先日購入したイヤフォン、Unique Melody MAVERICKには、当初ケーブルとしてLuminox Audio 85-Filterを組み合わせていました。
MAVERICKにしては中域の密度感が薄れ、やや高域寄りのエネルギーバランスにはなるものの、これはこれで面白いかな、と思っていました。
しかし、後日掲載するつもりですが、もう1本買ったイヤフォンがあり、こちらの音質傾向の問題で85-Filterを使いたくなり、MAVERICKには別のケーブルを組み合わせる必要が出てきました。
暫定的にEFFECT AUDIO Originを組み合わせていたのですが、MAVERICKと組み合わせて常用するのは少々荷が重いかなというグレードのケーブルです。
そこで他に何か無いかと思っていると、部屋の隅に重なって置かれていたAcoustune製のリケーブルの箱が目に入りました。そういえば安売りを見つけて3本一気に買ったものがあったなと思い、買ってあった中では上位に当たるARC41を使ってみることにしました。
Acoustune製のリケーブルは、基本的に同じこの黒い箱に入っていて、側面のラベルと裏面のバーコードで見分ける形になります。
箱を開けると、ケーブルを入れるには妙にゴツいケースが入っています。
ケースを開けると、主役のケーブルとご対面です。
Acoustune製のケーブルは、コネクター部分などはそれなりにコストがかかっていると感じられます。ケーブルそのものは見ただけでは判りませんが…。
力感重視だが空間表現も程々
それでは早速音質を確認してみましょう。
イヤフォンは前述の通りUnique Melody MAVERICK、DAPはAcoustic Research AR-M2と組み合わせての試聴となります。
Luminox Audio 85-Filterとの組み合わせではエネルギーバランスが高域側に寄っていたものが、そこそこ低域が強く出てきて高域も軽く持ち上がっている弱ドンシャリくらいに落ち着きました。EFFECT AUDIO Originと比べると、低域方向の分厚さとアタックの強さが目立つようになります。
ARC41の音質上の傾向を端的に表すと、低域方向の力感は強めで高域方向は銀コート線の特徴が出ているもの、間接音は弱めで直接音がガンガン出てくる印象を受けます。アニソンユーザーの評判が良いというのも頷けます。
反面、エコーや響きなどで雰囲気を作っているような楽曲、例えば今丁度聴いている「Alone / Heart」(LP「BAD ANIMALS」より)などを聴くとちょっと味気ない感じがしてしまいます。MAVERICK自体はこういった楽曲の雰囲気をよく出してくれるイヤフォンですので、ケーブルのキャラクターによるものなのは間違いないでしょう。
「Air On G String / Jacques Loussier」(LP「The Newest Play Bach Vol.1」より)では、ベースラインはグイグイと出てくる一方で、ピアノの響きが明らかに弱く、ちょっと演奏のバランスが崩れ気味です。音数が少なく一音ごとの表現が問われるようなソースでは、さすがに限界が見えてしまいます。
逆にいかにも得意そうと感じた「Song I am. / Roselia」(FLAC 24bit/96kHz)では、元ソースの音の薄さを上手く補って良いバランスになります。アニソン・J-Pop中心で聴いている人であればかなり気に入るのではないかと感じました。
組み合わせているMAVERICKがイヤフォンとしてはかなり懐の深い音の持ち主であり、かなり癖の強いケーブルでもそれなりに聴かせてしまう部分はあるのですが、それを差し引いてもアニソン・J-Popユーザーであれば納得できる音は出しているのではないかと思います。
ただ、オーディオ的な性能はそこまで高いわけではなく、ソースによってはかなり厳しいマッチングになることも予想されます。少なくとも前述の「Alone / Heart」や「Air On G String / Jacques Loussier」を、このケーブルで楽しめる感じはしませんでした。
普段聴くソースによって評価はかなり上下すると思いますが、ロック系のサウンドを勢いよく鳴らす良さを買ってこの評価としました。
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購入金額
4,980円
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購入日
2020年06月26日
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購入場所
NTT-Xストア
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