仕事用に随分前からモバイルルーターを使っていたのですが、近年はモバイルルーター向けのデータプランよりもスマートフォン向けの料金プランの方が明らかに安く、今年4月末にモバイルルーター代わりのスマートフォンとしてY!mobile回線のSONY XPERIA 8を購入しました。
以前使っていたモバイルルーターよりはテザリング時の速度性能はやや劣りますが、実用レベルは保たれていて、これである程度は満足していたのです。
しかし、ごくたまにですが普通のスマートフォンとして使っていると、SONYの国内向けスマートフォンとしてはローエンドモデルとなるXPERIA 8の性能不足が顕著でした。SoCがかなり旧世代のQualcomm Snapdragon 630ですから当然ではあるのですが…。
そのうち端末だけ入れ替えても良いなと思っていたタイミングで、たまたま特価品を目にしたのが、今回取り上げるTCL 10 5Gでした。
TCLは近年格安液晶TVなどで徐々に日本市場に進出しているメーカーですが、実はスマートフォンでは結構以前から日本市場に進出していました。仏ALCATELブランドのスマートフォンの開発・製造メーカーが、このTCLだったためです。ALCATEL製のスマートフォンは「イオンスマホ」などとして一時期は結構店頭に並んでいました。それが最近では自社ブランドでの展開を始めたというところです。そのTCLが初めて日本市場向けに投入したスマートフォンがTCL 10 5Gです。
ごく普通のSIMフリー端末なのですが、箱には何故か厳重に封印シールが施されています。
蓋を開けるとすぐに本体とご対面となります。
アクセサリー類のデザインがAppleの真似でしか無い辺りはいかにも中国製端末です。ただ、ハーフシェル型のカバーが標準添付されている辺りはなかなか親切です。
ディスプレイサイズが6.53インチというだけあり、結構大柄な端末です。
背面には4眼カメラと指紋センサーが用意されています。指紋センサーの感度は予想以上に良好でした。正確に検出しているのか疑問に思えるときもありますが…。
サブ端末としては十分すぎる高性能
今回はXPERIA 8で使っていたY!mobileのSIM(5Gまでサポート)をそのまま使います。XPERIA 8はメモリーカードすら挿さず、ほぼ完全にルーターとして使っていたのですが、今回は一応最低限のメモリーカードも用意しています。
microSDメモリーカードスロットにはLexarブランドのmicroSDXC 64GBを装着します。
ここでTCL 10 5Gの主要スペックを紹介しておきます。
・SoC:Qualcomm Snapdragon 765G
・RAM:6GB
・Storage:128GB
・ディスプレイ:6.53インチ 2,340×1,080 IPS液晶
・OS:Android 10
・カメラ:最大6,400万画素 4眼
前述の通り5G通信対応端末ではありますが、対応バンドはband 77/78のみとなり、ドコモ系の4.5GHz(band 79)には非対応となるため注意が必要です。auおよび楽天のSIMではデータ通信には問題ないものの、音声通話が出来ないため緊急通話すら出来ないことにも注意する必要があります。その点今回利用するのはソフトバンク系のY!mobileであり、5Gでも音声通話でも問題なく使えることになります。
生憎自宅付近でY!mobileの5Gエリアに対応している場所は無いのですが、秋葉原に行った際に5G通信が出来ていることを確認しました。
ダウンロード速度だけなら、実は自宅のフレッツ・ネクスト回線よりも速かったりします。さすがに有線接続よりは速度は安定しませんが…。
自宅では4Gまでの対応で、アンテナピクトも2~3程度ですからお世辞にも良い条件では無いのですが、この程度は出ています。
まあ、この程度の速度が出ていれば実用上問題が無い程度ではあるでしょう。ちなみに条件の良い場所で測定すれば、4Gでも90Mbpsは超えることがあります。
本体の性能については、一応AnTuTu Benchmarkを計測しましたが、私の使い方ではここにあまりこだわりはありませんので、値だけを載せておくことにします。この値をご覧になっての判断はお任せします。私としては十分に快適な端末という認識ですが。
自分の手に対して端末が大きすぎるのがマイナス点
まず、ディスプレイは今時の高性能端末で採用例が増えている有機ELではなく、IPS液晶パネルです。ただ、有機ELパネルを採用するOPPO Reno Aと比べて画質が劣っているようには感じられない程度には高画質です。
さすがに元々TVが主力事業であったTCLだけあり、NXTVISIONという高画質化ユーティリティなども用意されていますし、いわゆる映像エンジンもTV用の技術を投入して高画質化しているとのことです。
ロック解除等に利用する指紋センサーですが、XPERIA 8もなかなか優秀ではありましたが、TCL 10 5Gの検出速度はそれ以上かも知れないと思うほどに高速に処理されます。ただ、本体の中央よりに配置されているため、指が短く手も小さい私の手ではスムーズにセンサー部に手が伸びず、少し使いにくさを感じるのが惜しいところです。もっとも、XPERIA 8のセンサーは電源ボタン埋め込み型で、用事が無いのにすぐにロックが解除されてしまうという問題がありましたので、一長一短程度とも考えられます。
機能面で特に不足を感じることは無いのですが、強いて言えば画面上部からスワイプすることで表示されるショートカットメニューが少し残念と感じます。XPERIA 8ではここにWi-FiだけではなくテザリングのON/OFF切り替えアイコンが用意されていて、これが思いのほか便利だったのですが、TCL 10 5Gではこのようなショートカットは用意されておらず、設定内のネットワーク設定で切り替える必要があるのです。厳密には「画面上部をスワイプしてショートカットメニューを表示」-「ショートカットメニュー下部をドラッグしてメニューを拡張」-「横にスクロールして2ページ目のメニューを表示」でテザリングアイコンにたどり着けるのですが、アクション数が多くあまりショートカット感がありません。5G世代となるとまずますテザリングの需要も増えてくるでしょうから、この辺りはもう少しシンプルであっても良いのではないでしょうか
細かい不満も吹き飛ぶ安さ
率直に言って、細かい部分の使い勝手や完成度などにはまだまだ改善の余地がある端末です。スマートフォンを1台だけ使おうと考えている方がこの製品を選択するのは、少々リスクが高い選択といえるでしょう。
しかし、私のように他にメイン端末となるスマートフォンがあり、用途限定で使ったり純粋なサブ機として使うつもりであるなら、コストパフォーマンスは抜群といえます。
私自身も、元々興味が無かったこの端末を買ったのはあまりの安さに惹かれたためです。新品の特価品で通信契約も不要でありながら、現行モデルで5G対応品かつミドルハイクラスの性能を持つ端末が1万円を割り込んでいたのですから、他ではなかなか真似できないレベルの安さではないかと思います。
現在楽天回線用で使っているOPPO Reno Aと比べても端末の性能は上ですし、程々に付き合う端末としては間違いなくお買い得です。
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購入金額
9,999円
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購入日
2021年11月20日
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購入場所
JUST My Shop
まこりんさん
2021/11/30
サブにはいいですね~
jive9821さん
2021/11/30
さすがに4桁価格はJUST My Shopだけだったようですが、
Amazonの代理店販売分でも2万円弱ですから、Snapdragon 765G
搭載の5G端末としては十分に安いと思いますね。
5G通信できない地域でも、XPERIA 8からの乗り換えは意味があった
と思います。