先日入手したカートリッジ、SHURE V15 typeIIIと組み合わせたこのシェルリード線ですが、実はそのV15 typeIIIを買う前に発注していました。
今回購入したV15 typeIIIは2個目の個体であり、最初に入手したV15 typeIIIにはKS-Remasta製KS-VWS-1024Nというビンテージワイヤーを採用した製品を組み合わせていました。
当初は、なかなか使う機会が無いV15 typeIIIを活用するために、シェルリード線を交換して少し傾向を替えてみようと思っていたのです。
しかし、2個目のV15 typeIIIはaudio-technica製ヘッドシェルAT-LT13aに取り付けられていて、シェルリードもAT-LT13a標準添付品がそのまま使われていました。標準添付品は言い方は悪いのですが、取り敢えず普通に音が出るだけという水準のものであり、カートリッジの音質を語るのであれば交換は必須となります。
ということで、1個目のKS-VWS-1024Nはそのままにしておき、新たに入手したV15 typeIIIとAR-LW-RS1を組み合わせることにしたわけです。
Analog Relaxはズートコミュニケーションという企業のブランドですが、実はここのシェルリード線は全てKS-Remastaが製造していて、今回購入したAR-LW-RS1はWestern Electronic製エナメル皮膜の単線(AWG22)ですから、KS-VWS-1024N(Western Electronic製AWG24エナメル皮膜単線)と基本的な傾向はそれほど違っていないことになります。導体の断面積と使っているハンダが違いますので、多少音色に違いはありそうですが。
KS-Remastaブランドとの大きな違いはこちらで、きちんと図解入りの取り付け手順書が同梱されています。何度か取り付けを経験すれば不要ですが、初心者の方であればこれは有難い配慮でしょう。
製品本体を見ると、いつも見慣れたKS-Remasta製であることが理解できる造りです。
オールドロックにマッチする音色
早速ですが、AT-LT13aの標準添付品を取り外し、AR-LW-RS1に交換してしまいましょう。
緑(右chの -極)の巻き方をミスってしまったのですが、硬い単線を何度も曲げ直すのは危険なので無理矢理取り付けている関係上、ちょっと見栄えが悪くなってしまいました…。
試聴はV15 typeIIIの標準装着針であるVN35MRの動作確認を兼ねていたため、レコードが傷んでもダメージが無いよう、格安入手品のレコードを使って行いました。「The Secret of Association / Paul Young」のオランダ盤で、主にA面2曲目収録の「Everytime You Go Away」とその前後を聴いています。
AT-LT13a標準添付品と一聴して違いが表れるのが、低域方向の密度感です。AR-LW-RS1に交換した途端に低域~中低域の情報量が一気に濃くなり、音場が広がった上に密度も濃くなるというあまりにも明確なグレードアップが体感出来ます。
高域方向は透明度などでそれほど大きな違いは見られないものの、ハイハットの叩いた瞬間の頭の部分のキレがかなり向上します。他の帯域も含めて、一音ごとのタッチが明瞭に表現されるようになります。この一音ごとのタッチが強く表現されるのは、KS-VWS-1024Nも同様でした。ビンテージワイヤーを使った製品ではこの傾向が見られることが多いようです。
まだ実際に比較はしていませんが、「Hotel California / Eagles」のような傾向の曲ではこの製品の音色が特に活かされそうです。
反面、現代的な素材を使った製品と比べると、このクラスのビンテージワイヤーはややレンジが狭めに感じられる傾向はあります。V15 typeIIIは元々そこまでワイドレンジな製品ではないので良いのですが、メインカートリッジのaudio-technica AT-OC9/IIIなどでは少しナローな印象を受けることはあります。
V15 typeIII向けの交換針は手元のバリエーションが結構増えてきましたので、ボディーが複数使えるようになったことで針の活用もしやすくなりました。そのうちヘッドシェルなど条件を揃えて、比較試聴をしやすくするのも良いかと考えています。
-
購入金額
5,500円
-
購入日
2022年06月17日
-
購入場所
OTAI AUDIO
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。