レビューメディア「ジグソー」

最高の演奏で楽しむ映画音楽

最近、オーディオ関連の記事で試聴ソースとしてよく使われていることで存在を知った作品です。

 

今年はオーディオ関連のイベントは軒並み中止となってしまいましたが、仮に例年通り開催されていれば多くの場でこの作品を聴くことになったであろうといわれるほどです。

 

 

映画音楽界の巨匠といって、多くの人が真っ先に名前を挙げるであろう作曲家が、本作の主人公ジョン・ウィリアムズでしょう。ちなみにTOTOなど主にロック界で活躍するヴォーカリスト、作曲家であるジョセフ・ウィリアムズは彼の息子です。

 

彼が音楽を手がけた映画は極めて多く、「スターウォーズ」シリーズや「インディ・ジョーンズ」シリーズなど、世界的にヒットしたビッグタイトルがずらりと並びます

 

 

そのジョン・ウィリアムズが、ウィーン・フィルハーモニーに招かれ、自らの曲の演奏を指揮するという歴史的な公演が開催されたのは、2020年1月18・19日でした。辛うじて世界的な新型コロナウイルスの大流行の前であり、もう少し後であれば既に88歳と高齢である彼がこの場に立つことは叶わなかったでしょう。

 

 

前述の通り、私はリリース時点で本作の情報を全く知りませんでしたので、限定リリースであったLP盤は買い逃してしまいました。しかし、あまりの反響の多さに急遽通常リリースが用意されたことで、私もLPを手に入れることができたわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

限定盤はタイトル部が金色だったのですが、通常盤は普通の独グラモフォン盤と同じく黄色となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真にジョン・ウィリアムズと共に写っているのはヴァイオリンの女王とも称されるヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターです。この公演の前半で演奏しているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

LP2枚組ということで、ダブルジャケットとなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

通常盤について細かい情報がなかったのですが、限定盤と同様に重量盤でした。スタンパーの劣化など細かい要素を除けば、限定盤と同じとみて良いかと思います。

 

更新: 2020/11/21
総評

改めてジョン・ウィリアムズの偉大さを知る

それでは内容について触れましょう。収録内容は以下の通りです。

 

 

Side A

 

01. The Flight to Neverland (From "Hook")
02. Excerpts (From "Close Encounters of the Third Kind")
03. Devil's Dance (From "The Witches of Eastwick")

 


Side B

 

01. Adventures on Earth (From "E.T. the Extra-Terrestrial")
02. Theme (From "Jurassic Park")

 


Side C

 

01. Main Title (From "Star Wars: A New Hope")
02. The Rebellion is Reborn (From "Star Wars: The Last Jedi")
03. Luke & Leia (From "Star Wars: Return of the Jedi")
04. Imperial March (From "Star Wars: The Empire Strikes Back")

 


Side D

 

01. Dartmoor, 1912 (From "War Horse")
02. Suite (From "Jaws")
03. Marion's Theme (From "Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark")
04. Raider's March (From "Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark")

 

 

 

 

話題作だけあり、公式映像も結構用意されていますので、紹介しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はあまり映画を観る方ではないのですが、それでも馴染みのある楽曲が多くある辺りに、ジョン・ウィリアムズの業績の偉大さが感じられます。

 

本人はこの共演を「自分の人生で最も素晴らしい栄誉のひとつ」ととても喜んだそうです。とはいえ、あくまで自分の曲は映画音楽であり、純クラシックの演奏家集団であるウィーン・フィルハーモニーがどう反応するかは不安もあったそうです。

 

しかし、上の映像等で確認していただければ一目瞭然ですが、本作の演奏はさすがに世界でも最高峰のオーケストラと納得させるだけの、超一流の演奏です。拒否反応どころか、いつも以上に演奏する喜びが見て取れたというほどでした。

 

さらに、C-4の「Imperial March」はリハーサル時点で演奏される予定が無かったものを、ウィーン・フィルハーモニーの奏者側からプログラムに追加できないかと提案があって急遽演奏されることになったということで、双方が双方へのリスペクトを感じさせるものとなりました。

 

 

私自身は、オーディオで試聴というとすぐにクラシックという風潮には嫌気がさしているのですが、この演奏はいつになくオーケストラが生き生きとした音を奏でていて、素晴らしいと素直に思いました。

 

エネルギー感あふれる演奏であり、できればある程度音量を出したスピーカーで聴いていただきたい作品です。今年リリースされた音楽作品としては最も印象に残りました。

  • 購入金額

    4,255円

  • 購入日

    2020年11月16日

  • 購入場所

    ディスクユニオン

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