先日オーディオ用の電源タップに電源を供給するACケーブルを、格安品で見つけたSAEC PL-3000Dに交換したという話を書きました。
それまで使っていたZonotone 6N2P-3.0 Meisterと比較すると、Technics SL-1200G+audio-technica AT-OC9/III+Phasemation EA-200の組み合わせでレコードを再生した際に
・レンジ感→広くなる
・アタック→やや角が丸くなる
・高域方向→ギラつきが収まる
・ヴォーカル→やや生々しさが後退
・硬質→やや軟調
という感じの変化が表れました。悪くはないのですが、価格差の割に総合的にさほど良くなった感じがしないという印象だったのです。まあ、ACケーブルの交換は機器に近い方を交換した方がよりはっきりと違いが表れるといわれていますが…。
双方の良い部分を合わせればそこそこ良くなるのでは無いかという感触はありましたので、もう1本ACケーブルを試してみることにしました。それが中古で見つけたaet HCR AC Rev.Bとなります。
この製品はACプラグが3極であったため、供給元の都合上、2極に変換するためにPanasonic WH2891Pを組み合わせて使います。
突出した部分は無いが平均的に質は高い
今回購入したものはきちんとメーカーで製造された完成品の中古(のはず)ですが、この製品に使われている素材はすべて単品でも販売されています。
まず、ACプラグはPSE-018HGが使われています。
そしてインレットプラグにも、同社製のPSE-320HGが使われています。この組み合わせは、実は以前取り上げたEx-pro AC-1と全く同じです。
ケーブル部分はEx-proは独自設計でしたが、こちらはaet自身で単品販売していたHCR ACが使われています。
この型番が印刷されたチューブで、aet自身で組み立てられたことが一応判ります。それにしても、ケーブル部分の皮膜にも印刷されているのですが、「PREMIUM GREAD」という言葉の意味が全くわかりません。一応辞書で調べてみたのですが、どう考えても「PREMIUM GRADE」と書きたかったとしか思えないわけで…。
それはともかく、音質の変化を確認してみましょう。最近聴き慣れている「CWF 2 / Champlin Williams Friestedt」のLPを聴いてみます。
まず、6N2P-3.0 Meisterよりはレンジ感ははっきりと広がります。ヴォーカルの質は比較的近いのですが、高音で声を張った時に少し金属的な響きが感じられていた6N2P-3.0 Meisterに対して、こちらはそういった耳障りな成分は感じられません。PL-3000Dではヴォーカルの生気が薄くなったように感じられていたのですが、それはHCR AC Rev.Bでは感じられません。
低域の重量感は6N2P-3.0 Meister、PL-3000Dよりもさらに向上している感じがあります。総合的にいえば、トーンバランスとしては6N2P-3.0 Meisterのレンジを広げ、刺激となっていた部分を除去して音場と重量感を豊かにしたような感じでしょうか。PL-3000Dよりは明るい音です。つまり、概ね期待していた方向へと変化したといって良いでしょう。さすがに元の価格が以前の2つよりもさらに上がっているだけあり、それなりの実力はきちんと示してくれました。
総合的に見て価格を超えるとはいえませんが、価格相応の実力はきちんと示してくれたと評することができます。
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購入金額
8,800円
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購入日
2020年11月09日
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購入場所
HARD OFF
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