以前、シャープが液晶製造向けのクリーンルームを活用して生産する、通称「シャープマスク」を取り上げました。
これは当時不織布マスクが壊滅的に供給されない状況の中で、極めて短期間に製造・供給を始めたことで人気が殺到し、一時期は購入希望者の抽選への応募数が倍率100倍超えというほどの人気を博しました。鴻海による買収でトップダウン体制で意思決定出来る利点を活かした、シャープならではの製品といえました。
それから約半年後、不織布マスクの供給がそこそこ回復した後で同じように自社のクリーンルームを活かしてマスクの生産を始めたのがパナソニックでした。パナソニックの旧社名は松下電器産業。昭和には他社のアイディアを真似して製品開発し、それを強力な販売網と大量生産によるコストダウンで安価に供給してシェアを握るということを度々していて「マネシタ電器」と揶揄されることも多かった会社です。こういうのも何ですが、このマスクを見て私が最初に思ったのは、久々に「マネシタ電器復活か」でした。
購入希望者が多い間は、希望者に対して抽選販売を続けたシャープに対して、パナソニックは先着販売としたことから、発売当初は購入希望者が殺到する事態となりましたが、これもそう長い期間ではなく、しばらく待てば容易に購入出来るようになりました。それでも在庫が余るようになったのか、結局販売開始から1年少々の2022年3月に販売完了となっています。
私は2月に受け取ったパナソニックストアのメールマガジンで生産完了を知り、一度くらいは使ってみようと思い本製品を買っておきました。その後長らく放置していたのですが、買い置きしておいた格安の不織布マスクを使い切ったことから、いい加減使おうと思い開封してみましたので、簡単になりますが紹介しておきます。
このマスクは基本的にパナソニックの直販サイト「Panasonic Store Plus」のみでの取り扱いとなっていましたが、所謂「パナソニックのお店」で取り扱うことも可能だったようで、そのような販売店がYahoo!ショッピング等で販売していることもありました。まあ、直販であれば送料無料でした(Panasonic Store Plus登録会員の場合)し、敢えて他で買うメリットはなかったと思いますが…。
シャープマスクをよく研究していることが窺える
中身のマスクについても触れておきましょう。
一箱50枚入りというのはシャープのMA-1050、MA-2050と同様ですが、25枚ずつに分割されて収納されているシャープマスクとは異なり、50枚が一袋に収められています。
メーカーロゴが正面から正しく見えるように装着するなど、基本の発想は清々しいまでにシャープマスクと同じです。ただ、シャープMA-1050の初期ロットで不評だったヒモの細さを改善していたり、シャープよりも不織布部分が薄く酸素の通りが良いという辺りに、後発品らしい改良の跡が見て取れます。この辺りは「マネシタ電器」の本領発揮と思ってしまいました。
装着したときの息苦しさはシャープや他の格安品よりも少ないのは明らかですが、何となく装着していて窮屈感はあります。まあ、その分顔への密着度が高いという意味なのだと思いますが。
パナソニックマスクは既に入手困難となっていますが、仮に現在も供給が続いていたとして、積極的に選択するメリットがあるかといわれれば、なかなか難しいところです。私の購入価格は生産完了後に値下げされたものであるため、シャープマスクと大差はないのですが、それ以前の価格はシャープよりも高価で、改良されていることは理解出来てもその差額を払う価値があったかといわれると、何ともいえません。
何よりも最もマスクが手に入らなかった時期に素早く製品を投入出来たシャープと、半年以上遅れて投入したパナソニックとでは、残念ながら印象が大きく異なります。初期のシャープマスクはヒモの細さなど弱点もあったのですが、製造を続けながら改良もされていますし、敢えて選ぶべき理由がなかったのがパナソニックマスクだったのかなという気がします。
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購入金額
2,591円
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購入日
2022年02月18日
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購入場所
Panasonic Store Plus
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