レビューメディア「ジグソー」

昭和に憧れる!

MCカートリッジ SATIN M-15 

 

最近の若者は昭和に憧れているんだとかでテレビで放送してました 何が良いのですかね...w

私は昭和生まれだけど、大正や明治に憧れたことはないなあ 昭和に憧れるなんて嘘でしょう

何でもありのテレビ局だから忖度でもしてるんでしょう 人それぞれで思うことは違っているとは思いますが、その場に臨めば苦労ばっかりの時代でした 当時を知らない人の憧憬でしょうか。 

 

去年入手したサテン社のM-15 MCカートリッジです このカートリッジは1970年(昭和45年)に発売されたものですがヤフオクでもたまに出品されます そして結構人気がある訳です 製造後50年近く経っているわけで、音が出るだけでも奇跡です M-11,M-14等は出品数も多いのですが、M-15は少ないです。

  

          

      

 針の脱着はM-11などと比較するときついですね 今回のだけかも知れませんが

    

   

M-15はカートリッジからゴムダンパーを排した初めてのカートリッジです

太田氏のブログからのコピーです  http://ohta.html.xdomain.jp/satin/satin.html


MC型とかMM型とかいった従来の分類は、カートリッジの本質的なポイントで分けるには不十分です。カートリッジは、あってはならない鉄もゴムも使わないディスク・カッターと同等のメカニズムの、サテンの《純粋形式》とサテン以外のすべての形式、この二つに分けられます。この純粋カートリッジを実現できるのはサテンのスパイラル・ムービンクコイル形式だけです。
▼ スパイラル・コイル形式とは、鉄芯を使わずに渦巻形に巻かれた偏平なコイルを、せまい磁極間隙にそう入することによって、あってはならない発電素子の歪をもつことなく、またトランスの歪や雑音を含まずに、高品位の音質を高出力をもって供給できるユニークな形式です。またこの形式は、聴感上もっとも有害な歪発生の巣窟となるため有ってはならない《制動とバネとを安易に兼るゴム》を追放し得る唯一の形式です。そしてそれは発電コイルの振動速度に完全に比例する電磁力による制動と、やはり振動速度に比例したグリースによる制動を補助的にのみ使用し、バネは精緻を極めるベリリウム金属のパンタグラフ・バネ機構として完全に独立させた、最も理想的な制動のメカニズムを可能にする形式なのです。
▼ M-15はこの純粋形式を世界ではじめて完成したカートリッジであり、サテンMシリーズの最高級製品でもあります。M-15をお聴きになれば、従来ゴムが如何に 音楽を汚し、大ざっぱにしか再生していなかったがおわかりいただけます。▼ タイプLは、レコードのやわらかい盤質の欠点を補うために、振動マスをさらに1/3に軽量化したもので、その効果はさすがにすばらしく、アンプの入力感度に余裕があれば、M-15Lが最高です。
▼ M-15は、将来スピーカー、アンプ、アームなどが進歩するたびに、改めて見なおされるだけの大きな真価が秘められており、ソースの音楽性に応じて装置のまともさに比例して、音楽の喜びをはかり知れないほど大きいものにします。M-15は、これを十分に使いこなす自信をお持ちのあなたにお届けするカートリッジです。     

   

 

     

   

        

     

ヘッドシェルはオーディオテクニカ製(MG-9)だと思いますが、上部に貼ってあったダンパーゴム部が劣化したので出品者が補修したということです ヘッドシェル上部にはシンガポール産出のパウア貝が薄く貼られています、また針部も変形があり接着剤で補修した形跡がありました ヘッドシェルの下側は黒い塗料が元々塗られています  両CH音が出るのでそのままにしてありますが出品者の思い入れみたいなものが伺えます。      https://audiof.zouri.jp/hi-cartridge-11.htm    

       

  

   

   

          規  格        針先半径      M-15E   0.2ミル×0.8ミル      楕円針 : 橙                  M-15    0.5ミル、0.7ミル    円 針 : 緑        インピーダンス   l0Hz~35KHzにて ほぼ純抵抗で20Ω        負荷インピーダンス 10Ω~50KΩ(この範囲でのF特性の変化殆んどなし)        周波数範囲     10Hz~35KHz        クロストーク    10KHz -35dB以下、20KHz -25dB以下                  <CBS STR-110にて>        混変調歪      400Hz:4KHz +15dBまで 2%以下(水平)        針  圧      0.4~2.0g 最適値 0.8~1.2g        コンプライアンス  30×10-6cm/dyne        出力電圧      2.5mV ±2dB   50mm/sec R.M.S.        自重        8g                (規格は一部変更になることもあります)

          

    

    

    緑色文字の交換針は丸針です  文字色:緑--丸針  橙--楕円針  白--X/CONIC針

            

    

     

                  周波数特性  多分オリジナルとは変わっていると思います  参考程度に

  

       L-CH

          

   

   

 

                R-CH  緑色はノイズです

       

    

  

  

                   1KHz再生時の高調波 

 

  2021-7-2  再測定

  efu氏作  Wave-spectraソフト使用 窓関数blackman    サンプルデータ数2048bit

  自作 DIS-RIAA AMP経由     オーディオチェックレコード/AD-1 (日本オーディオ協会)

  針圧1.5g  IFC1.5g        

    

  

        

    大きさと発売年比較、右から  M-11(1967)  , M-14(1971~1972)  , M-15(1970)

       意外にもM-15はM-14より前か同時期とも言えます M-11は大きいし重いです

     M-14の針はネジで止めてあり、M-15とは違っています   

      

      サテンのカートリッジはコイルの巻き数の少なさを強力な磁石で補っています    

 

 

         

    

   

下図のようにレコード針はこのように外すことが可能です M-11と同じ構造ですがM-15は前タイプのM-11などと違ってアーマチュア(発電コイルを支持する部分)を保護するゴムダンパー部分が無くなっています 此処からダンパー排除のサテンという広告が出ました これは後から製造されたM-14 , M-117,M-18などと同じ構造になる訳です  ダンパーが無いということですが実際はシリコングリスみたいなものが発電コイルとヨーク隙間に充填されていてゴムダンパーの代わりをするようです

左右の発電コイル過振動を制動してるわけです この頃はダイヤ無垢針です。  

 

交換針脱着はSATINの"S"の文字を支点にして前方の黒い摘みを上に左右の親指を掛け、ボディには

人差し指と中指等でホールドして、バネでロックされている黒い摘みを持ち上げます。 

    

  

  

 

追記 

2023-6-13

機銘板画像追加します 当品は「M-15」でオリジナルは丸針ですね 落札品はヤフオク出品者が、

ダイヤ無垢針に換装しています(針を繋いだものです)ヘッドシェルも手を加えられていて熱意が

判ります バウアー貝を研磨してヘッドシェルに貼り付けたものですね 現在でも良い音で再生してます 高域が伸びていますし、低音はSATIN製品は硬めですが量感を感じるくらいに出ていますね。

 

   

   

   

  

 

交換針の色判別

 

緑:丸針  橙:楕円針  白:X・CONIC針

Quite emptyさんのブログから画像お借りしました 

http://www.hi-ho.ne.jp/ita2-yas/cartridge/satin_01.htm

 

      

  

       

  

音質(経年品、且つ針補修品ですから割り引いてお読みください)  

音質は超高音の伸びがやや少なくなってますが、普通に聴くには高音もしっかりと出ます 低音の量感もあるし、サテン特有の切れ味の良さは残っていて、端正な再生音を聴くことができます 

1970年代初頭、この再生音が出たということは立派です 他の会社はMM型カートリッジを始めたころです MC型だとDENON DL103位だったと思います 当時の針付き本体定価は丸針で24000円 

楕円針で27000円でした かなりの高額品でした。   

   

   

追記

2021-7-2   WAVE-SPECTRA見直して、窓関数とサンプルデータ数を4098→2048にした

高域の追従性が改善された。 

2021-7-9   交換針色分け追加

2023-6-13 機銘板画像追加

 

 

 

  

  

DIS-RIAA AMP

 

  • 購入金額

    15,000円

  • 購入日

    2020年頃

  • 購入場所

    ヤフオク

17人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • kaerkiさん

    2021/03/10

    >大正や明治に憧れたことはないなあ・・・

    これ確かに私も思ったことないですね。戦後の高度経済成長とか1980年代のwinwin時代とかバブルを夢見て憧れているのかな。それなりにリスクは付き物だったですよね。
    思い出としてあるだけです。松田聖子も中森明菜もw
    それかもしかして和式便所に憧れてるのかな?
  • タコシーさん

    2021/03/11

    kaerkiさん
    昭和のバブル時代とか高度経済成長とを現在と比較して
    憧れとなったようです トイレットペーパー騒ぎとか
    凄い時代でしたけどね 現在の閉塞経済や日本の経済事情なども
    あるんでしょうけどね 何処の国も似たようなものですけど。
    当時は給料は上がったけど物価はすべて高かったですよ 
    今はお酒が安いですね コーラとお酒が同金額なんてアル中になってくれと
    国が言っているような気がします。
  • Audio_Loversさん

    2021/06/17

    昭和60~80年代は日本のオーディオに熱気がみなぎっていた時代でしたね。
    こんにちは、私は大学生の頃、アルバイトで貯めた20数万円でマイクロ製の8極シンクロナスモーターベルトドライブのMB-800ターンテーブルとSTAXの一点支持トーンアームUA-3S?とSATIN M-15E とシバタ針交換針でLP再生してONKYOのINTEGRAアンプでONKYOのFR-16A(Full Range 16cm)+Techhnics Tweeter ESA-55Hを板厚25㎜の40L BOXに入れ、
    更に、スチロールコンデンサ使用のLPFフィルターアンプ(自作)で50Hz以下をOCL重低音用アンプ(自作50Wx2)重低音用のパイオニア製 PW-A30(30cm Woofer)L/Rchを400Lの箱x2で制作したシステムで再生していました。 今皆が使っている小型なシステムとは全く違う開放的な音です。 素直な中高音と重低音を再生することが出来ました。
    STAXとSATINの超高感度システムで針圧は0.8gで問題なく再生していました。
    中高域が華やかなM-15は今聴いても魅力的でしょうね。 HIFI的には振動系を更に軽量化したM-117?等がより広域が伸びて良いと思いますが、外観デザインはM-15が最高の完成品と思います。
    振動系を軽量化してマグネットをネオジに変更して更に高出力化したM-15デザインのピックアップが再現したら魅力的だなと妄想しています。 マグネットはオリジナルのアルニコ製の方が喜ばれるかも知れませんね。
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