Sedna Earfitシリーズで精力的にイヤーピースを市場に送り続けるAZLAから、素材を一新した新シリーズのイヤーピースが登場しました。
現Fender、旧Aurisonicsのイヤフォンでは標準添付されているTPE素材によるイヤーピースですが、AZLAでは同種のTPE素材を採用しつつも、より完成度を高めたものとして開発したようです。
実は発売日前から予約して購入したのですが、色々と他の試聴などで時間を取られていたこと、コロナ禍による電車利用の激減でイヤフォンをほぼ使う機会が無くなったことから、今まで試聴を後回しにしてしまっていました。私自身は普段一般的なイヤーピースでS~Mを形状に応じて使い分ける程度の耳の大きさであるため、SS、S、MSが1ペアずつ入ったセットを購入しました。
熱可塑性エストラマー素材というだけに、常温ではやや硬さを感じるものの、装着して体温に触れることで柔らかさが出てきて、耳にきっちりと密着するとのことです。
なお、商品説明に「完全ワイヤレスイヤホン最適化設計」と書いてありますが、これはマーケティング上の理由(あまりイヤフォンに詳しくないワイヤレスイヤフォンのユーザーに、この製品が適合することをアピールするため)とのことで、一般的なイヤフォン、イヤーモニターで使うことも当然想定されています。
Michelleには最適だが、イヤフォンによってはそこまで合わないものも
それでは早速イヤフォンに装着してみましょう。今回まず試してみたのはJH Audio Michelleです。このMichelleは、普段標準添付のイヤーピースをそのまま使っています。
DAPはAstell&Kern KANN、ケーブルはWAGNUS. Chocolat Lilyを組み合わせています。
標準添付のイヤーピースでは、ややドンシャリで音場の密度感が薄めに感じるMichelleですが、SednaEarfit XELASTECとの組み合わせで中低域~中域の密度感が増すことで、全体的なバランスが整いますし、ヴォーカルやピアノ、弦楽器等の質感が向上します。
遮音性がより高まることは外出時には正直言ってあまり好ましいともいえないのですが、TPEの吸い付きの良さから頭が動いてもイヤフォンの装着にズレが出にくく、装着感そのものも向上します。Michelleとの組み合わせは積極的にお薦めできるものといえます。
Michelleにおける音質傾向から、やや中低域の密度感が薄めな64AUDIO U3とも組み合わせてみました。
U3には、普段はイヤーピースとしてAcoustune AET08を、ケーブルにはWAGNUS. Ginger Lilyを組み合わせています。
こちらは装着感は悪くないのですが、音質面では期待したほどの効果は得られませんでした。
64AUDIOの比較的最近のイヤフォンはapexモジュールという特殊機構があるため、イヤーピース側の密着度を上げるだけでは期待するほどの効果は得られないのかもしれません。というよりは、一見変哲の無いAcoustune製のイヤーピースが意外と効果を発揮していたのかもしれませんが。
現状ではMichelleの方にSednaEarfit XELASTECを組み合わせておくことにしました。Michelleで使う限りでは、外部の音を聞き取りにくくなる以外の弱点は特に感じられません。
イヤーピースはあくまでイヤフォンと組み合わせることで初めて意味を持つ製品ですので、相手次第で印象は当然変わってくるでしょう。今回はあくまでMichelle、U3という2つのイヤフォンにおける感想という形でお読みいただければと思います。
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購入金額
2,780円
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購入日
2020年06月26日
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購入場所
ヨドバシカメラ
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