今までアナログオーディオ周りのアースについては、KOJO Crystal E、SUNSHINE SE25、金井製作所 Konade 01など、仮想アースを色々使い試行錯誤してきました。その甲斐あって、当初よりはかなりノイズを押さえ込めるようになってきて、低電圧のMCカートリッジ、audio-technica AT-ART7なども実用レベルで使えるようになってきました。
ただ、アースに関しては必ずしも強化することがイコール音質の向上に繋がるわけでなく、使いすぎることで響きが減ったり、音の傾向が硬く金属的な方向に振れてしまうこともあります。
実はノイズの低減は十分出来るようになった反面、主に男性ヴォーカルの声がやや響かなくなったかなという気がしていました。気になるほどひどいわけではないのですが、ヴォーカルものを聴いていると前の方がもう少し良かったような?という気になることが時々あったのです。そこで思い当たったのが仮想アースの副作用だったのですが、折角低減できたノイズをまた増やしたくもありません。
仮想アースを使う場合、アースそのものだけではなくアースケーブルによっても音色の変化はあります。そこでアースケーブルの手頃なものがあるといいないと思っていると、丁度audioquest製「SATURN Ground Goody」というアースケーブルの特売品に出くわしました。
これまで使っていたのはSAEC SE-300/1.2、Crystal E添付ケーブル、SE25添付ケーブルでしたが、このうちSE25添付ケーブルは両端が鰐口クリップという構造で一般的なアースケーブルでは代用できませんし、そもそもSUNSHINEの社長曰く「製造元ティグロンからビックリするぐらい高い見積が届いた」という凝ったケーブルですので、これを交換する必要はないでしょう。そこで交換するとなるとSAEC SE-300/1.2かCrystal E添付ケーブルですが、今回はTechnics SL-1200GとCrystal Eの間を結んでいた、Crystal E添付ケーブルをSATURN Ground Goodyに交換することを考え、取り敢えず1つ購入してきました。
実売価格を考えればベストでは
実際に買ってはみたものの、実は私はこのケーブルの素性を全く知りませんでした。帰宅して日本のaudioquest公式サイト(D&Mホールディングス内)を探してみましたが、情報は全く掲載されていません。
そこで米国のaudioquest公式サイトで探してみると、Legacy Productsの中に最低限の情報が掲載されていました。
まず導体は表面の平滑処理を行った銅導体、PSC+(Perfect Surface Copper)で、絶縁体としてFluoro-Polymer Air-Tubeを採用しているとのこと。これは通常のPVC等よりも誘電性能の制振性に優れているそうです。
更に両端のYラグは銀コートされているということで、廉価品ではありますがオーディオグレードの素材と構造はきちんと使われているようです。
シンプルな構造のアース線ではありますが、方向指示がありました。この場合「audioquest」のロゴがある方のYラグをSL-1200Gに、「SATURN」の方のYラグをCrystal Eに接続します。
元々Crystal E添付ケーブルにはよりノイズを遮断できるようにKRYNA製ケーブルインシュレーター、Helca 1を巻いていましたので、これをSATURN Ground Goodyに巻いた上で音を確認してみましょう。丁度数日前に「Born For This Moment / Chicago」をWAV化したばかりですので、アース線を替えた状態でもう一度WAV化して聴き比べてみましょう。
すると、主に中低域の方に少し厚みと柔らかさが感じられるようになりました。当然アースケーブルですからインターコネクトケーブルを交換したときのようなはっきりとした差が表れるわけではありませんが、ニール・ドネルの低音域のヴォーカルで少し声にふくよかさや生っぽさが出てくるようになりました。
意外とあっさり狙った方向の変化が見られましたので、当分はこの状態を動かさずに使っていこうと思います。仮想アースを使うとなかなか音色のコントロールが難しく、半端にいじってしまうと好みの方向から外れてしまうかも知れませんので…。
SATURN Ground Goodyはオーディオグレードのアースケーブルとしてはかなり安価な部類ですが、audioquestらしく使って満足度がある辺りはさすがと思います。
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購入金額
2,530円
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購入日
2023年06月03日
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購入場所
ノジマ オーディオスクエア
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