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ラジオモンスター?あやちゃんの源流を探る旅

「芋づる式洲崎綾 Part9」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連レビュー。年末(12月)といえばあやちゃんのバースデイがあるということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲や書籍、イベントグッズなど、幅広く芋づる式におよそ一ヶ月にわたりご紹介するシリーズレビュー、9回目のついにラストぉ!

 

そして、本の蟲。
実は結構読書家で、特に若い頃は乱読しました。
ジャンル的にはSF~ファンタジー~ミステリなどからコミックまでイロイロ。
3桁では収まらない蔵書の中からトピックをご紹介していきます。

 

cybercatが、あやちゃんを声優として推すのは、歌声が好きなのと、演技が好きというのが二大理由なのだけれど、そもそもあやちゃんに注目するようになったのは、ラジオ洲崎西がきっかけ。

 

今では伝説ともなっている、ニコ動にイラストレーターさきの新月さんが投稿した、イラスト付きラジオダイジェストを観たのが運の尽き始まりだった。

 

そこから「洲崎西」を聴き始め、そのおもしろいキャラクターであやちゃん本人そのものに興味が出て、その後歌でヤラレ、演技に惚れた...という感じ。

 

なので、自分にとってあやちゃんの原点はラジオ。

 

そのラジオだが、あやちゃんは洲崎西以外も結構担当していて、2021年末現在

洲崎西:毎週水曜(火曜深夜)1:00~

洲崎綾の7.6(ナナロク):第1、第3火曜 22:00~

洲崎綾の「手づくる」ラジオ:金曜 21:00~

 (隔週で会員専用の『ごえもんの「手づくる」ラジオ』と交互配信)

天津向のためになるらじお(アシスタント):隔週木曜 19:00~

が定期配信されているラジオ。

 

いずれもキャララジオでないのが特徴だ。

 

もちろんキャララジオも、たとえばデレマスの「新田美波」として出演する「デレラジ☆」などもあるが、非キャララジオの上記4番組が比較的長く続いているのがポイント。

 

半分有料なので、かなりコアなファン向けの「手づくる」や、作品感想やイベント感想など半分はまじめな感じの「ナナロク」、メインパーソナリティではないので「あそび」がある「ためらじ」、そして仲の良い西明日香との赤裸々ぶっちゃけぶりが面白い「ザキニシ」。

 

いずれも違った面白さがあるが、基本あやちゃんはラジオ(トーク)が上手い。

 

話題の選択の上手さや、ネタとなる自身の経験の豊富なストック、ザキニシのようにぶっ飛んだトークから、教育学部出身だけあって、まじめな相談メールへの返しまでのトークのふり幅の広さなどもあるが、なによりすごいのはゲストやパーソナリティ相方への懐への飛び込み方。それにより、相手の表層的な受け答えではない、深いレスポンスが引き出されるわけ。

 

一部では「ラジオモンスター」の異名を持つあやちゃんの、ラジオの原点はどこなのか。

 

それはかつて自分が担当したラジオなどで、十分語られているが、声優になるきっかけとなった憧れの声優が、めぐさんこと林原めぐみで、彼女のラジオに魅せられ、現在のようにRadikoによるインターネット中継もない時代に、郷里石川から電波を探して、めぐさんの「林原めぐみのTokyo Boogie Night(TBSラジオ)」や「林原めぐみのHeartful Station(ラジオ関西)」などを聴いたこと。そこで触れためぐさんのひとがらに惹かれ、そもそもめぐさんのラジオがなければ声優を目指さなかったと言うほど。

 

そのあたりのラジオに対する想いや、現在のラジオでのテクニック(準備、と言った方が良いか)に関すること、コロナ禍で苦労したこと、今後ラジオでやってみたいことなどが幅広くインタビューで引き出されている記事が載っているのが、「別冊声優ラジオの時間 ラジオ偏愛声優読本」。

「偏愛」にリキが入っている
偏愛」にリキが入っている

 

これは、「声優ラジオの時間」や「芸人ラジオ」、「お笑いラジオの時間」を手がける編集者村上謙三久が発行した別冊。これより前にも、「伊福部崇のラジオのラジオ」(=伊福部崇はラジオ放送作家であやちゃんの旦那さん)を「声優ラジオの時間」別冊としてリリースしている。

 

□■□■□

 

「ラジオ偏愛声優読本」と、偏愛の部分が色違いの別フォントになっているように、ここがこの本のポイント。中で取り上げられている多くは、ラジオパーソナリティをしている声優だが、それと同時にラジオが大好きな、ラジオに想い入れがあるパーソナリティが取り上げられている。

 

序には『「リスナーとしてラジオにハマる声優が増えている」という最近の状況を踏まえて、それならば思う存分、声優にリスナー視点でラジオ愛を語ってもらおうと生まれた企画(以上18ページより引用)』とあるが、普段はパーソナリティとして発信側の声優たちが、逆にリスナーとして想いを語るのが興味深かった。

 

ただその「好き」や「想い入れ」の深さや方向性は人によってそれぞれで、とても興味深かった。

 

まず、巻頭カラーで取り上げられたのは工藤晴香。工藤も「RoseliaのRADIO SHOUT!」や「シークフェルトのえ~でるラジオ」を担当するパーソナリティだが、自身が熱心な「たまむすび」のリスナーらしい。赤江珠緒が好きならしいが、メインの赤江と各曜日で変わる相方によって番組の雰囲気や、赤江と相方の立場・位置関係が変化するのが面白いとか。工藤のラジオ愛は、自身がどん底にいたという24~5歳のとき、ラジオの映画評を聴いて救われた...とか、亡くなった大切な人への想いを込めて、「君へのMHz」と言う曲を作詞したりしているなど結構筋金入り。おばあちゃんになってもTBSラジオを聴き続けていきたいとか...

巻頭カラーのは筋金入りのTBSリスナーらしい
巻頭カラーの工藤晴香は筋金入りのTBSリスナーらしい

 

自分は多くの声優ラジオを聴いているわけではないが、その限られた知識の中では、「廻し」の上手い女性声優として最初に思いつくのは、藤田茜。田村ゆかりの「いたずら黒うさぎ」や松来未祐の急逝で終わった「有限会社チェリーベル」等を聴いてはいたものの、あまりのめり込む方ではなかったらしい藤田。またラジオへの関わり方も独特で、スタッフさんが出てきたときの印象が強いというはなしもあるし、学生時代は放送部だったが、無駄だと思った朝の放送を自分の代で終わらせたとか言う話もある。時間を気にしつつ話す技術や、全体を見て話す、彼女のいわゆる「司会視点」というのは、このあたりで養われたのかな、という感じ。

藤田茜は、全体を見た廻しっぷりがすごいよなぁ
藤田茜は、全体を見た廻しっぷりがすごいよなぁ

 

例によって?伊福部崇のコーナーもあるが、「アニラジグランプリ」の元編集長永井和幸と、本誌編集の村上との座談会で、あやちゃんは特に関わってはいない(話の中で、「洲崎西」には一瞬掠るが、それはあやちゃんつながりというよりは、ラジオのコンビ論のなかで、女×女コンビの一例としてに過ぎない)。

あやちゃんの旦那、伊福部たかしも登場
あやちゃんの旦那、伊福部崇も登場

 

そして、あやちゃんの記事。特集「ラジオがあるから今がある」の筆頭で登場。あやちゃんが、めぐさん、こと林原めぐみに憧れて声優になったのは有名な話だが、最初は好きなアニメキャラ(「名探偵コナン」の灰原哀)の声に着目し、その後歌声や他の担当役での声の差に衝撃を受け、めぐさん自身に興味が出て、「林原めぐみのTokyo Boogie Night」や「林原めぐみのHeartful Station」で、めぐさん自身にのめり込んでいって、番組にメールを出したりするようになる。さらにそこにとどまらず、「この人と一緒に仕事をしたい」となって、年齢サバ読んでNHKの「こども夢質問箱」で、めぐさんに進路相談して、その結果、東京の大学受けて、一度一般企業に就職して、平行して声優活動を行う。その後永い間、端役ばかりだったのが、「たままこーけっと」

の主役を射止めて、ブレイクする...というところは、あやちゃんのファンなら、識っているエピソードだが、そのほかにもラジオに対する想いとか、故郷石川に対する想い、共演者に対するスタンスなど、今まであまり語られなかった部分も語られ、とても面白かった。あやちゃんのラジオに対する愛をよむにつけ、「ラジオモンスター」の資格はあるかな、と。

あやちゃんファンには既出の情報も多かったが、後半のラジオにかける想いのアップデートは目新しい
ファンには既出の情報も多かったが、後半のラジオにかける想いのアップデートは目新しい

 

他にも、小野大輔や中村繪里子のようなラジオベテラン勢や、アニメイベントの名MCであり、ラジオパーソナリティとしても一流の鷲崎健のトップオタからギョーカイに入った青木佑磨のインタビュー、選ばれしメール職人たちの寄稿などもあり、一冊全部が「声優ラジオが好きすぎる」人たちにフォーカスしてまとめられている。

青木佑磨がポアロの鷲崎健のファンから業界に引っ張り込まれた入ったのは有名な話
青木佑磨がポアロの鷲崎健のファンから業界に引っ張り込まれた入ったのは有名な話

 

メール職人の寄稿は、自分でも名前を知っている方々が... メール職人の寄稿は、自分でも名前を知っている方々が...
メール職人の寄稿は、自分でも名前を知っている方々が...

 

あやちゃんのパートはほんの一部だけれど(それでも全160ページ中、10ページあるが)、他のページも読み応えがあって楽しい。

 

ラジオというメディア、ラジオとテレビしかリアルタイム系のメディアがなかったときには、テレビに押されていたが、インターネットというリアルタイム系メディアの新興勢力が出てきたときに、逆にそれとの親和性を活かして、エリアや時間の制限を超え始め、むしろ復権している感じ。(一部Webラジオには簡易動画があるが)絵がない、「声中心」のラジオは現在のマルチスレッドな生活には合っているので、これからも永く続いて欲しいな、と。

 

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およそ1か月にわたった9回目の「芋づる式洲崎綾」も、あやちゃんの誕生日である今日=12/25で終了。

 

シドニアのように関連品のリリースが直近過ぎて(10日前!)触れられなかったもの、あやちゃんが1日目センターだったデレマスの新年ライヴのように、アイテムは以前から所持しているものの、レビューしきれなかったものなど、まだまだレビューしたいものも多いけれど、このシリーズ、かなりの時間と体力と集中力を使う(わりには閲覧数は伸びないw)ので、今回は、ラジオモンスターあやちゃんの真骨頂が垣間見られたインタビュー本で一旦休止。

 

あやちゃん、誕生日おめでとう!

今年はオンラインイベントが多くて、イベント参加は少なくなかったけれど、やはり直接...
...さて、次はいつやりますかね...(ボソ←このセリフ、毎回言っていますね...(^^ゞ

 

【別冊声優ラジオの時間 ラジオ偏愛声優読本 目次】

工藤晴香:声優だってリスナーだ。
・ラジオ偏愛声優読本とは?
神谷浩史×鶴間政行:「意味ねぇ!くだらねぇ!」の哲学
小野大輔:軌跡と奇跡
藤田茜:にわかの流儀
加隈亜衣:遅れてきたラジオ偏愛生活
小林千晃:ラジオから教わった声優道
桑原由気×大島育宙:芸人ラジオヘビーリスナー対談
YURiKA×会沢紗弥:元ハガキ職人対談
・偏愛リスナーコラム
・伊福部崇を囲む座談会「声優ラジオの過去・現在・未来」

 伊福部崇×永井和幸(「アニラジグランプリ」元編集長)×村上謙三久(本誌編集人)
<特集>ラジオがあるから今がある
洲崎綾:林原めぐみさんのラジオを聴いてなかったら、声優に興味を持ってなかったかもしれません。めぐさんが好きすぎて、「この人と同じ仕事をしたい!」というのが、出発点だったと思います
松嵜麗:小森まなみさんに出会ってなかったら、人の痛みがわかる人でもなかったかもしれません。小森さんのラジオを聴いてから、人は考え方ひとつで変われるものだとわかりました
青木佑磨:正直、その頃のポアロは本当にどうかしていたというか。「この人たちが喋っていることの面白い理由を全部知りたい」と思いました
<巻末企画>
中村繪里子:ラジオの愛し方

更新: 2021/12/25
洲崎綾推し的オススメ度

「ラジオ」という切り口で、あやちゃんに迫ったまじめな分析は少ない

知名度と芸歴?が、女性声優ラジオレジェンド級の林原めぐみや田村ゆかり、水樹奈々、堀江由衣あたりには及ばないが、このまま続けていければその域に達する素質は持っている。

  • 購入金額

    1,540円

  • 購入日

    2021年05月30日

  • 購入場所

    ゲーマーズ

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