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新PCへの準備(その4) ~OS起動用SSDでも1TBは欲しい

新PCで使うマザーボード、ASUS PRIME X370-Aは、さすがに今までのSATA 3Gbps止まりのM/Bとは異なり、PCI Express 3.0接続のM.2スロットを備えています。

 

当然起動用ドライブにはNVMe接続のSSDを使うつもりで、しかもここは快適性に関わる部分なのでそこそこ性能の良いSSDを使うつもりでした。

 

当初は速度性能に優れるCrucial P5 SSD CT500P5SSD8JPか、ヒートシンクの冷却性能が素晴らしく速度も優秀なWestern Digital WD Black SN750 WDS500G3XHCを使う予定にしていました。これらはいずれもプレミアムレビューを書かせていただいたものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらのSSDは、製品そのものの出来には全く文句ありません。どちらも十分に満足度の高い製品です。しかし、唯一にして最大の弱点だったのが、容量がいずれも500GBしかないということでした。

 

 

Windows 7で使っていた時代の現メインPCですら、色々とアプリケーション類を入れていき、業務用のファイルを保存(業務用以外はほぼ別ドライブに保存)しているだけで、あっという間に500GBは使い切ってしまっていました。結局最後は約700GB(1TBのSSDを200GB少々と残りに割ってデュアルブート)のドライブで丁度良いという感覚だったのです。

 

そこで速度性能もそこそこ出て、1TB以上のNVMe SSDで格安品ということで行き着いたのが、このHP SSD EX920 1TBでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋葉原で出ていた特価品ですが、きちんと正規代理店を通ったリテールボックス品でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箱の中身はこのブリスターパッケージでした。なお、日本の国内代理店としては「HP SSD Japan service center」とのみ記載がありますが、Webのアドレスでメモリーモジュール製造でお馴染みのサンマックス・テクノロジーズであることが判ります。

 

以前はHP製SSDはプリンストンが取り扱っていたはずと思い調べてみると、サンマックス・テクノロジーズとプリンストンは、現在いずれも株式会社ミナト・ホールディングス傘下に収まっていて同グループの企業なんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラベル面側にコントローラー、裏面側にDRAMキャッシュ、両面にTLC NANDという配置です。このEX920は1TBですが、DRAMキャッシュは1GB搭載されています。これが512GBモデルであれば512MBと、きっちりNAND容量に対して1/1000のDRAM容量となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

以前掲載しましたが、SilverStone製のヒートシンク、TP02を組み合わせた状態で使います。

 

 

 

 

 

 

更新: 2020/11/16
性能

最速レベルでは無いが、PCI Express 3.0世代としては比較的高速

実はHPのNVMe SSDはかなり豊富にバリエーションが用意されています。

 

日本ではそれほどストレージデバイスの印象が無いブランドですが、性能順にEX950/EX920/EX900 Pro/EX900と、4種類も出ているのです。

 

最上位のEX950は、前述のCrucial P5 SSDやWestern Digital WD Black SN750とも互角に競う高性能モデルですが、このEX920はその一つ下のグレードとなり、1TBモデルの場合最大リード3,200MB/s、最大ライト1,800MB/sという、そこそこ速い程度の製品です。

 

耐久性についてはMTBF 200万時間、総書込量 650TBWと、大体このクラスのTLC NAND採用モデルとしては標準的な水準でしょうか。

 

 

今回は既にOS(Windows 10 Pro)を導入してしまった状況ではありますが、一応ベンチマークテストを実施してみました。以下に、簡単ながら結果を掲載しておきます。

 

測定環境は、Ryzen 7 2700を搭載したASUS PRIME X370-AのM.2スロットに装着した状態で、このSSDからWindows 10を起動している環境です。他のデバイスから起動してデータドライブとして使うよりはやや不利な結果となります。

 

 

 

 

 

▲Crystal Disk Mark 5.1.0
▲Crystal Disk Mark 5.1.0

 

 

 

 

▲Crystal Disk Mark 7.0.0
▲Crystal Disk Mark 7.0.0

 

 

 

 

まず、Crystal Disk Mark 2種類を実行してみると、最大リードは公称値に届かず、3,000MB/sを僅かに下回る程度なのですが、最大ライトの方は公称値(1,800MB/s)を大きく超える2,600MB/s辺りの結果をたたき出します。実測の値では各社のPCI Express 3.0世代の高速モデルに肉薄する素晴らしい結果です。

 

 

 

 

 

▲ATTO Disk Benchmark
▲ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1

 

 

 

 

Queue Depth=4で実行したATTO Disk Benchmarkでは、最大値はCrystal Disk Markよりやや低くなるものの、最大リード2.8GB/s、最大ライト2.46GB/sで、特に書込性能で公称値よりも明らかに高い値が出ていますし、値の変動も少なく良好な結果を示します。

 

 

速度性能はそこまで期待していたわけではないのですが、結果は十分に良好といえるものでした。最上位のEX950であればどうなったのか気になりますが、EX950は実物を見たことすらないのです…。

更新: 2020/11/15
コストパフォーマンス

公称値を超える性能と、ローエンドクラス並みの価格

OSやアプリケーション類のインストールなどで随分使った後ではありますが、一応Crystal Disk Infoの結果も掲載しておきましょう。

 

 

 

 

 

▲Crystal Disk Infoの結果
▲Crystal Disk Infoの結果

 

 

 

 

ベンチマークテストを連続して実行した直後ですが、温度も52℃で収まっていて発熱もそこまで厳しくないことが判ります。

 

 

価格を考えればQLC NAND採用モデルに近いクラスでありながら、性能はTLC NAND採用モデルとしてもまずまず良好であり、この価格で入手できるのであればお買い得度は極めて高い製品であるということができます。

 

このレビューを書いている時点では、比較的お買い得なNVMe SSDでTLC NAND採用モデルというとWestern Digital WD Blue SN550辺りが思い浮かびますが、実測性能ではそれよりも1クラス上のものとなっていて、価格も同等以上に安いということになるわけですから、コストパフォーマンスは極めて良好と評して差し支えないのではないでしょうか。

  • 購入金額

    11,980円

  • 購入日

    2020年09月05日

  • 購入場所

    パソコンショップ アーク

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