所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。物語を語るような長い曲が多いプログレやクラシックの組曲はともかく、一般的なポップス系の曲は半小節のシカケなどが挟まれることはあっても、曲中でリズムやスピードがガラッと変わることはほとんどありません。そんな中、親しみやすい造りの楽曲ながら、いろんなリズム的なシカケを詰め込んだ楽曲をご紹介します。
GYARI(ココアシガレットP)。2008年より活動を続けるボカロPだが、ジャズ系のテイストを持つボカロ曲(もしくはボイロ曲)というのを中心としながら、時の経過で興味の中心が移っているのか、活動時期によっていくつかの活動内容に別れる。
2015年から2017年は、長尺曲に彼の興味が移っていたときで、このシリーズは前作“abgm”
で幕を開ける。
20分超の曲をひとつのネタで延々と展開させていく...という造り。ただジャズはモチーフをドンドン展開させてソロ回しやって、キメでせーので終わる...という造りも少なくないので、珍しいことではない、たぶん、
ね。
2015年末のコミケ=ComicMarket89で頒布されたのが、長尺曲3部作の第2作目、“tettey-terettey”。
前曲「abgm」がabgm、つまりA♭とGmの2つのコードを延々と繰り返すのがテーマだったとしたら、本作は「tettey-terettey」...つまり♪テッテーテレッテー♪と延々繰り返すのがテーマ(投稿動画名は「ボーカロイドたちがただテッテーテレッテーするだけ」)。
曲はいつもの仕掛け人リンから始まるのだが、最初からベース(ミク)のリフ、やや遅れてドラムス(KAITO)のパターンが入っているのと、リンをボーカロイドとして使っているのが新鮮(いやボーカロイドだから)。リンが担当している設定のピアノが加わったかと思えば、すぐにレンが、担当楽器設定のエレピより先にボーカロイドとして加わるのも新しい(いやだからボーカロイドだから)。ひとしきりサビをやったあとはピアノソロ。またサビに戻ったあとは、半速になり、ボサ調にリズムチェンジして、粋な感じのエレピソロ。エレピソロのラストはまた加速して、怒濤のサビに。♪テッテーテレッテー♪の洗脳タイム?のあとは、ゆかり参加。担当楽器?カウベルが加わり、この曲2回目のピアノソロに。カウベルが入ったので、ラテンっぽく盛り上がる熱いソロ。洗脳サビのあとは、ベースソロ。そして次のサビのあとは、満を持して?無限ラッパー..というか7拍子ループマシンのルカ姐さん登場!そのループ声をバックに7拍子ピアノソロ。断ち切るようにゴーインにサビに持っていき、長~いブリッジをはさみ、最後のお・約・束、という曲構成。
同梱のイラスト本は16ページに増えていて、曲に関するショートマンガ以外にも、改めてGYARIワールドを構成するボカロたちの紹介がある(ここでKAITOに関しては、ソフトとしては所持していないことも語られる)。このキャラクター情報が、GYARIを最初から追っていない新しいファンには結構重要だったかも。ま、動画観てればある程度判るけど。
各キャラが漢字一文字で表されている...ルカ姐さん「寝」かよ...
GYARIの作品は、ジャズテイストが強いわりには覚えやすい楽曲が多いのだけれど、「洗脳度」という意味では一番高い作品かもしれません。
【収録内容】
<CD>
1. tettey-terettey
2. tettey-terettey - off vocal -
<BOOK>
A5 / 16P / フルカラー / イラスト漫画
pixiv 【スクショ集】ボーカロイドたちがただテッテーテレッテーするだけ
「tettey-terettey」
リズムの変遷だけでも面白い
高速なので、駆け抜けていく疾走感も共に....
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購入金額
10,000円
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購入日
2020年01月27日
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購入場所
駿河屋
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