所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。CDショップやレンタルショップが衰退し、音楽に出会うことが、ネットで、ということが多くなった現在では少なくなくなった、リアル環境で「識らない楽曲を耳にして」購入するという行為。そうした出逢いを、CDショップやCDレンタル屋ではなく、同人誌系ショップで得て購入した作品をご紹介します。
エミルの愛した月夜に第III幻想曲を(Emille's Moonlight Serenade)。ギタリストでコンポーザーのサラ(SARA)と、ヴォーカリスト荊(いばら)の、男女二人の音楽同人サークルでメタルユニット。他の作品はまだよく識らないが、この作品での曲調はドラマチックかつ、ハイスピード。いわゆるスラッシュメタル系で、メタルの様式美ということなのか、ヴァイオリン(音色)を使ったクラシカルな曲調も多い。
cybercatは、同人誌も扱うアニメ・マンガ系ショップの同人音楽コーナーで流れていたのを、偶然聴いて識った。その日はコミケ明けで、店内が激烈に混んでいたためレジが全く進まず(購入店のレイアウトを知っている人なら、レジの列が同人音楽コーナーまで伸びている時点でお察し=店内外周に沿って3/4周)、そのコーナーへの滞在時間が長くなって、まるまる1曲聴けることになり、気に入ったのでCDをそこで拾って連れ帰ってきた。
それが彼らのM3 2022秋の新譜“ビスクドール”。厨二的読ませ方の物語性のある歌詞とドラマチックなメロディの曲、7弦ギターを駆使するサラの覚えやすいリフに、通る荊のヴォーカルが乗って、キャッチーなメタル?になっている(サラの他に、ギターソロは七牟礼一芭(ななむれかずは)とのクレジットがあるが、他楽器はないので、音色からしても打ち込み併用なのだと思うが、結構「ヘヴィメタしてる」)。
曲ともいえないほど短い導入フレーズの「Embalming」に続いて、実質的な1曲目は「Death Dealer」。のっけから超ハイスピードメタル。ヴァイオリンでクラシカルな雰囲気を出しつつ、メロディそのものは、むしろポップでキャッチーな?メタル。通る荊のヴォーカルが気持ちよい。
「Life goes on」。この曲が同人音楽コーナーでかかっていて、惹かれた。基本高速スラッシュなのだが、サビのラインは非常にキャッチーで、ピアノやヴァイオリンだけになる部分もあって、ドラマチックで印象的な構成。そしてピッキングハーモニクスを織り交ぜたハードなリフと、速弾きのギターソロからくる高揚感が良い。
「Bisque Doll」は、チェンバロとヴァイオリンの調べで始まり、どスラッシュというよりは、「エリーゼのために(Für Elise)」をオマージュしたような調べも取り入れた、クラシカルなメタル。いや、ところどころに超ハイスピードスラッシュリズムもあるにはあるのだが...ただ、ヴォーカルは軽やかで、ヘヴィさはなく、可憐さが目立つ感じで、メタル調アイドル曲?っぽい。
この方向の音楽は、音楽をやっていたときに同じサークルのバンドが演奏しているのを聴いたり、助っ人で演奏したりはしたが、あまり「聴き込む」ほどのジャンルではない。ただ、サラの耳に残るメロディーラインと、それを綺麗にまとめて歌う荊のヴォーカルが良くて、印象に残った。
ミュシャ師のジャケットイラストも良い雰囲気だし、少し遡ってみようかな...
ミュシャ先生の描いたジャケットも雰囲気あるな...(手前は特典のポストカード)
【収録曲】
1. Embalming
2. Death Dealer
3. For her
4. Life goes on
5. Bisque Doll
6. Link
「ビスクドール ティザー」
ハイスピードなリズムと、キャッチーな曲、通る荊(いばら)の声が印象的
ポップな部分が感じられるメタル、というのが良い着地点。
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購入金額
2,178円
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購入日
2022年12月29日
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購入場所
メロンブックス
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