レビューメディア「ジグソー」

大幅値下げでお買い得モデルに

4月3日に、HIFIMAN JAPANが突如として一部製品の値下げを発表しました。

 

対象となったのは、いずれもヘッドフォンのAyra、SUNDARA、HE400i、HE400Sの4モデル。特にHE400iは35,370円が17,000円に、HE400Sは35,926円が12,000円(価格は何れも税別)へと大幅な値下げとなりました。

 

HE400系は、同社の平面振動板採用モデルとしては最廉価シリーズであり、私が時々利用している米国の共同購入サイト「drop.com」で、このシリーズのバリエーションモデルであるHE4XXが$130で売られていたときにも試しに買ってみようと思っていた程度に興味はありましたので、発表を見てすぐに予約をしておいたところ、昨日ようやく手元に届いたわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メーカーからHIFIMAN JAPANに入ってきたものをそのまま直送してきたような印象です。最近はオーディオ機器を買うとメーカー直送というパターンは意外と多いのは確かですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メーカーの茶箱を開けると、本来の化粧箱の姿が現れます。HE400Sはポータブルプレイヤーで実用レベルとなる平面振動板モデルという製品コンセプトであるため、22Ωと抵抗値は小さめです。ただ、能率98dBという値から想像するよりは音量は取れないかもしれません。FOSTEX HP-A8との組み合わせでは、普段使いのSENHHEISER HD6XX(抵抗300Ω、能率103dB)と比べてもそれほどボリューム位置は大きくは変わりません。

 

 

 

 

 

 

箱を開けると取扱説明書と保証書が現れますが、この保証書はあくまで中国における保証書であり、HIFIMAN JAPANのものではありません。HIFIMAN JAPANの保証を受けるためには、正規販売店の購入証明書が必要となります。

 

 

 

 

 

 

書類を取り除くと、ヘッドフォン本体とご対面となります。ポータブル用途を想定しているとはいえ、ハウジングデザインは従来のHIFIMANそのものであり、かなり無骨で存在感があります。

 

更新: 2020/04/13
総評

1.2万円なら悪くはないが、より高価な製品とは差がある

 

 

 

書類を除けば、箱の中身はこれだけです。下に写っている箱の中には、ケーブルが収納されています。

 

 

 

 

 

 

 

HE400Sはフレームがシルバー塗装であり、通常HIFIMAN HEシリーズの製品はほぼブラックで統一されていることを考えると多少の個性は感じられます。とはいえ、基本デザインは他のHEシリーズと特に変わりません。

 

 

 

 

 

 

ケーブルはヘッドフォン側のプラグが3.5mm3極×2という仕様です。ただ、端子がやや奥まった位置にあり、周囲が狭く切り取られているため、電気的に使えると思われるケーブルでも、多くは物理的にささりません。この辺りはもう少し配慮が欲しかったところですね。手持ちのこちらが使えれば文句なかったのですが…。

 

 

 

 

 

 

仕方ないので、素直に純正ケーブルを使うことにします。ただ、HE400S添付のケーブルはHE400iなどと比べると1ランク質が落ちるという話もあります。

 

 

 

 

 

 

 

それでは、ここからは音質評価に入りましょう。組み合わせたヘッドフォンアンプは、前述のFOSTEX HP-A8です。

 

 

 

 

 

 

まず、大前提としてまだエージングは済んでいない(使用時間は計20時間程度)状態であることをお断りしておきます。2~300時間使えば、それなりに傾向が落ち着く可能性はあると思いますので、その辺りを加味してお読みいただければと思います。

 

HE400Sの基本的傾向は、ハイ上がりです。低域が不足しているわけではないのですが、高域方向の量が全体的に多めに感じられます。

 

平面振動板モデルらしく、高域方向は歪みが少なくクリアでキレも良いのですが、特定の周波数に固有の付帯音があるようで、楽曲によってハイハットの音が妙に耳障りにきこえることがあります。最初に「Ten Summouner's Tales / Sting」を聴いていて、値段の割にはなかなか良いなと思っていたのですが、試聴を小休止してそのままPCゲーム「英雄伝説 閃の軌跡III」を始めたときに、BGMのハイハットが妙に耳に付く感じがあったのです。

 

 

 

 

 

 

その後色々な楽曲を再生してみると、LPから起こしたやや古め(70~90年代洋楽)のソースでは全体的に好印象だったものの、J-POP・アニソン系など打ち込み音中心のソースで高域の質に難を感じることが多くありました。

 

また、オープンエア型のヘッドフォンの割には音場がそれほど広がらないように思えます。短時間の試聴では高域寄りのHiFiサウンドという印象なのですが、長時間聴いている内に音場の表現があまり上手くなく、低域も量は必要な分は出ているものの沈み込みがあまり無いということに気付かされます。何というか表現がどうしても薄っぺらいのです。

 

 

とはいえ、この印象は普段使っているSENHHEISER HD6XXやAudeze EL-8 Openと比較しての話ですから、1.2万円のヘッドフォンとしてどうかといえば、十分に素晴らしいと思います。

 

ポータブル用という割に大きさも重さも携帯性に難があるレベルとは思いますが、この価格でこの内容であれば十分合格点は与えられるでしょう。ただ、やはりHE400iの方を買ってみるべきだったかという後悔も少しあります。

  • 購入金額

    13,200円

  • 購入日

    2020年04月12日

  • 購入場所

    eイヤホン

18人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • harmankardonさん

    2020/04/14

    私も値下げのアナウンスを見た時,買おうかと思ったのですが,直前にイヤホンを入手してしまったので,一歩,引いて,待機していました.買うなら,HE400iかなと思っています.
  • jive9821さん

    2020/04/14

    > harmankardon さん

    私も実はイヤフォンを買ってしまったのですが、税金の還付があったので何とかなるかと思い買ってしまいました。

    HE400Sも価格を考えれば十分な出来だとは思うのですが、他の手持ちのヘッドフォンを押しのける魅力があるかと言われると難しいところです。HE400iだともう少し落ち着いた音になるのかと思いますが。

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