レビューメディア「ジグソー」

’80年代の良さを現代に再現するバンド

以前、元シカゴのベーシスト/ヴォーカリスト、ジェイソン・シェフの充実したソロアルバムを紹介しましたが、本作のバンド「Generation Radio」は、その作品から発展して誕生したともいえるバンドです。

 

 

 

 

 

 

上掲の「Here I Am」日本盤にボーナス・トラックとして収録された楽曲「The Memory Survives」が、実はGeneration Radioのお披露目音源となっていました。

 

ジェイソン・シェフのソロ活動からの発展型であるバンドだけに、プロジェクトの中心となるのはジェイソン自身と、「Here I Am」でプロデューサーを務めたジェイ・ディマーカス(元ラスカル・フラッツ)となります。

 

 

 

 

 

 

バンドが形作られる過程で、DVによる収監でジャーニーを解雇されていたドラマー、ディーン・カストロノヴォも加わり、元シカゴ、元ラスカル・フラッツ、元ジャーニーという豪華な顔ぶれが並ぶことになります。

 

 

 

 

 

ここにギタリストとして、セッション界で活躍するクリス・ロドリゲス、トム・ヤンクトンの2人が加わり、バンドメンバーが一通り揃う形となります。

 

彼らの共通するコンセプトとなっていたのは、「80年代の楽曲の良さを現在に再び取り戻す」というものでした。元々コンスタントにライブ活動を行っていましたが、そこでは主にメンバーがかつて所属したシカゴやジャーニーの楽曲も多く演奏されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のアルバムは基本的にオリジナル曲でまとめられています(一部セルフ・カバー等あり)が、これらヒット曲と並んで違和感のない仕上がりを目指していると思われる出来となっています。

 

彼らは全員がリード・ヴォーカルを担当できるというバンドであり、楽曲によりその表情が随分変わってくるのですが、80年代の発展系といわれてしっくりとくる内容であるのは確かです。

更新: 2022/08/16
総評

シカゴにすら用意されていない日本独自盤

実は本作はLP(輸入盤)も同時発売の予定となっていて、私は当初そちらを購入予定でした。

 

しかしLPの方は発売延期となってしまい、結果的に最も早く店頭に並んだのは日本盤のCDでした。そこで急遽国内盤CDを発売から2日後に注文して入手しています。LPは届いたらCDと聴き比べてみるつもりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近年の洋楽CDでさほど枚数が見込めないものについては、輸入盤に国内仕様の帯やシールを付けただけというものも見られるのですが、本作はきちんと日本独自盤がプレスされていて、日本独自のボーナス・トラックも用意されています。

 

 

 

 

 

 

 

収録曲は次の通りです。

 

 

  1. Why Are You Calling Me Now?
  2. Angels
  3. All Night To Get There
  4. I Hope You Find It
  5. Time To Let It Go
  6. Lights Go Out In Paradise
  7. Don't Go
  8. Smoking
  9. Anything But Us
10. Waiting On Your Sunshine
11. Finally Got It Right
12. Will You Still Love Me? [Bonus Track]

 

 

最後に収録されるシカゴのヒット曲のカバー「Will You Still Love Me?」は日本盤のボーナス・トラックとなります。

 

 

楽曲に関しては、ジェイソン・シェフのソロ的なアプローチもあれば、ラスカル・フラッツ調もあったり、意外とハードロック系の楽曲もあるなど「80年代の洋楽チャートってこんな感じだったな」というイメージの曲が全体を通して並んでいるという印象です。試聴映像があるものを紹介しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、このデビュー作が発売となる前に、ドラマーのディーン・カストロノヴォがジャーニーに再招集を受けたことで、早くもメンバーチェンジが発生してしまいました。後任にはトム・ペティ&ハート・ブレーカーズ等で活躍したスティーヴ・フェローニが既に加入しているとのことですが、ディーンはパワフルなドラムも勿論ですが、ジャーニーのライブでもかつてスティーヴ・ペリーが歌っていた一部楽曲の歌唱を任されるほどの歌の巧さが持ち味でしたので、強力な武器を早くも一つ失う結果となってしまったのは若干の不安材料です。

 

それでも、ラスカル・フラッツで多くのメロディアスな楽曲を生み出したジェイ・ディマーカスを筆頭に作曲能力も優れた面々ですので、早くも次作以降が楽しみなバンドであることは間違いありません。

 

 

最後に日本盤に添付されている解説についてですが・・・。

 

 

 

 

 

 

どうしてもこの解説は「ジェイ・ディマーカスが『シカゴXXX』のプロデュースを担当した」という点を軸に書いているためなのかもしれませんが「Will You Still Love Me?」を「シカゴXXX」収録などとかなり初歩的なミスをしてしまっていることが気になります。この曲はジェイソンがシカゴに初参加した「シカゴ 18」収録であり、当時ジェイ・ディマーカスはプロのキャリアをスタートすらしていませんでしたので、念のため触れておきます。

 

 

 

 

  • 購入金額

    2,970円

  • 購入日

    2022年08月08日

  • 購入場所

    楽天ブックス

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