AMD Athlon64X2 5200+ はAMD(Advanced Micro Devices)が2006年5月に発売したK8マイクロアーキテクチャをベースに設計されたCPUだ。
筆者は筋金入りのAMD好きであり、自作PCの世界に足を踏み入れてから、AMD以外のCPUを使った事は無い。
初めて手にしたK6-2から数えて5世代か6世代あたりに手にしたCPUであったと記憶している。
この時期はまだAMDが巨大帝国Intelとつかみ合いの競争を繰り広げていた次期であり、当時からPCを中心に技術系情報に興味を持っていた筆者は、わくわくしながら両者の競争を見守っていた。
2000年代前半クロック周波数によるスピード競争はリーク電流と発熱の増大を招き、IntelはNetBurst世代の収束を迎える。 そこにAMDは一歩進んだ形で「ワット当たり性能」という新しい指標を持ち出していた時期であった。
もっともIntelはわずかな時間で遅れを取り戻し、Core世代を投入ワット当たり性能でも優位な状況を作っていったのは、自作PCに明るい向きにはよく知られた事である。
また、この後CPUのトレンドは現在につながるコア数増加から異種コアを統合したヘテロジニアスコンピューティングへと向かっていくが、その先駆けとなったCell(PlayStation3のCPU)が登場した時期でもある。
そのような時期に登場した本CPUだが、その性能はベンチマークスコアを度外視すればおよそ不満のあるものではなかった。
筆者の様におびただしい数のレイヤーを使うPhotoShopの使い方は、メモリの搭載量に依存する傾向があったからだ。
もちろんCPUの絶対的な性能が快適性に与えるインパクトは決して小さくは無いが、それよりも作業するデータがオンメモリから溢れた時の挙動は一時ファイルにデータを書き出す事になり、HDDの酷使を伴って待ち時間に直結する事になる。
時間の経過に伴い、扱うデータ量が増加していった為、自由変形やフィルタ処理などCPUに演算処理を求めるケースで徐々に力不足を感じる事は増えていったが、ストレージをSSDに換装するなどの対処で2014年までこのCPUを使い続ける事が出来た。
今現在も本CPUを載せたPCは、非常事態用の予備機として実稼働が可能な状態を維持している。
PCを取り巻く環境は今も昔も日進月歩で、日々新しいテクノロジが生み出され、投入されているが、AMDは生き残る為にATI Technorogiesを買収し、半導体製造部門をGLOBAL FOUNDRIESに売却した。
その成果は徐々に現れつつある様に思うが、未だ生き残り戦略は道半ばだ。
APUに代表される独自の路線が花開く為には、AMDのみの力ではどうにもならないところがある。
一筋縄では行かない困難な道のりだとは思うが、AMDファンの一人として微力ながら応援していきたい。
使用した時間を考えると、極めて高い
元々直接の競合であるIntelとは絶対性能で及ばない状態であり、それを補う戦略として低価格を打ち出していた。
今も昔もこの点においてはIntelに十分対抗できるものであると言える。
願わくば、コストパフォーマンス以外の部分でも戦っていける力をつけて欲しいものだ。
一般的な用途には全く不安はない
ベンチマークスコアでは到底戦えないと言う事は本文でも書いたが、実際の使用状況においてはそれほど重要視する部分では無い。
動画のエンコードや3Dソフトによるレンダリング等では力不足を感じるが、逆に言えばそれ以外の面ではそれほど弱点として表面化する事は無い。
実利用形態をよく考えて選択すれば、十分使える石であると言える。
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購入金額
16,000円
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購入日
2008年03月07日
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購入場所
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