musashino label製イヤフォンケーブルを試してみる企画、第2弾です。先日はロック向けとなる「Stones」を試して、個人的にはかなり好印象でした。詳細は以下でご覧いただけます。
なお、当然ながらこのレビュー企画は自腹でごく普通に販売されているものを購入しているだけであり、カンパーニュさんから提供いただいたりしているものではありませんので念のため。そのため、気に入らなければはっきりとそう書きます。
今回は「for アニソン」と銘打ったSunshineというケーブルとなります。先日のStonesは純銅線でしたが、今回は銀コートOFC(無酸素銅)を採用したものとなります。個人的に銀コート線は高域方向に独特のキャラクターを感じることが多いため、結構好みがはっきり出るものと思っています。さほど癖が気にならない銀コートのケーブルも勿論ありますが、中には高域のキャラクターが強すぎてすぐに使わなくなってしまうものもあるほどです。
パッケージデザインはStonesとほぼ同じで、製品名とロゴが変わっているだけですね。
プラグ側の背中が青く塗られていることがStonesとの違いとなります。それ以外の部分では見分けることは困難でしょうね。
高域はよりはっきりと表現されるが、ややドンシャリが気になる部分も
それでは、先日のStonesと同じ条件で試聴してみましょう。
DAPはAstell&Kern KANN、イヤフォンはSHURE SE215とUltimate Ears UE900を組み合わせます。
ソースも先日と同様に、「40 Trips Around The Sun / TOTO」のLPから起こした24bit/88.2kHz WAVを中心に聴きます。
まずはSHURE SE215で聴きます。
Stonesと比較すると、中低域の密度感が減り、高域方向のアクセントが付くという傾向が聴き取れます。低域の量はそれほど違わないのですが、中低域の密度が減ることでやや低域が強調されたように感じるため、高域のアクセントと併せてややドンシャリ傾向が強まったように感じられます。
もっとも、SE215はそれほど高域方向の表現に優れたイヤフォンではありませんので、このイヤフォンと合わせるのであればSunshineのように高域にアクセントが付いている方がむしろわかりやすく楽しめるかもしれません。SE215とは、組み合わせとしてまずまず良いのではないでしょうか。
続いてUltimate Ears UE900で聴きます。
UE900はStonesとの組み合わせでかなり良好な変化を示したイヤフォンですが、Sunshineでは残念ながらそこまでの相性の良さは感じられません。SE215でも感じられた中低域の密度感の低下が影響しているのか、UE900のユニット間の繋がりの悪さが再び感じられるようになってきます。バスドラム付近の低域はそこそこ出ていて、その上辺りがやや不足気味となるために、妙に低域が強調されたような印象を受けてしまうのです。
高域については、Stonesと比較して量はそれほど大きく変わらないのですが、エッジが立ったといえば良いのか、アクセントが感じられるようになります。結果として、UE900本来のカマボコサウンドと上手く合いそうなものなのですが、実際には低域・中域・高域と、それぞれのユニットの特定帯域だけが強調されたかのような、妙なバランスとなってしまいました。SE215ではStonesと比べてそれほど相性が悪いと思えなかったのですが、UE900では明らかに相性で劣っています。
試しに本来の用途であるアニソンとして、「MIRAI TICKET / Aqours」のハイレゾ版を聴いてみましたが、確かにアニソンを聴く限りでは高域方向のアクセントが作用して、ちょっと派手気味に上手くまとめているような音になります。ただ、これが上手く嵌まるソースはさほど多くないような気がします。アニソン特化ならアリかもしれませんが。
というわけで、前回のStonesはどちらのイヤフォンとも良好な相性を示したのですが、今回は組み合わせやソースをはっきりと選ぶというのが結論です。アニソン特化なら悪くはありませんが、幅広いジャンルを聴くのであれば、Stonesの方をお薦めしておきます。
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購入金額
4,000円
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購入日
2020年03月08日
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購入場所
ヨドバシカメラ
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