結構前から使っていたのですが、何となく取り上げるタイミングを逸していたイヤフォンケーブルです。これまで比較的廉価な品ではありますが、多く愛用してきたBrise Audio製品となります。
これ以外にもヘッドフォンケーブルや未掲載のものもまだあります。
Brise Audio製のイヤフォンケーブルの特徴は、UPG001は僅かに暖色系、STR7-Stdはやや中高域寄りと傾向はあるものの、あまり極端な色付けはなくオーディオ的な性能の高い製品が殆どということです。そのため、福袋ケーブル(同社のローエンドflex001SE相当)は敢えて特定のイヤフォンと組み合わせず、新しいイヤフォンを入手したときの試聴用ケーブルにすることが多いほどです。
ただ、各種のイベント等でBrise Audioの上位製品を試聴すると、普段自分が使っている廉価製品とは明らかに格が違う音が出てきます。いつかはより上位のケーブルを買おうと思っていたところに、たまたま出くわしたのがBrise Audioとしては中位製品となるASUHAの前世代製品が処分されていたものです。
私が主に使うCIEM 2pin用では、4.4mm5極は売り切れていたものの、2.5mm4極であれば在庫がありましたので、こちらを購入しました。
既存のUPG001よりはいくらかマシなものの、やはり太くて取り回しが悪いという同社製品らしさが感じられます。
2.5mmコネクターそのものは、STR7辺りと特に変わりないように見えます。
イヤフォン側のコネクターは素材などが明らかに今まで使ったものとは違っています。この辺りの詳細はあまり説明されていませんが、1グレード上がっているものとみて良さそうです。
ケーブルの途中に「ASUHA」と書かれたチューブが被せられています。導体そのものもSTR7-StdやUPG001よりは明らかに太く、いかにも上位製品という佇まいではあります。
情報量が増え、間接音の表現力が高い
購入後しばらくから、つい先日までは、Unique Melody MAVERICKと組み合わせて使っていました。
何しろ手持ちで最も高価なケーブルですので、普段からメイン級で使っているイヤフォンである、64AUDIO U4とMAVERICKを中心に試聴した結果、MAVERICKで使っていたわけです。
MAVERICKではASUHAの前にはSTR7-Stdを組み合わせていましたが、STR7-Stdではやや音場の密度が薄く感じられていた部分が綺麗に解消していて、まだ低域の解像度が格段に向上したことからMAVERICKとしてはHi-Fi方向に振れた感がありました。とはいえヴォーカルや楽器の質感も水準が高く、決して味気ないモニター調の音というわけでもありません。この辺りはBrise Audioらしい基本性能の高さを感じます。
ただ、実は先日MAVERICKのケーブルはASUHAを外し、新たに入手したケーブルに交換してしまいました。MAVERICKとより素晴らしい相性を示したケーブルがあったためで、現時点ではMAVERICKの後にSTR7-Stdを組み合わせていたUnique Melody Mini MESTへとASUHAを移動させています。
STR7-StdもASUHAも2.5mm4極バランスモデルということで、試聴用のDAPはAstell&Kern A&Futura SE100としています。
Mini MESTは骨伝導ドライバーを搭載しているため、装着の僅かなずれで聞こえ方が極端に変わってしまい、ケーブルの試聴にはあまり適してはいないのですが、基本的にはMAVERICKと同じような違いが聴き取れました。特にベースラインの明瞭度はSTR7-Stdよりも格段に向上していますし、エコー成分の消える瞬間まできちんと表現しきるだけの表現力や情報量も素晴らしいものです。
組み合わせの相性に特に厳しい64AUDIO U4だけはあまりしっくりきませんでしたが、それ以外の組み合わせでは大体どのイヤフォンでもASUHAの基本性能の高さは十分に感じられました。
ギリギリ持ち歩ける程度。決して取り回しが良くはない
Brise Audio製品はクラスが上がるほど取り回しが悪くなる傾向があるのですが、ASUHAはミドルクラスであるだけに、今まで使った製品の中ではやはり最も悪くなります。
無理がない程度に丸めて、ギリギリ普段使っているVision Ears製のイヤフォンケースに収まる程度であり、持ち歩ける限界といえる使い勝手です。
また、ある程度の頻度で以前取り上げたCABLE SMOOTHERでのメンテナンスも行わないと、この取り回しが更に悪くなるので要注意です。
使い勝手の悪さを理解した上で、なお使いたくなる魅力
元々ASUHAは5万円弱クラスのケーブルであり、その価格に見合うだけの実力は十分に示してくれています。元々STR7-Stdを使っていたところの置き換えで使うことが多かったわけですが、STR7-Std比では間違いなく1クラス上の音は出てきていますので。
ただ、比較的大柄なイヤフォンケースでギリギリ収まる程度という取り回しの悪さは、使い勝手を少なからず損なっていることは間違いなく、音質と使い勝手の両立がいかに難しいかを示してしまっています。
それでも使いたくなる音をきちんと出している辺りは、さすがにBrise Audioというところでしょうか。
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購入金額
29,800円
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購入日
2022年04月23日
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購入場所
フジヤAVIC
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