普段使いのヘッドフォンとしてSENNHEISER HD650を使うようになってから、HD650に対応するいろいろなヘッドフォンケーブルを使ってきました。
これだけ使ってみての結論として、単純に最も音質面で良いと思ったのはACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HS-S-TripleC-FMでした。ただ、このケーブルは単線と使っているためちょっと不規則な力がかかると簡単に断線してしまうため、あまり普段使いに適しているとはいえず、ここぞというときに使うケーブルになってしまっています。
実用性と音質とのバランスが高次元でまとまっているのはBrise Audio STD001HPで、ここ1年以上はこのケーブルをメインに使ってきました。ただ、1年以上使っているとやはり接触不良が発生してきていて、そろそろ修理に出したいと思うようになりました。そこで修理に出している間に使えそうなケーブルを考えていたところ、たまたま中古品を見かけたSAEC SHC-U320FH650(1.5m)が丁度良いということで、これを入手してみることにしました。
今回購入したのは6.3mm標準フォーンプラグ採用で、1.5m長というものです。6.3mmプラグは金メッキで、HD650専用コネクター側は恐らくACOUSTIC REVIVE製のロジウムメッキでしょう。RHC-2.5HS-S-TripleC-FMのコネクターと外観が全く同じです。
間接音が豊かだが少し大げさな部分も
早速STD001HPと交換して試聴してみます。
今回はUSBケーブルをWIREWORLD Silver Starlight 7に交換してから随分鳴りっぷりが良くなったFOSTEX HP-A8で試聴することにしましょう。
試聴ソースはこの辺りを適当に流しています。
(Generation Radioは実際にはLPから起こしたハイレゾWAVを再生しています)
その他FLAC 192Kの「...Nothing Like The Sun / Sting」や、J-POP系としてFLAC 96Kの「怪物 / 鬼頭明里」辺りも聴いています。
個人的にSAEC製のケーブルというと力感や重量感よりは中域を中心に綺麗な音色にまとめた美音系というイメージがある(それほど沢山聴いている訳では無いのであくまで私の思い込みです)のですが、このケーブルに関しても基本的になそのような傾向です。
RHC-2.5HS-S-TripleC-FMと同じPC-TripleC導体で、ヘッドフォン側のコネクターも同じではあるのですが、音の傾向も似ているのかというとそうでもありません。
SHC-U320FH650も意外と低域方向の重量感は出ているのですが、コネクターのロジウムメッキがある程度音色に乗っていて高域方向の煌びやかさが強めに出ます。残響音やエコーのような成分は強めに出る一方で、ヴォーカルやヴァイオリンなど中心に来る音の存在感が少しだけ薄めに感じられる部分があります。この辺りは以前試聴会で聴いたSAECらしさに通じている部分です。
クラシック系の音であればSTD001HPよりも格調高そうにきこえる一方で、Generation Radioのようなハードロック的な音作りでは少し派手すぎるかなと思う部分があります。まあ、ごく僅かな部分ですので意識しなければ気にならない程度だとは思いますが。
それでも本来3万円台のケーブルであるだけに、価格なりの実力の高さは十分に感じ取ることは出来ます。少なくともSTD001HPの修理が終わるまで満足して使うことが出来るケーブルです。STD001HPが戻ってきた後はメイン機のHD6XXから、サブ扱いとしている以前から使い続けているHD650へと移動させる予定です。
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購入金額
9,980円
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購入日
2022年12月24日
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購入場所
フジヤエービック
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