声優歌手として第一人者と呼べる存在の水樹奈々が、2001年にリリースしたファーストアルバムを20周年記念で予約分のみ生産という形でアナログレコード化したものです。
現時点においては国内のレコード会社の中でも最もアナログに関するノウハウを蓄積しているキングレコードから発売されるということで、ある程度オーディオ的な興味も手伝って購入してみました。
今年1月の初旬に購入受付が開始され、1月23日までに受け付けた分(数量上限に達した場合にはその時点で終了)が生産されるという形でした。たまたまWeb上のニュースで受付開始を知り、以前同様に発売された12インチシングル「想い」を買い逃していましたので、記事を見た時点で即注文しておいたところ、無事購入できました。
実際にレコードが手元に届くのは3月上旬とされていましたが、私の場合は3月3日には受け取っていますので、遅延などもなく予定通りに生産されたようです。
収録曲は以下の通りです。
Side A
01.Love's Wonderland
02.The place of happiness
03.supersonic girl
Side B
04.Heaven Knows ~Brave edit~
05.想い ~Pedigreed mix~
06.LOOK AWAY ~All together version~
Side C
07.TRANSMIGRATION
08.LOOKING ON THE MOON
09.真冬の観覧車
Side D
10.NANA色のように ~Special album version~
11.水中の青空
12.WINDOW OF HEART
意外と良心的といえるのは、全12曲の52:02という収録時間であり、無理をすればLP1枚でも収めることは出来たはずなのですが、きちんと2枚組として溝の幅も広めにカッティングされているということです。この辺りはアナログ盤に強い会社らしい発想だと思います。
楽曲も音質もばらつきは大きいが、当時から抜群の巧さ
実は今日ですが、audio-technicaから新発売となったMCカートリッジ、AT-ART20の試聴イベントに行ってきたのですが、他のお客さんがいない時間帯があったので、その時間帯に持参したレコードを何枚か再生してみました。
基本的には普段から試聴に使っているスティング、ジャック・ルーシエ、デイヴィッド・ギャレット等のレコードを聴いていたのですが、ちょっとした思いつきでこのレコードも持参していたので、本作の中から6曲目の「LOOK AWAY ~All together version~」を再生してみました。
はっきり言ってしまえば、この時代の水樹奈々の作品は制作費がさほどかかっておらず、オーディオ的には割合シンプルに仕上げられています。
それだけに打ち込み中心の楽曲では露骨に音が安っぽくなったりするのですが、この曲はアコースティック調でまとめられていて、それぞれの音が意外としっかりとした質で収録されているので敢えて高級オーディオで聴いてみたわけです。
AT-ART20はこの曲のヴォーカルの子音の細かいところまで、実に見事に再生してくれました。この曲の水準であればオーディオの試聴にも耐えられることが再確認出来たということです。普段は当然自分の環境で、主にAT-OC9/IIIを使って聴いているわけですが、それと比べても細かなニュアンスが表現されていたと思います。
そして、20年以上前のデビュー作ではあるのですが、当時から水樹奈々の歌手としての実力が高かったことも改めて実感できます。今と比べれば少し声が細く、また特徴的なビブラートも抑えられてはいるのですが、一つ一つの言葉の細かなニュアンスまで、きちんと制御しきって歌っていることがはっきりとわかります。一般的にみられるアイドル的な歌手のデビュー作とは明らかに歌の技術のレベルが違っています。
収録曲の一部は今でもライブで頻繁に披露されるものもあるなど、歌手としての原点が詰まっています。全ての楽曲というわけにはいきませんがオーディオ的にも見所があり、敢えてアナログ盤で買った価値は十分に感じられました。
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購入金額
4,290円
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購入日
2022年03月03日
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購入場所
キンクリ堂
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