所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。作曲をする際、DTMなどで最終完成形まで自分一人で持っていく場合は別として、他のプレイヤーの力を借りる場合、それを説明する曲を創ったりします。自分の中にあるおおまかなイメージを伝え、形にする、そんな役割を持つ「デモ」音源をご紹介します。
佐藤奏。(2020年)現在17歳のドラマー。でもすでに10年の活動歴を持っている。この活動には家族の協力が不可欠だが、特に奏パパこと佐藤正則さんの協力が大きい。プロデュース&マネージメントに加え、彼女が演奏するオリジナル楽曲は、正則さんの筆によるもので、トラックメイクも奏パパ。
奏ちゃんが、奏パパの創ったオリジナル楽曲のドラムスをプレイしているのが収められているのが、“かなデモ”という自主制作盤。
これを制作するにあたり、収められている楽曲のイメージを、奏パパ⇒奏ちゃんに伝えるために創られた「デモ音源」が収められているのが、今回ご紹介する“かなデモのデモ”。
自分が音楽活動していたときも、バンド仲間にイメージを伝えるために「デモ音源」を制作したこともあるが、 時の経過による機材の高性能化はあるものの、それ以上に遙かに質の高い楽曲が並ぶ(才能の差か...orz)。これを聴くと、奏ちゃんの叩いているフレーズのうちのいくつかは、「当初から作曲されていた」ものだともわかる。
「The Next Step (DEMO)」。奏ちゃんの10周年記念ライヴの副題となっており、ライヴでも演奏もされたスピーディでスリリングなフュージョンナンバー。打ち込みの乾いたドラムとスラップベースの織りなす細かく刻まれたリズムと、ゆっくりと空間を切り取るシンセリードの対比が印象的。シンセリードは数音色使われているが、一番いいのはフィードバックがかかったディストーションギターのような音色。奏法的にもアームダウンを模したような音もあり、かなりハード。
続く「Jupiter (DEMO)」は、そのライヴで、奏ちゃんに見守られながら?奏パパが演奏した曲で、Gustav Holst(ホルスト)の組曲「The Planets(惑星)」からの曲。フュージョンタッチにアレンジされているが、リズムとしてはあまり凝りどころ?がない、16分喰いバスドラが時折入るエイトビートなので、これは奏ちゃんが演ってもあまり華がなかったかも。
「Start Line (DEMO)」は、“かなデモ 2.5”にも入っている曲だが、「DEMO音源」としても良く出来ている。ドラムは現在の奏ちゃんのプレイ内容にかなり近く、ライヴではこのDEMOをベースとして、より高次元に再現しているというのがよくわかる造り。つまり、楽曲が出来た時にすでにかなりドラムのフレーズは提示されている、ということか。
「Splash (DEMO)」は初期からの人気曲だが、この「DEMO」では、“っぱぱ、っぱ”のハンドクラップがガッツリと入っていて、ライヴでは「古参」らしき人が、そのリズムを刻んでいたなぁと懐かしく思い返したり。シンセソロのリード音がアナログシンセ風で「時代」を感じる。
どの曲もDEMOと言ってもほぼ単体で鑑賞できる打ち込みフュージョンとなっている。奏ちゃんのアーティスト活動は、曲制作とその時点でのリズムアレンジの「核」提示という協力によって成り立っているのだなーと感じた作品。
「サイン入れやすそうな」デザインだったので?サインももらったりしてw
年末、熱いプレイを聴かせてくれた奏ちゃん関係はこれでオシマイ。
またいつかライヴに参加したいなー...
【収録曲】赤文字「佐藤奏 10周年記念ライブ-2~The Next Step~」での演奏曲
1. The Next Step (DEMO)(アルバム未収録)
2. Jupiter (DEMO)(アルバム未収録)
3. Sympathy 2018 (DEMO)(Live用バージョン/アルバム未収録)
4. Introduction 2017 (DEMO)(アルバム未収録)
5. Start Line (DEMO)(KANADEMO 2.5)
6. Share the Groove (DEMO)(1st Live & KANADEMO 2.5)
7. Osanpo (DEMO)(KANADEMO 2)
8. Bright Days (DEMO)(KANADEMO 2)
9. It's About Time (DEMO)(KANADEMO 2)
10. Sympathy (DEMO)(KANADEMO 2)
11. P.D.P. (DEMO)(楽器フェア & KANADEMO 2)
12. Smile Island (DEMO)(KANADEMO 1)
13. Splash (DEMO)(KANADEMO 1)
14. Drops (DEMO)(HLAG2014 & KANADEMO 1)
15. Time And Space(KANADEMO 1)
「佐藤奏 10周年記念ライブ-2~The Next Step~」「The Next Step」や奏パパの演奏もあるよw
単に打ち込みのフュージョンタッチ楽曲として聴いても、質は高い
ただフュージョンには打ち込みは似合わないのだが...
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購入金額
1,000円
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購入日
2019年12月29日
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購入場所
佐藤奏 10周年記念ライブ-2 ~The Next Step~
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