レビューメディア「ジグソー」

「音に全振り」の成功例

以前オーディオアクセサリーメーカーTIGLONが設計と製造、同じくオーディオアクセサリーメーカーのサンシャインが企画・販売したRCAインターコネクトケーブル、SRC-Reference 1.0を紹介しました。

 

 

 

 

 

 

このケーブルは購入価格で約1万円と、オーディオ用ケーブルとしては入門という価格帯でありながら、色づけを感じさせない鮮度の高い音が出てくる製品でした。このケーブルに同じくサンシャイン(こちらも設計・製造はTIGLON)のケーブルインシュレーター、Spiral Exciterを巻いた組み合わせはなかなか満足度が高く、一時期はTechnics SL-1200GとPhasemation EA-200の間で使っていました。

 

 

 

 

 

 

SRC-Reference 1.0はノンシールドケーブルですから、本当は微弱な信号を扱うフォノケーブルには適さないのですが、Spiral Exciterを併用することで一般的なシールド有りのケーブルと遜色ない使い勝手が確保出来ていたためです。もっとも、現在は純銀導体+DBS搭載のaudioquest Cheetahに入れ替えてしまいましたが。こちらの方が私がアナログに求めたヴォーカルの質感が良かったというのがその理由です。

 

 

 

 

 

 

 

 

それでもSRC-Reference 1.0は購入価格約1万円のケーブルとしては圧倒的に満足度が高い製品であったことに疑う余地はありません。そのSRC-Referenceを大幅にグレードアップしたという新製品SRC-GRANDEが登場するということで、大いに期待していました。

 

とはいえ、今回は価格もそこそこ上がっていますし、予約開始時点での購入申し込みはしませんでした。試聴イベントで実際に聴いて判断しようと考えたのです。その試聴イベントについてはサンシャインの進藤社長がブログで説明されていますので、そちらをご覧下さい。

 

私は実は1回目の最前列で聴いていたため、立ち見の方に遠慮して2回目には参加しなかったのですが、2回目の方がより突っ込んだ内容で面白かったようです。

 

ただ、1回目で比較対象となった6万円台の他社製品とSRC-GRANDEについては、進藤社長が書かれている以上の歴然とした差が感じられました。他社製品もそれだけ聴いていれば全く悪くないと思ったのですが、SRC-GRANDEと比較すれば音場は狭く鮮度も無い、実につまらない音に聞こえてしまったのです。ここまではっきりと結果で語られてしまうと疑う余地はありません。イベント終わりにSRC-GRANDE 1.0を買って帰ることになりました。

 

 

 

 

 

 

 

更新: 2022/11/30
総評

オーディオ的な性能はこの価格帯では得がたいもの

まず外観だけを見てみると、前作SRC-Reference 1.0と大きな差はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「H.S.E Grande」という文字が無ければSRC-Reference 1.0と見分けは付かないかも知れません。

 

本来ならSRC-Reference 1.0と比較試聴すれば判りやすいのですが、現在SRC-Reference 1.0はCDプレイヤー(NEC CD-10)とプリメインアンプ(SANSUI AU-α707DR)の間で使っていて、はっきり言ってしまえば外すのが面倒です。そこで先日取り上げたCARDAS AUDIO CROSSLINK IC RCAと比較してみることにしました。というよりCROSSLINK IC RCAはここで基準にするために取り上げておいた訳です。

 

 

 

 

 

 

 

 

最近RCAインターコネクトケーブルの試聴に使っている方法は、CHORD Hugoのライン出力とCayin HA-1Aの入力を結んで、Massdrop×SENNHEISER HD6XXで試聴するというものですので、今回もその方法で聴いてみることにします。ソースはメイン機のWindows PCからAudirvana Originで再生して送り出しています。ソースは最近レコードから取り込んだ楽曲をいくつか選んで聴いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CARDAS CROSSLINK IC RCAも結構「聴かせる」ケーブルであることは再認識しましたが、やはりオーディオ的な性能が全く違います。SRC-GRANDEは音場の広がりを妨げる要素が全く無く、あるべき広さに広がっていきます。そして解像度の高さが素晴らしく細かい音の再現性も良好でありながら、ヴォーカルや楽器の質感もきちんと生々しさを保っています。

 

「Separate Lives / Phil Collins & Marilyn Martin」の冒頭でフィル・コリンズの声を聴くと、CROSSLINK IC RCAでは声の質感だけなら良いものの、エコーの消え方が不明瞭でした。SRC-GRANDEで同じ部分を聴くと、まずエコーの響きが圧倒的に豊かで、空間の隅々まで響き渡ります。そしてその響きが最後に消えるところまで全てが鮮明に描ききられています。

 

「Lucy / David Paich」ではハイハットの表現の微細さが比較にならないほどに違っていました。CROSSLINK IC RCAでは単調に刻まれているだけに感じられる部分が、SRC-GRANDEでは音を構成する要素の全てを克明に描写してみせます。先代のSRC-Reference 1.0も十分に質の良いケーブルでしたが、他社製品と比較してもここまでの次元の違いは感じられませんでしたので、それだけSRC-GRANDEの進化は大きなものなのでしょう。

 

 

試聴会で進藤社長に質問してみたところ、現在供給は止まっているもののSpiral Exciterを併用する効果はかなり大きいので、今持っているようであれば組み合わせて使うことを強くお勧めするとのことでした。私も時間に余裕があればSpiral Exciterを巻いてから再度聴いてみたいと思います。ただ、単体で使っただけでもSRC-GRANDEの実力の高さは素晴らしいものと感じられます。

  • 購入金額

    19,660円

  • 購入日

    2022年11月11日

  • 購入場所

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