1970年代から現在に至るまで現役の歌手活動を続ける、トリニダード・トバゴ出身のソロシンガー、ビリー・オーシャンが1986年に発売したアルバムが、本作「Love Zone」です。
前作「Suddenly」からタイトル曲や「Caribbean Queen (No More Love on the Run) 」が世界的なヒットを記録して、その勢いのまま制作されてこちらも大ヒットを記録した作品です。元々EPIC/SONY発売の国内盤LPは昔から持っていたのですが、もう少し音質をどうにか出来ないかと思い、リマスター重量盤となる本作を購入してみたわけです。
とはいえ、元々Mobile Fidelityのような本格的高音質盤を作るわけではないMusic On Vinyl盤であるため、重量盤とはいってもトランスルーセント・ピンクのカラーヴァイナルであり、残念ながら音質よりも見た目重視という体裁です。
1,500セットの限定盤ということですが、そもそもこのような半端な仕様のレコードが1,500枚売れるのかという疑問も…。
トランスルーセント・ピンクということで、やたら派手な色でありながら裏が透けて見えていますね。180g盤ではありますが、質の高さは感じられません。
EPIC/SONY発売の国内盤よりはいくらか改善していますが、高音質盤と呼ぶには少々厳しい出来であるとしかいえません…。
内容はさすがに大ヒット作らしいもの
本作からは半世紀に迫る彼のキャリアの中でも最大級のヒット曲といえる、「When the Going Gets Tough, the Tough Get Going」や「There'll Be Sad Songs (To Make You Cry) 」といった有名曲がシングルカットされています。
本作の収録曲を確認しておきましょう。
Side A
1.When The Going Gets Tough, The Tough Get Going
2.Love Zone
3.Without You
4.There'll Be Sad Songs (To Make You Cry)
Side B
1.Bittersweet
2.It's Never Too Late to Try
3.Showdown
4.Promise Me
5.Love Is Forever
「When the Going Gets Tough, the Tough Get Going」は映画「ナイルの宝石」のサウンドトラックに提供されたポップス調の楽曲で、如何にも明るい80'sポップスという印象です。私自身は彼の楽曲としては前作からのヒット曲「Suddenly」を初めて聴いていましたので、こういう明るいポップスも歌うんだな、と意外に思ったものです。
一方の「There'll Be Sad Songs (To Make You Cry) 」は、その「Suddenly」の路線を引き継いだ王道バラードで、彼の歌唱力の高さを遺憾なく発揮しています。
他の収録曲も、タイトル曲「Love Zone」は彼のもう一つの側面といえるダンスミュージック、「Without You」や「Love Is Forever」は「There'll Be Sad Songs (To Make You Cry) 」と同じくじっくり聴かせるバラードと幅の広さを見せています。
内容は大ヒット作らしく素晴らしいのですが、Music on Vinyl盤は高音質盤といって売るには無理のある程に出来は良くありません。
音楽的にはアナログ盤が合いそうに感じられるのですが、実際の出来を考えれば素直にCDやダウンロードで入手することをお薦めしておきます。
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購入金額
2,154円
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購入日
2021年07月18日
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購入場所
TOWERRECORDS
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