以前特価品を購入したものの、何となく中途半端な立ち位置となってしまっているイヤフォン、qdc 3SH SEのテコ入れのために、バランス接続に対応したqdcコネクターのイヤフォンケーブルを用意してみることにしました。
標準ケーブルでは低域~中低域にかけての情報量が不足していました。そのため、極性不良のSong's Audio Universe を使ってその部分を補っていたのですが、今度は高域方向の質が足りない感があったのです。
qdcコネクターやFitEarなど、他の規格よりも出回っている数が少ない規格のケーブルは中古で安くなることが多く、今回購入したLuminox Audio Kilowattも、下位グレードのReflection CIEM 2pin用よりも安価だったために購入したものです。
外箱はLuminox Audio共通のもので、以前買った上位製品85-Fliterもこの箱でした。
Kilowattには皮膜がシースルーのものと黒いものとがあり、黒いものは厳密にはKilowatt Jet Blackという製品名となります。
より高価な製品とは差が付くが、バランスはなかなか良い
KilowattはLuminox Audioとしては割合下位の製品で、仕様としてはUPOCC 28AWGの6芯導体を採用しています。Luminox Audio独自のPair Balancing Technologyという構造を採用しているそうですが、正直それほど大層なものとは…。
ジャケットはPVCと明記されていて、特徴のように製品紹介には書かれていますが、普通比較的安価な電線の被膜はほぼPVC一択です。
今回は前述のqdc 3SH SEを使ってSong's Audio Universe(シングルエンド)の組み合わせと聴き比べてみましょう。
今回はケーブルが2.5mm4極バランス仕様ということで、DAPはAstell&Kern A&futura SE100を使います。
ソースは写真にある「Freedom / Journey」や「Born For This Moment / Chicago」を聴きました。
まず、初期状態のUniverseでは比較的中低域がゆったりと出ていて、細身の3SH SEの弱点を補ってくれるという良さはあったのですが、高域方向のヌケが甘く、解像度も不足していました。
それと比べるとKilowattでは低域方向が締まって力感が強くなる分、Universeで出ていたふくよかさのようなものは後退します。どちらが正しいのかといえば間違いなくKilowattの方が正解に近いといえます。
音場の広さも一回り拡大しますが、より明確に変わるのは高域方向の緻密さや質感で、Universeではややレトロっぽさすらあった3SH SE本来の高域の質を取り戻します。同時にqdc製イヤフォンの多くに感じられる高域方向の癖はどうしても出てきますが…。
Kilowattは出荷時の添付ケーブルのバランスを大きく変えることなく、レンジがより広くなり一音ごとのクオリティも向上するという印象で、比較的低価格なケーブルとして正しいアプローチではないかと感じます。バランスが大きく変わらない分、付け替えて「リケーブルしたら音が良くなった」と素直に感じられやすい音といえます。
今回の購入品は中古ですが、ほぼ未使用と思われるコンディションでした。価格もかなり手頃でとても満足度は高かったといえます。
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購入金額
2,480円
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購入日
2023年06月08日
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購入場所
フジヤエービック
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