レビューメディア「ジグソー」

イヤフォンもiBassoのトーンを感じる

週末に秋葉原のeイヤホンで開催された「アキバだョ!リケーブルメーカー大集合試聴会!」という、イヤフォン用のケーブルだけを集めた試聴会に参加したのですが、その会場を出た後で某所で特売品の噂を目にして新宿まで足を伸ばしてきました。そこで見つけた戦利品の一つがこちらのイヤフォン、iBasso Audio IT04です。

 

元々発売時には6万円前後、海外では$500近辺の製品として紹介されていて、これは私が所有する製品ではJH Audio Michelleに近いクラスとなります。それが写真の価格より更に値下げされていたということで、思わず買ってしまったわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IT04はその型番から判るようにドライバーを4基搭載しています。内訳はKnowles製BAドライバー×3+10mm径グラフェン振動板ダイナミックドライバー×1となります。

 

このクラスですので当然リケーブルに対応していて、端子形状はMMCXとなります。添付ケーブルは単品販売(直販価格$99)もされているCB12sという製品で、6NOCC+銀メッキOFCのハイブリッドとのことです。ただ、このケーブルは質感はいわゆる中華ケーブルという感じで、それほど高級感は感じられません。また、本体接続側のプラグ形状は2.5mm4極バランスであり、汎用性という意味では4.4mmプラグ採用製品が増えた今となっては少しマイナスです。もっとも、同一線材を用いた3.5mmシングルエンド - 2.5mm4極バランス変換ケーブルが添付されていますが。

 

 

 

 

 

 

 

イヤーピースは妙に細かくバリエーションが用意されていますが、今回は出荷時装着品をそのまま使って試聴しました。

 

 

 

 

 

 

 

それでは、いよいよイヤフォン本体を見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シェルは結構大きめですが、カスタムIEMに近い形状となっていて、装着感は思いのほか良好です。

 

 

 

 

 

 

 

フェイスプレートも結構凝ったものですし、成型精度も悪くはないのですが、個人的な感覚では5万円オーバークラスというほどの高級感は感じられません。3万円クラスよりは少し良さそうというところでしょうか。

 

 

更新: 2022/03/15
音質

薄口で端正なバランス

それでは音質の方にも触れていきましょう。

 

今回は箱出しから丸1日、リスニング時より少し大きめの音量でHiBy R6に繋いで音を出し続けてから、Cayin N6iiで音質をチェックしました。箱出し直後は低域が薄く、高域方向も刺さり気味だったのですが、丸1日経過してそれなりに落ち着いてきたのでは無いかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、Cayin N6iiのバランス出力端子は4.4mm5極であるため、変換ケーブルにはBrise Audio STR7-CONV相当品を組み合わせています。

 

 

 

 

 

 

 

試聴ソースは写真の「CWF I / Champlin Williams Friestedt」や「The Nightfly / Donald Fagen」、「Explosive / David Garrett」、「Ten Summoner's Tales / Sting」など、普段聴いているソースです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基本的なトーンとしては、割合フラット傾向ながら1~4KHz辺りの目立つ高域が少し強調されているもので、エネルギーバランスは高域寄りと感じられるでしょう。わざとらしい低域の強調感が感じられない辺りは好印象です。

 

低域は量は程々ですが締まってダンピングが利いたもので、質は高いといえるでしょう。帯域としてはかなり低い方まできちんと出ていますので、強調感は無くても沈み込みのような感覚はきちんと表現されています。

 

音場はそこそこ広いのですが、価格帯が近いJH Audio Michelleと比べると密度はやや薄くなるでしょうか。空間の明瞭度が高く解像度も出ているので、明るく爽やかという印象を受けるのではないでしょうか。

 

ただ、いかにもiBasso Audioらしいと思ったのは、どうしてもヴォーカルのような中心に来る音がやや引っ込むというか、存在感がやや薄く感じられるということで、実はこの傾向は同社製のDAPでもクラスに関係なく感じられるものなのです。聴いていて「これはiBassoの音だなぁ」と妙に感心してしまいました。普段64AUDIO U4やUnique Melody Mini MESTなど、そこそこヴォーカル帯域の密度が濃いイヤフォンを常用しているので、この少しだけの薄さが妙に気になってしまうのかも知れません。ロック系の楽曲では少しスネアドラムが下がりすぎているかなと感じられることもあります。

 

その点を除けばヴァイオリンやピアノなどの質感もそこそこ出ていますし、5万円前後クラスとしてはよくまとまった音を出していて十分に評価できるだけの実力を感じさせます。

 

リケーブルの端子形状がMMCXであり、標準添付品よりも上のクラスのケーブルはORB Clear Force MMCX Ver.2程度しか持っておらず、リケーブルによってどのように変化するかは触れることが出来ませんが、今回の販売価格を考えれば文句ないものと評価して良いでしょう。

 

  • 購入金額

    13,320円

  • 購入日

    2022年03月13日

  • 購入場所

    ビックロ

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