マグネシウムを活用したオーディオアクセサリーでおなじみのSUNSHINEが、協力関係にあるアクセサリーメーカーのTIGLONが開発する製品でオーディオケーブルに参入しましたが、その第一弾となったのが、電源ケーブルであるこのSAC-REFERENCE 1.8です。
私は先に同社製RCAインターコネクトケーブルSRC-REFERENCE 1.0を使っていて、このケーブルのコストパフォーマンスの良さに驚かされましたので、電源ケーブルも使ってみたくなり購入しました。
彼らが自慢(?)する通り、実に簡素な製品パッケージです。オーディオ用としては比較的低価格とはいえ、16,800円の電源ケーブルというイメージは無く、吊しで1,000円程度で売られているような印象を受けます。まあ、過去に使ったSUNSHINE製のアクセサリーも概ね同様でしたが…。
プラグはモールドですし、皮膜も黒一色で高級感とは全く縁が無い外観です。ただ、一般的に格安ACケーブルは光沢のあるビニール皮膜ですが、こちらはつや消しの黒という意味でやや違いは演出されています。
電線部分は極東電線工業製と明記されています。TIGLON自慢のHSE処理も施されていますが、単に「HSE」とだけ印刷されていて、SRC-REFERENCE 1.0のように「HSE by TIGLON」とブランド名を記載するようなことはしていません。
ベースラインが力強く迫り、ヴォーカルは目の前で歌う
今回は音質差が付きやすそうな場所ということで、フォノイコライザーPhasemation EA-200の電源ケーブルとして使ってみることにしました。EA-200には、今まではACROLINK 6N-P4010を組み合わせていました。
ここにTechnics SL-1200G+audio-technica AT-OC9/IIIで再生した音を入力します。
試聴したレコードは、「Aja / Steely Dan」「Chicago 18 / Chicago」です。
まずは「Aja」のA面を一通り聴いてから、電源ケーブルを入れ替えます。すると、明らかに差が付くのはベースラインの力感と明瞭度です。6N-P4010の音もバランス良くまとまっていてなかなか良いのですが、SAC-REFERENCE 1.8に交換すると「ベースが鳴っている」から「ベースを弾いている」へと印象が変化するのです。さらにヴォーカルが明確に主張を強くしますし、ドラムの細かい叩き方の差もよりはっきりと伝わります。高域方向はハイハットやシンバルに金属感がより強く出てくるようになりました。
好みの音や機器との相性によっては、ひょっとすると主張が強すぎると感じるのではないかと思うほど、一つ一つの音が明瞭に伝わってくるのです。
次に「Chicago 18 / Chicago」を聴いてみると、基本的には「Aja」の時と同様の印象ですが、こちらはChicagoの特徴であるホーンセクションの抑揚がよりはっきりとしてくるようになります。「Forever」のウォルト・パラゼイダーによるサックスソロに、スポットライトが当たったかのような存在感が出てきますし、「25 Or 6 To 4」の重量感が増してなかなかの迫力が出てきます。
特に苦手とするような音はないと思うのですが、どちらかというとやや重めのロックサウンドの迫力や重厚感が特に良くなったように思えます。
SUNSHINEの製品は「金持ちじゃ無くても買うことが出来る高性能アクセサリー」という辺りを狙っているそうですが、この製品やSRC-REFERENCE 1.0は、まさに狙い通りの結果が出ているように思えます。
例によって、雰囲気の演出といった付け足しは期待できませんので、機器の音やソースの音をストレートに楽しみたいという時にお薦めのケーブルといえそうです。
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購入金額
8,800円
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購入日
2020年06月14日
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購入場所
HARD OFF
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