ここ最近、レコード再生時の針圧計には、仏Elipsonから発売されているDigital Scaleを使っていました。
ただ、これは端的に言ってしまえば、一般的なデジタルスケールを小型化しただけのもので、オーディオブランドの製品とはいえ使い勝手はあまり良くありません。本体の厚みがレコード盤よりも遙かにあるため、この針圧計を使うためにはターンテーブルシートを一度外さなければいけないわけです。しかも、接地面の材質（というか硬さ）が変わってしまうと、計量結果にも影響を及ぼす可能性があり、精度という意味でもあまり好ましくはありません。
他にオーディオブランドで発売されているデジタル針圧計といえば、OrtofonやBELLDREAM、JELCO辺りが思い浮かびますが、いずれも1万円前後となかなかに高価です。そこで今回試してみようと思ったのは、Amazonのマーケットプレイスに出品されている中国メーカー製の2千円弱で買える程度の品です。中国発送なので納期はかかりますが、一日を争うような状況ではなくのんびり待てば良いだけですので。
実際には小型の段ボール箱に入って届きましたが、中身はこの状態でした。
箱の外側に巻き付けるような形で、日本語の取扱説明書が同梱されていました。箱の中には中国語の説明書が入っていて、内容は同じです。
一般的な小型デジタルスケールの台座に、レコードの針を置く補助金具を取り付けてレコード用の針圧計とするタイプです。出荷時点では補助金具は取り外されていて、自分で取り付ける形となります。
組み立て前の状態です。出荷時点で金具込みで0gはきちんと出ていますが、キャリブレーションに対応していて、基準用の20g分銅も添付されています。必要に応じてこれで0gを調整し直すと良いでしょう。
置くだけで使える気軽さ
私が使っているTechnics SL-1200Gは、まず水平を取るためにターンテーブルシートを分厚いマグネシウムシートであるSUNSHINE STS-2として、その上に滑り・静電気防止用に47研究所の豚革シートを置いています。
そしてトーンアームの調整については、カートリッジにOrtofon SPU Classic GEを買った時点で重量級の方に基準を合わせる必要が出来たため、補助ウェイト（大）を付けっぱなしにしています。
この状態でElipson Digital Scaleを使おうとすると、まずSUNSHINE STS-2を外してから計量する必要があります。
そして補助ウェイト（大）を付けてから顕著だったのですが、カートリッジによって目盛りとElipson Digital Scaleの表示の間に結構な差が生じるものがありました。前述のSPU Classic GEではほぼ目盛り通りで良かったのですが、メインカートリッジのaudio-technica AT-OC9/III＋AT-LH15/OCCでこの差が大きかったのです。その誤差が気になって別の針圧計を用意する気になった訳です。
こちらの針圧計では、SL-1200Gの目盛りと表示の間に特に解離は発生しません。やはり厚みのある針圧計を無理に使うべきでは無かったということでしょう。Elipson Digital Scaleでは0.01g単位を追い込む意味はないと感じていたのですが、このくらいの精度があれば安心してシビアに追い込むことが出来ます。
確実性という意味では天秤式のSHURE SFG-2でも悪くはなかったのですが、細かい部分まできちんと追い込むためには、やはりデジタル針圧計は必要です。
多少納期はかかりますが、格安で精度も十分ということで、お薦めできる製品ではないかと思います。
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購入金額
1,790円
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購入日
2020年07月31日
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購入場所
Amazon マーケットプレイス lovelyxiaobeijp
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