量」ではない。
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購入金額
4,130円
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購入日
2023年06月05日
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購入場所
MagicsAudio Store (AliExpress)
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