先日時間があったので仕事前に立ち寄った店で、叩き売り価格で出ていたものを購入したイヤフォンです。2千円なので惜しげが無いと思い買ったのですが、先日のイヤフォン福袋から出てきたMaestraudio MA910Sに続いてリケーブルに対応しないイヤフォンとなりました。
なお、この価格ではありますがきちんと国内正規代理店(Cayinなどと同じコペックジャパン)を通った品となっています。
一見すると数千円レベルの格安品という印象しか無いのですが、中身は意外としっかりとした構成です。
まずドライバーは口径は記載されていないもののCCAW(Copper Clad Alminium Wire=銅被膜アルミ線)ボイスコイル+バイオセルロースダイアフラムと、そこそここだわったものです。CCAWボイスコイルのドライバーはオーディオテクニカなどがよく使いますね。
またケーブル部は交換こそ出来ないものの銀コート線+TPE皮膜と一定の質は確保されていて、実際に皮膜の良さが発揮されているのかケーブルのタッチノイズはかなり抑えられています。実は代理店の希望小売価格は17,296円(税別)とそこそこの値段だったりするわけですが…。
内容物はイヤフォン本体とイヤーピース各種、ポーチとなります。イヤーピースは大きさだけでは無く材質・形状の違いをつけています。
シェルはかなり小さめで軽く、装着していて疲れをあまり感じないのはメリットとなり得ます。冷静に考えると、カラーリングを変えると昔持っていたharman/kardon AEと何となく似ているような外観です。
私のInstagramページに写真は置いてあるのですが、ちょっと判りにくいですかね…。ご覧になりたい方はharman/kardon AEで画像検索してみてください。
レンジは広くないが、特定の帯域を強調しない素直な音
まだ数時間鳴らした程度ですが、現時点での音質を確認しておきましょう。
DAPはAstell&Kern A&Futura SE100を使います。
まず写真にもある「9.5カラット / 井上陽水」や「Generation Radio / Generation Radio」、「Exlosive / David Garrett」などといった定番、現代的な音の曲として「怪物 from CrosSing / 鬼頭明里」辺りを聴いてみました。
第一印象としては意外と音場が広がり、バランスはニュートラルであるというものです。一般的に比較的安価なイヤフォンでは低域が出ているように見せかけるために狭いレンジの中の一部を妙に強調したり、音の輪郭を際立たせるようなわざとらしいチューニングをするものが多いのですが、GR07 Classicはその辺りの作為的な部分が感じられません。
ただ、決してレンジが広い訳ではなく、低域方向の深さまでは出ませんし、高域方向はハイハットの金属的な質感は出ません。もっとも、格安なイヤフォンで鳴らすのが難しいDavid Garrettのヴァイオリンの質は良好であり、この点には驚かされました。
「Generation Radio」ではジェイソン・シェフのヴォーカルの質はかなり良いと思いますが、ディーン・カストロノヴォが叩くパワー型のドラムの力強さはあまり出ていません。特にバスドラムが軽いのがちょっと残念です。もっとも、低域も量は控えめですが全く出ていないわけでは無く、下手に強調感が強いイヤフォンと比べればこちらの方がトータルで見ればずっとまともな音です。
強いて言えば高域方向の質は明確に落ちますので、「怪物」では全体が安っぽく感じられてしまいます。私が普段聴いているような少し古めのアナログから起こしたようなソースであればさほど弱点が強調されることは無く快適に聴けると思いますが、J-Pop/アニソン系のハイレゾソースなどを聴くとディテールが綺麗とは言いがたいので質が低く感じられてしまう恐れがあります。
個人的には、世間で人気を博している1万円以下の国産ブランドを買うならこちらを選ぶと思うのですが、一般受けするかと言われるとなかなか難しい傾向の音かもしれません。
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購入金額
2,000円
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購入日
2023年02月15日
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購入場所
ビックカメラ
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